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リスティング広告を内製化するのが難しい6つの理由

リスティング広告を内製化するのが難しい6つの理由
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※このページは2020年3月24日に更新されました。

「リスティング広告の内製化を検討している」
「自分たちで運用できそうなものだが、本当に難しいのだろうか」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケター兼ユーチューバーの中釜(@keitanakagama)です。
リスティング広告に携わり12年になりますが、インハウスリスティングのブームが少しずつ拡がっていると感じています。

※インハウスリスティング:代理店に依頼せず自社でリスティング広告を運用するチームを内製化して自社内で運用すること。

中釜 啓太
中釜 啓太
今回はリスティング広告の運用業務を内製化するのが難しい理由について解説しています

結論から言うと、リスティング広告を自力で内製化するのは難しいです。

リスティング広告を内製化するのが難しい理由
  • 運用経験者を採用するのは簡単ではない
  • 一人前の運用者になるには時間がかかる
  • リスティング広告は奥が深い
  • 最新情報やノウハウを自分で入手する必要がある
  • 属人化しやすく、転職も多い
  • 自動化には手動の部分も多く、知識も必要

ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

ユニアドチャンネルユニアドチャンネル

理由①:運用経験者を採用するのは簡単ではない

広告運用経験者の採用を考えると思いますが、簡単ではありません。

採用するのが難しい理由

  • ウェブ広告業界は急成長している一方で、専門人材の数が不足している。
  • 転職市場において重宝されるので引く手あまた。
知人に聞いた話では、大手代理店企業でも優秀な人材の獲得は難しいようです。この業界は独立もしやすいので、起業やフリーランスの選択肢もあります。

筆者の感覚では、経験者であったとしても半年~1年でスキル面ではまだ発展途上の人材が多いです。

理由②:一人前の運用者になるには時間がかかる

未経験者を採用して育てようと考えている方もいるかと思いますが、未経験者が一人前の運用者になるには、かなりの時間と労力がかかります。

毎日8時間以上費やし、業務を教える先輩がマンツーマンで教えても、最低6ヶ月は必要です。もし教えてくれる人がいない場合は、自分ですべて情報収集する必要もあるので、もっと時間がかかります(おそらく不可能に近い)。

筆者の場合は、前職で未経験からスタートし、一人である程度できるようになるまで1年くらいかかりました。

理由③:リスティング広告は奥が深い

リスティング広告って、検索したときに出てくる広告を作ればよいのでは?そんなに難しいことなの?

とお考えの方も少なくないかと思います。

しかし、リスティング広告は奥が深く、成果を出すためにはさまざまなノウハウや運用スキルが必要なのです。

検索したときに表示される広告に、以下のような細かい設定が必要です。

広告配信に最低限必要な設定

  • アカウント設計
  • キーワードの設定
  • 広告文の設定
  • 予算の設定
  • 入札戦略
  • 配信地域の設定
  • ユーザー情報(年齢・性別など)の設定

