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LINE広告の運用で若年層にヤミ金融被害防止を注意喚起した官公庁

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金融庁金融庁

金融システムの安定や仲介機能の発揮、利用者の保護・利用者の利便、市場の公正性や透明性・市場の活力を両立させることを通じて企業や経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指すことを目標にしながら日々金融行政に取り組まれている金融庁様。

近年、新社会人をターゲットとしたヤミ金融による被害が深刻化しており、社会経験が浅い若年層がトラブルに巻き込まれるケースが増加しています。

今回は注意喚起を目的とした広報施策として、幅広い年代層へのリーチが可能で、国内最多の月間利用者数を誇るLINE広告を活用した情報発信が実施されることになりました。

啓発クイズ形式の動画や注意喚起バナーを活用し、新社会人を中心とした若年層に向けて、ヤミ金融の危険性や対処法を分かりやすく伝えたいという想いから、金融庁様のLINE広告の運用をさせていただきました。

「SNS広告媒体の選定方法が知りたい」
「バナー作成の運用ポイントを知りたい」

とお考えの方は、本記事で媒体の選定基準やクリエイティブ作成のポイント、代理店に依頼するメリット・デメリットをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

媒体を選定する際のポイント

広告を出稿する媒体を選定するポイントは以下の3点です。

ポイント①:媒体の利用者数(リーチの広さ)

まず媒体選定のポイントとなるのは利用者数です。

日本のSNS利用者数ランキングの図

LINEは普段SNSを使用しないユーザーでも連絡手段として利用していることもあり、今回のような公的機関による注意喚起や広報活動という内容は幅広い層に届ける必要があるため、広告媒体として適しています。

ポイント②:媒体の特徴を理解する

広告を効果的に届けるためには、媒体ごとの特性や仕組みを理解した上で、目的に応じた選定をおこなうことが欠かせません。

限られた予算で最大限の効果を得るためには、単にユーザー数の多さだけでなく、媒体の「強みと制約」を把握しておくことが重要です。

各SNS広告の特徴を比較した表は以下のとおりです。

主要SNS広告の比較の図

今回選定したLINEは、国内で約9,800万人に利用されており、日本の人口の大部分をカバーできる媒体ではありますが、コンバージョンに繋げる媒体としては弱いという特徴があります。

一方でInstagram広告の場合、LINEよりはユーザー数が少ないですが、ターゲティング精度が高く、ユーザーの興味関心や過去の行動データに基づいて広告が配信されるため、認知拡大だけでなくコンバージョンにも繋がりやすい媒体になります。

媒体の適性は案件によって異なるため、商材や目的に合わせた選定をおこなう必要があります。

ポイント③:まずは1媒体に絞って配信をおこなう

「複数媒体に広告を出稿したほうが効果的なのでは」と考える方も多いですが、広告配信の仕組みが機械学習を基盤とする現在においては、この考え方が逆効果になるケースもあります。

例えば、50万円の広告予算を5媒体に均等に配分した場合、各媒体に割り当てられる金額は10万円となります。

10万円では1媒体あたりのコンバージョン数を十分に確保できない可能性が高く、学習が進まない結果、広告配信精度も上がりにくくなります。

一方で同じ50万円を1媒体に集中的に配信すれば、短期間で多くのコンバージョンデータが集まり、広告プラットフォーム側の学習が進みやすくなります。

結果として見込みの高いユーザーに対する配信精度が向上し、同じ予算でも高い成果を上げることができるのです。

ひとつの媒体に十分な予算を投下し、効果検証をした後の追加施策としては複数媒体の展開が有効になるケースもありますが、スモールスタートで広告配信を始める場合はひとつの媒体に絞ったほうが効果が高いと言えます。

