- コンサルティング
月額1,000万円の広告配信を最適化したペット保険比較サイトの改善事例

株式会社エレメント様は、保険・通信・エネルギー・教育といった生活インフラに関わる分野で、情報比較サイトの企画・運営をおこなわれています。
各サービスを料金や補償内容、利用条件などの観点から分かりやすく整理・比較し、ユーザーが自分に合った選択をスムーズにおこなえるよう支援されています。
エレメント様が運営する「ペット保険STATION」では、犬・猫を中心としたペット向け保険を保険料や補償内容、通院・入院・手術の対応範囲など、複数の保険会社の商品を項目別に比較・検討することが可能です。
Google広告においてはこれまでゼロから独学で運用されていたものの、属人化により社内にノウハウが蓄積されず、運用体制の構築に不安が残る面もありました。
判断から実行までのスピード感は自社で広告運用をおこなう強みですが、社内に専門的な知見がない場合は運用の精度を安定的に保つのが難しく、継続性に課題を感じられていました。
そうした背景から、属人化を解消して安定的に運用できる体制を整え、社内全体で広告運用に関する理解を深めたいという想いで、広告の専門家への相談を検討されていました。
弊社ではエレメント様が継続的に広告運用に取り組めるよう、社内の知識向上と仕組み化の両面から、コンサルティングという形でご支援を提供しています。
さて、本インタビューでは株式会社エレメントの杉野様と石引様にお話を伺いました。
「自社で広告を運用しているが、正しいやり方に自信が持てない」
「属人化を防ぎながら、社内にノウハウを蓄積していきたい」
とお考えの方はぜひご参考ください。
お客様の声
取り組み前に抱えていた課題について杉野様にインタビューしました。

インタビューしたお客様
株式会社エレメント 杉野様
1. 取り組み前の課題とご依頼の経緯
ノウハウが属人化し、社内での再現性が持てない状態に
Google広告の運用はゼロから独学で始めたものの「このやり方で正しいのか」と確信を持てない場面も多く、試行錯誤を繰り返す日々が続いていました。
私自身はウェブ制作の経験があったためIT関連の業務には慣れていましたが、広告運用は入社後に学び始めた分野になります。
社内の他メンバーもそれぞれが異なるバックグラウンドを持ち、広告運用は全員が未経験からのスタートだったため、知識の偏りや属人化が避けられず、体系的なノウハウの蓄積や再現性のある体制づくりに限界を感じていました。
運用レベルに差があり、チーム全体での底上げが必要に
現在は6名体制で広告を運用していますが、例えばキーワードのマッチタイプに関しても、メンバー間で認識のズレがある状況でした。
特に以前から在籍していたメンバーは、今ほどターゲティング精度が高くなかった頃の感覚で完全一致のみを使っていたこともあり、新しい仕様への理解に差が出ていました。
私自身も基本的な考え方として「広く拾って除外で絞る」ことは知っていたものの、実務経験が少ないため、自信を持って指導・判断するのは難しいと感じていました。
インターネットで情報を集めたり、数値を見ながら都度対応してきたものの、本当に適切なのかは不明瞭で限界を感じていたのが実情です。
中立的な視点でアドバイスが欲しかった
Google広告サポートの担当者の方と月1回の定例ミーティングをおこなっています。
最新機能や業界トレンドに基づいた提案をいただけたのは心強かったものの、アドバイスの多くは媒体側の推奨設定をベースにした内容であり、自社の配信状況に適した施策の判断は最終的に自分たちでおこなう必要があると感じました。
私たちは独学で広告運用を進めていたこともあり、膨大な情報の中から自社に合った適切な配信を見極めるのは決して容易ではありませんでした。
中立的な視点から自社の状況や課題を理解した上で継続的に並走し、柔軟かつ実践的な提案をしてくれる外部パートナーが必要だと感じ、実際に複数社を比較検討した結果、御社にお願いすることになりました。
- 月1回の定例ミーティングでは最新機能やトレンドに関する提案が受けられたが、必要な施策の判断が難しかった
- 中立的な視点から、自社に合った提案をしてくれるサービスを探していた
2. コンサルティングで広告運用の「足踏み状態」が解消
取り組み後の成果について石引様にインタビューしました。