さらに深堀りすると、キーワードの設定だけでも以下の要素を最低限考慮する必要があります。

キーワード設定で最低限考慮するべきこと

  • マッチタイプ(部分一致やフレーズ一致など)
  • 入札単価(1クリックにいくら払うか)
  • 検索ボリューム
  • 競合性

上記のような複数の設定を組み合わせ、駆使することによって初めて、効果的な広告の配信が可能になります。

反対に、上記のノウハウを知らないで配信したとしても成果を出すのは難しいです。

理由④:最新情報やノウハウを自分で入手する必要がある

リスティング広告は常に機能がアップデートされるサービスです。

新しい手法もキャッチアップしていかないと効果的な配信ができない上に、今まで使っていた知識では通用しなくなることもよくあります。

代理店の強みは「情報量」

代理店に依頼するメリットは以下があります。

  • Googleから最新情報を共有されている
  • Googleが開催するセミナーや研修へ参加できる
  • 経験やノウハウ、競合情報を持っている

自社で広告運用をするのであれば、自分ですべて情報収集する必要があります。

理由⑤:属人化しやすく、転職も多い

リスティング広告は運用者によってパフォーマンスが変わる分、属人化しやすい業務でもあります。

属人化とは:
特定の人しかやり方が分かっていない状態になること。

広告運用のやり方が分かっている人がいたとしても、転職されると誰も分からなくなるということが起こります。

理由

  • 細かい運用方針などは運用担当者に依存しやすい
  • 一度スキルを学べば、ノウハウをスライドできるため転職や独立がしやすい

理由⑥:自動化には手動の部分も多く、知識も必要

リスティング広告のAI技術はここ数年で大きく進化しています。

ただ、自動化できる部分は多くなったとはいえ、人間の目で確認し、頭で考え、手で作業する必要があるので「自動化=楽できる、だから自社でやる」は失敗します。

リスティング広告は複雑化しており、使いこなす必要があるのですね。むしろ自動化が進んでいますが、工数は増えています。

自動化においての失敗例を挙げると以下のようになります。

失敗例①

データ量が不十分にも関わらず自動化ルールを導入してしまっている。
特にコンバージョンが少ない場合、自動化しても効果が悪い。

失敗例②

自動化が提案してきたキーワードをすべて追加したら、無関係のキーワードにも広告を表示していた。
自社のサービスの強みは自分で把握するしかない。

失敗しないための自動化の考え方

  • 自動化が進んでも工数は減らない。むしろ増えている。
  • Google広告をシステムとして捉える。人間はその管理者。

内製化している企業の特徴

リスティング広告を自社で運用している企業は次の2パターンです。

  • スタートアップの小規模企業:手数料を支払う余裕がなく、自社でやるしかないパターン
  • 大企業:代理店に依頼すると手数料だけでかなり高額になるため、運用者を直採用しているパターン(Amazonなど)
筆者の感覚では95%くらいの企業がリスティング広告を外部に委託しています。

内製化には大きなメリットがあるのも事実

いくつかのハードルの先には手数料カット以外でも、さまざまなメリットが存在します。

メリット①:マーケティングの知見が社内に集まる

成功事例や失敗事例、運用ノウハウを社内に集約することができます。

代理店へ委託する場合

運用のやり方が代理店の運用者に依存しているので、細かいところの共有は難しい。

自社運用の場合

社内で内製化すれば、運用方法や戦略、過去の運用ノウハウもすべて共有することができる。

社内にノウハウが集まればサイト制作や営業部署に情報を活用でき、会社全体における武器となります。

活用例

  • リスティングで効果のあったキーワードをサイトに使用する
  • 来店したお客様のアンケート内容を広告に反映させる

メリット②:コミュニケーションコストが下がる

自社で運用する場合、社外に対するコミュニケーションコストが下がり運用から反映までのスピードがアップします。

  • PDCAを早く回せる
  • 情報の共有が社内で完結できる
  • 修正にもすぐ対応できる

代理店へ外注する場合、運用の手間は省けますが、指示する必要はあるので工数がゼロになることはありません。

メリット③:社外に情報が漏れにくい

社外秘の情報は広告代理店には共有しづらいものです。

あと、人間は以下のような見栄が出てしまいます。

  • 始めたばかりの新規事業なので実績がなくて恥ずかしい
  • 右肩に下がっている数字を見せたくない

自社運用の場合、社内の信頼できるメンバーで進められる安心感があります。

最後に:内製化を考えるなら専門家にサポートをお願いしたほうがよい

本記事で解説した「リスティング広告の内製化が難しい理由」は以下のとおりです。

リスティング広告を内製化するのが難しい理由
  • 運用経験者を採用するのは簡単ではない
  • 一人前の運用者になるには時間がかかる
  • リスティング広告は奥が深い
  • 最新情報やノウハウを自分で入手する必要がある
  • 属人化しやすく、転職も多い
  • 自動化には手動の部分も多く、知識も必要

繰り返しますが、リスティング広告の内製化を自力でおこなうのは簡単ではありません。そのため、インハウス支援をおこなっている専門家にお願いした方がパフォーマンス面やコスト・時間を考えると最終的にコスパは良いです。

ユニアドでは、リスティング広告の運用代行だけでなく、内製化のお手伝いもしています。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
運用型広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けしています。