まずは1媒体に絞って効果を最大化する戦略をおすすめします。

効果的なLINE広告配信のポイント

効果的なLINE広告配信をおこなうためのポイントを解説します。

ポイント①:配信面を意識する

SNS広告には複数の配信面があり、それぞれの特徴やフォーマットを理解して活用する必要があります。

例えば、LINE広告には20個の配信面がありますが、主な配信面は下記のとおりです。

  • トークリスト:トーク画面の最上部に広告が表示される
  • LINE NEWS:ニュース記事一覧ページなどに広告が配信される
  • LINE VOOM:ショート動画のような形で広告配信が可能
  • LINE広告ネットワーク:LINE以外の提携アプリにも広告を配信

媒体によっては指定しなくても自動に適した掲載面に配信してくれる機能がありますが、特定の掲載面に掲載したい場合はフォーマットに合わせたクリエイティブを入稿する必要があります。

目的や訴求内容に応じて、どの配信面でどのように広告を見せたいのかを考慮することが、効果的な運用のカギとなります。

ポイント②:ターゲティングの精度・仕様について理解する

媒体ごとにターゲティングの精度や仕様が異なるため、理解した上で使いこなすことが重要になります。

LINE広告には、大きく分けて4種類のターゲティング機能があります。

  • オーディエンスセグメント配信:年齢、性別、地域、趣味・関心などを指定して、対象のユーザーに配信
  • オーディエンス配信:ユーザーのデータを利用してオーディエンス(ユーザーのグループ)を作成し、対象のユーザーに配信
  • 類似配信:ソースオーディエンスに類似したユーザーをLINE内で新たに探し出し、対象のユーザーに配信
  • 自動ターゲティング:広告主が細かい設定をせず、アクションが見込めそうなユーザーに自動で配信

中でも主なターゲティングであるオーディエンスセグメントでは以下のような項目を指定することができます。

広告のセグメント例の図

例えば、フィットネスジムの広告を出す場合「20〜40代の都内23区在住で、健康やダイエットに関心がある男女」といったターゲティングが可能です。

クリエイティブ制作のポイント

これから広告クリエイティブを制作される方に向けて、何から始めるべきか・どう工夫するべきかを解説します。

ポイント①:媒体ごとのルール・傾向を理解する

クリエイティブ制作には、媒体ごとに押さえるべきポイントがあります。

特にSNS広告は、スクロールされる中で瞬間的に目を止めることが求められるため、下記の構成を整理しながら制作することが重要です。

  • メインコピー(パッと目に入る言葉)
  • サブコピー(補足情報)
  • モデルや商品写真
  • CTAボタン(例:『今すぐ見る』『詳細はこちら』)

媒体ごとに作成ポイントをまとめると以下となります。

媒体の制作時のポイント例の図

ポイント②:生成AIを活用する

最近では、ChatGPT(特にGPT-4oやo3)などの生成AIを活用したバナーデザインのアイデア出しや構成案の作成も可能になってきました。

プロンプトの例:「新社会人向けの注意喚起広告用バナー案を5つください。メインコピー、サブコピー、構成要素を含めて。」

▼ChatGPT(o3)のチャット画面
チャットGPTに作成してもらったバナーの図

AIを活用することのメリットは、人間では考えつかなかったパターンを提示してくれることで「えっ、そんな発想があるの?」と驚くような案が出ることもあります。

ただし現時点では、下記のような細部においては微調整をおこなうことができないため、まだ人間の目や専門家が必要です。

  • 色味のバランス
  • モデル写真の選定
  • 画像内テキストの配置と読みやすさ

そのため「生成AIも活用しつつ、最終的な仕上げは人間で丁寧におこなう」という役割分担になると言えます。

ポイント③:ABテストで成果を検証しながら改善する

広告クリエイティブは「一発勝負」で決めるものではなく、複数パターンを実際に配信して、ユーザーの反応を比較・分析することが重要です。

同じ訴求内容でも、見せ方や伝え方を少し変えるだけでCTR(クリック率)やCVR(成約率)に大きな差が出ることがあります。

特に若年層向けのSNS広告では、ビジュアルの印象やコピーのニュアンスがユーザーのアクションに直結するため、細かな違いにも注目したクリエイティブのABテストが欠かせません。

例えば、下記のような項目ごとに2パターンのクリエイティブを作成し、同一条件で配信して数値を比較することで、「どのような表現がターゲットに響いたのか」を明確に把握できます。