インタビューしたお客様
株式会社エレメント 石引様
除外キーワードの設定やマッチタイプの理解が深まった
コンサルティングを導入したことで、自社の運用実態やリソース状況を客観的に把握できるようになり、意思決定を後押ししてくれる第三者の視点を取り入れられるようになりました。
「何を基準に、どう運用方針を決めるべきか」という判断軸が明確になったことで、広告運用の足踏み感が徐々に解消されていきました。
これまで社内で曖昧になっていた除外キーワードの設定など具体的な事例や指標をもとにアドバイスを受けたことで、施策に対する判断にも自信が持てるようになりました。
結果としてチーム内のやり取りがスムーズになり、運用フローが確立できたと感じています。
広告配信の幅が広がった
広告配信の幅を広げる施策として、サイトリンクアセットを活用していなかったページ群にも流入を設けるという提案をいただけたことは大変印象的でした。
訴求内容を広げられるだけでなく、出稿していないページからも流入が増加したことで、従来の主要ページだけに依存せず多面的にユーザーを確保できるようになり、関係各所に対して幅広く提案することができました。
多面的なユーザー流入
- サイトリンクを活用することで、これまで流入のなかった周辺ページにも訪問が生まれ、ユーザーの入り口を多方面に広げることができた
- 主要ページだけに依存せず複数のページに分散して誘導できるようになったことで、訴求の幅が広がり多様なニーズを持つユーザーを獲得できた
社外に向けた見せ方にも変化が生まれ、広告運用における視野が広がった実感があります。
生成AIの活用による効率化と仕組み化
社内ではChatGPTをはじめとする生成AIを業務に取り入れ始めています。
例えば生成AIを活用することで記事作成は格段にスピードが上がり、属人化が解消されるため仕組み化が進む点もメリットだと感じています。
広告運用においてはまだ活かしきれていない部分があり、例えば広告文の生成においては内容としては正しくても機械的な印象になってしまうことがあり、読み手への伝わり方を考慮した調整が必要になります。
一から自分の頭で考えるよりも確実にスピードアップするので、今後うまく活用できれば業務効率化に繋がるのではと思います。
人間の手を動かす部分と使い分けをおこないながら、今後も生成AIを活用する幅を広げていきたいと考えています。
3. 今後の課題と展望
AIOによる流入減への備えが必要
私たちはこれまでSEOと検索広告によるオンライン集客を中心に事業を展開してきました。
Google検索におけるAI Overview(AIO)の導入により、検索ユーザーが20~30%流入減少しており、対策が急務だと感じています。
まだGoogle自体の仕様も定まっていない中で対策が難しい部分もありますが、LLMOが成功しているページを参考にしながらの改修やAIOによって減少した流入分を補えるような新たな取り組みも視野に検討しています。
保険会社との連携をこれまで以上に強化し、共業という形でパートナーシップを深める方向性も重要だと感じています。
SEOとコンテンツ施策を強化している
当社ではオンライン集客の主軸としてSEOとGoogle広告の両軸を活用していますが、最近では広告だけではすぐに効果が出づらい背景もあり、SEOも注力しています。
ウェブサイト上での流入経路を増やすべく、周辺ニーズを含めた多様なコンテンツを増やす取り組みを進めており、保険加入に直接繋がるキーワードだけでなく、ユーザーの検索行動を広く捉えたテーマを取り上げ、入り口となるコンテンツを月2本ほど定期的に発信しています。
記事の執筆自体は外部ライターに委託しつつも、構成や見出し設計は社内でおこなっており、一定の時間と工数を投下して制作しています。
広告を出稿していないページでもUI/UXを見直すことで、サイト全体の回遊性や成果率の向上を図っています。
- 広告だけでなくSEOにも注力し、オンライン集客を広告と自然検索の両面から支える体制を強化
- ユーザーの検索行動を広く捉えた周辺ニーズにも対応したコンテンツを増やすことで、流入経路の多様化を図る
- UI/UXの改善にも取り組むことで、広告を出していないページでも成果率の向上とサイト全体の価値向上を目指す
SEOと広告配信以外のチャネル設計も必要
集客をSEOとリスティング広告に頼っていること自体がリスクではあるので、SNSやオフラインも含めた入口を増やす必要も感じています。
例えばLINEで相談窓口を設けたり、SNSの活用や店頭での販売を視野に入れています。
ペット保険市場自体は依然として右肩上がりで拡大している領域ですが競合も増えているので、埋もれることなくチャンスを掴めるよう幅広い視野を持って集客を強化していきたいです。
広告出稿だけで完結するモデルから脱却し、情報発信・サービス理解・信頼構築までを含めた広い視点で売上を設計していくことが、今後ますます重要になると考えています。
最後に
お話ありがとうございました。
今回は「自社で取り組んでいるGoogle広告運用のノウハウを強化し、社内の仕組み化を推進したい」というご相談をいただき、弊社にてコンサルティングのサポートをさせていただきました。
マッチタイプや除外キーワードの選定基準の明確化やサイトリンクの追加による訴求力の強化によって、自信を持って運用できる体制を整えるお手伝いができたのではないかと思います。
新しいチャレンジにも前向きに取り組まれ、積極的に広告運用に向き合う姿勢は、私たちにとっても非常に刺激的で、多くの学びや気づきを得る機会となりました。
今後もより多面的な施策をおこなわれるにあたり、お客様に貢献できるような取り組みを続けたいと考えております。
review
「Google広告を自社で運用しているものの、独学の知識のままで正しくできているか不安」「感覚に頼った運用になっていて、属人化が進んでいる」といったお悩みを抱える広告主様は少なくありません。
広告運用で効果を出すには商材や業種に応じた最適な設計や検証が求められるため、媒体側の担当者が付いていても提案が必ずしも自社にとってベストとは限らず、判断が難しい場合もあります。
「自社運用のスピード感を保ちつつ、属人化やノウハウのばらつきといった自社運用にありがちな課題は解消したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
私たちは必要なタイミングで必要な部分だけをサポートするコンサルティングサービスをご用意しており、マーケティング全体を俯瞰した視点からお客様の目的や体制に合わせて最適な運用のあり方をご提案します。
自社運用において効果の継続性や仕組み化に不安や限界を感じている方は、課題の棚卸しからご一緒させていただきますので、ぜひ一度弊社にご相談ください。
ペット保険STATION:https://www.pets-station.info/
その他導入事例はこちら
もっと実績を見る関連サービスはこちら
もっとサービスを見る