  • モデルの有無(人物あり/人物なし)
  • 色味の違い(暖色系/寒色系)
  • コピー表現(呼びかけ調のコピー/説明調のコピー)
  • 文字量(キャッチコピーのみ/補足説明あり)
  • 写真の構図(アップ/引きの画)
  • 背景の処理(背景あり/背景をぼかしたシンプル構成)
  • 装飾要素(アイコン・スタンプあり/なし)
  • 動画の比率(縦型 9:16/横型 16:9)
  • 動きの有無(アニメーションあり/静止画)

このようなテストを重ね、効果の高かったパターンをベースに改善を続けることで、限られた広告予算でも効果を高めることができます。

代理店に依頼するメリット・デメリット

LINE広告を配信するにあたり代理店に依頼するか自社で運用するか悩む方も多いと思うので、代理店に委託するメリット・デメリットを解説します。

メリット①:本業に集中できる

LINE広告に限らず、ウェブ広告の運用にはターゲティングの設計やクリエイティブの作成、日々の効果検証や改善対応など、多くの工程と専門的な知識が求められます。

実際に広告を運用する際には、以下のような業務が発生します。

広告運用業務の一例の図

これら全てを自社だけで対応しようとすると、担当者の時間やリソースが大きく割かれ、結果的に本業に支障が出てしまうことも少なくありません。

配信において不可欠なバナー画像も制作経験がないと効果的なクリエイティブにならない可能性があります。

広告代理店に運用を委託することで、媒体ごとのアルゴリズムやユーザー特性を熟知した専門家が戦略立案から実行・改善までの一連の流れを任せることができるので、広告主側は自分たちの業務に集中できるようになります。

メリット②:配信後の効果検証ができる

LINE広告をはじめとする多くの媒体では、初期設定や配信開始までを媒体側がある程度サポートしてくれるため、初めてでも開始しやすい環境が整っています。

一方で効果を上げるためには、配信後の数値をどう読み取り、どこを改善すべきかを見極め、継続的に最適化していく必要があります。

画面上の指標だけで判断すると誤解が生じることもあり、実際のユーザー行動や成果と照らし合わせながら分析する視点が欠かせません。

運用会社に依頼すれば、専門家が豊富な運用経験と事例に基づき、数値を正しく読み解いた上で、必要に応じて具体的な改善の方向性も示してくれます。

  • ターゲティングの見直し:配信先の年齢層・興味関心などが的確かを検証・再設定
  • 数値分析:クリック率やコンバージョン率などの推移からボトルネックを特定
  • 広告クリエイティブの改善:バナーや訴求メッセージの反応をもとに改善案を提案
  • ランディングページの検証:ユーザーが離脱していないか、ページ構成や導線を確認
  • 競合他社との比較分析:他社の事例や実績を参考に改善ポイントを可視化
  • 配信時間や曜日の最適化:効果の高い時間帯を分析し、配信スケジュールを調整
  • ユーザー導線全体の見直し:広告クリック後の体験がスムーズかを総合的に判断

メリット③:LINE広告以外の媒体も検討できる

LINE広告の媒体担当者からは、LINE広告に関するサポートは受けられますが、他の広告媒体についてアドバイスをもらうことはできません。

一方で、広告運用会社に依頼すれば、複数媒体に関するノウハウをもとに、中立的な視点で適切な媒体の選定や組み合わせを提案してもらうことが可能です。

かつては「Webマーケティング=検索広告とSEO」といった時代もありましたが、現在ではSNSの活用やLLMO(情報最適化)など、活用すべきチャネルは大きく広がっています。

今後のマーケティング戦略の図

「LINE広告を検討していたが、実は他媒体のほうが適していた」といったケースにも柔軟に対応できたり、LINE広告単体では成果が出にくい場合でも、他媒体と組み合わせることでより効果を高める提案が可能です。

LINE広告を軸にしつつも、自社の商品・サービスや目的に最適な媒体選定や組み合わせなどの提案を受けることができるのは、専門家に依頼するメリットのひとつです。

デメリット①:手数料がかかる

広告代理店にLINE広告の運用を依頼すると手数料(運用代行費用)が発生します。

この手数料は、広告費に対して一定の割合で設定されていることが一般的で、例えば「広告費の20%」といった料金体系が多く見られます。

運用手数料の相場の図

追加型の場合は月間の広告費が100万円の場合、別途20万円の手数料が必要になり、内包型の場合は広告費が80万円に減額されるという計算です。

広告予算が限られている企業にとっては、媒体に支払う広告費以外のコストがネックに感じられることもあります。

運用手数料には配信設定・効果分析・改善提案・レポーティングなど専門的なノウハウや工数が含まれているため、自社で同じクオリティを再現するには多くのリソースが必要なことも念頭に、費用が見合う投資かどうかを見極めることが重要です。

デメリット②:最低出稿金額が設定されている場合がある

広告運用会社によっては例えば「100万円以下の案件は受け付けていない」など、予算に下限を設けているケースもあります。

広告出稿が初めての企業やスモールスタートで慎重に始めたいと考えている企業にとっては、月20~30万円、もしくはそれ以下の金額で試したいというニーズも多いですが、少額予算では依頼先が見つからないという事態も起こり得ます。

最低出稿金額が設定されている理由は、広告代理店の収益構造にあります。

業界では一般的に広告費の20%が代理店の手数料となっており、例えば広告費が10万円であれば手数料は2万円(最低手数料を設けている場合もあり)、100万円であれば20万円になります。

広告費の大小問わず、広告運用における業務内容は基本的に大きく変わらず、安価な案件だからといって工数が少なくなるわけではありません。

そのため代理店側としては一定の利益を確保するために、ある程度の予算規模がないと引き受けられない事情があります。

「まずは少額で試してみたいが、自社運用は不安なので外部にお願いしたい」という場合には、最低出稿金額や最低手数料の条件を事前に確認することをおすすめします。

デメリット③:依頼するまで効果が出るか分からない

広告代理店にLINE広告の運用を依頼する際、事前にどれだけ成果が出るかを完全に予測することはできません。

過去の実績や提案内容からある程度の見通しは立てられますが、実際の広告配信は業種・商品・ターゲット層・競合状況などによって結果が大きく変動します。

「せっかく専門家に運用手数料を払って依頼したのに、思ったほど成果が出なかった」と感じてしまう可能性もあります。

代理店によって運用スキルや対応力にも差があるため、どの代理店を選定するかによって結果が左右されるというリスクも存在します。

特にLINE広告など特定の媒体における実績が少ない代理店や媒体の特徴を十分に理解していない担当者が運用する場合は、期待どおりのパフォーマンスが得られないケースも考えられます。

なるべくリスクを抑えて依頼するためのポイントは下記のとおりです。

  • 少額から依頼する
  • ひとつの媒体から始める
  • 最低契約期間がない代理店に依頼する

最後に

今回はSNS広告の媒体選定から効果的なクリエイティブ作成のポイント、代理店に依頼するメリット・デメリットを解説しました。

本記事の内容を踏まえて広告運用をおこなうことで、より自社に最適な方法でSNS広告を活用していただけるのではないかと思います。

review

情報が氾濫する時代に、特に社会的な注意喚起や啓発を目的とした情報発信においては「誰に」「どう届けるか」がこれまで以上に重要になっています。

SNS広告にも広くマス向けに届ける媒体や特定の層に絞って深く訴求する媒体があり、目的ごとに適した選定が求められます。

国内最大級の利用者数を誇るLINE広告は、10~60代以上まで年齢層の偏りなくリーチできる点が大きな強みで、注意喚起や認知拡大といった目的においては最適な媒体のひとつと言えます。

限られた予算やリソース内で「自社で運用すべきか」「代理店に任せるべきか」について悩まれる方も多いのではないでしょうか。

弊社ではお客様のご予算や配信目的に応じて、媒体選定からターゲティング、配信設計までを一貫してご提案することできます。LINE広告を活用した認知拡大をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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