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【完全版】レスポンシブディスプレイ広告の概要と入稿規定を解説

【完全版】レスポンシブディスプレイ広告の概要と入稿規定を解説
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※このページは2025年6月11日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「レスポンシブディスプレイ広告とは?」
「レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定について知りたい」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり13年になりますが、レスポンシブディスプレイ広告についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

初めての方でも分かりやすいように、レスポンシブディスプレイ広告の概要や入稿規定・サイズ・設定方法だけでなく、メリットや運用ポイントについても解説しています。

注:レスポンシブ広告には「レスポンシブディスプレイ広告」と「レスポンシブ検索広告」の2点がありますが、この記事では「レスポンシブディスプレイ広告」について書いています。

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

レスポンシブディスプレイ広告とは

レスポンシブディスプレイ広告とは、掲載面に合わせてサイズやレイアウトを自動調整してくれるタイプのディスプレイ広告のことです。

レスポンシブディスプレイ広告とはのイメージ図

レスポンシブディスプレイ広告においては1種類の広告を設定するだけで、すべての「サイズ」「フォーマット」(テキスト・イメージ・ネイティブ)を網羅できます。

レイアウトは入稿した5つのアセットの組み合わせで決定されます。

【アセットの種類】

  • 広告見出し
  • 長い広告見出し
  • 説明文
  • 画像(動画)
  • ロゴ

掲載イメージ①:広告見出し+説明文+ロゴのパターンは以下のとおりです。

レスポンシブディスプレイ広告、掲載例のキャプチャ①

掲載イメージ②:長い広告見出し+会社名+ロゴのパターンは以下のとおりです。

レスポンシブディスプレイ広告、掲載例のキャプチャ②

掲載イメージ➂:広告のサイズ、画像のサイズ(横向き・スクエア)、アセットの配置などが異なるその他のパターンは以下のとおりです。

レスポンシブディスプレイ広告、掲載例のキャプチャ③

レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定

レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は以下のとおりです(*は必須項目)。

項目 規定 個数
画像(横向き)* 推奨サイズ:1200×628
最小サイズ:600×314
最小1枚、最大15
画像(スクエア)* 推奨サイズ:1200×1200
最小サイズ:300×300
最小1枚、最大15
画像(縦向き) 推奨サイズ:900×1600
最小サイズ:600×1067
最小0枚、最大15
ロゴ(横長) 推奨サイズ:1200×300
最小サイズ:512×128
最小0個、最大5
ロゴ(スクエア) 推奨サイズ:1200×1200
最小サイズ:128×128
広告見出し* 半角30文字(全角15文字) 最小1個、最大5
長い広告見出し* 半角90文字(全角45文字) 最小1個、最大1
説明文* 半角90文字(全角45文字) 最小1個、最大5
ビジネス名* 半角25文字(全角12文字) 最小1個、最大1
最終ページURL*

【拡張子(ファイル形式)】

  • JPG
  • PNG
  • GIF

【容量(ファイルサイズ)】

  • 画像(横向き・スクエア・縦向き):5120KBまで
  • ロゴ(横長・スクエア):5120KBまで

【画像に関する注意点】

  • 文字の部分が画像全体の20%を超えないようにする
  • 画像の両端がトリミングされる場合がある(各辺最大5%)

バナー広告サイズの最新情報については以下の記事をご参考ください。
» 【2025年最新】GDN・YDN(YDA)バナーサイズ一覧

レスポンシブディスプレイ広告の設定方法

レスポンシブディスプレイ広告は以下の手順で設定します。

  1. 左メニュー[キャンペーン] タブ > [キャンペーン] を選択する
  2. 該当のキャンペーンを選択する
  3. 該当の広告グループを選択する
  4. 青のプラスマーク >[+レスポンシブディスプレイ広告]を選択する
  5. 最終ページURL/会社名/画像/動画/ロゴ/広告見出し/長い広告見出し/説明文の該当の項目を入力する
  6. [保存]ボタンを選択する

ロゴ・画像は5つの方法で追加できます。

【ロゴ・画像の追加方法】

  • 候補:最終ページURLから取得した画像や最近使用した画像数点
  • アセットライブラリ:最近使用した画像
  • ウェブサイトまたはソーシャル:入力したサイトから画像やロゴを取得
  • アップロード:画像をアップロード
  • 無料のストック画像:商品やサービスに関連する画像を検索

画像を選択した後、いくつか提示される候補から切り抜き方を選び、[保存]ボタンで決定します。

レスポンシブディスプレイ広告のメリット


レスポンシブディスプレイ広告を設定するメリットは以下の5点です。

メリット①:クリック率が高い

レスポンシブディスプレイ広告はクリック率が高い傾向があります。

下記は「レスポンシブディスプレイ広告(①)」「バナー広告(②)」をそれぞれ1本ずつ配信した事例になります。

▼弊社運用事例
表示回数 セッション数 CTR CV CPA
302,851 1,569 0.52% 24 13,311
529,867 351 0.07% 5 15,967
配信結果
  • レスポンシブディスプレイ広告はバナー広告よりCTRが7倍以上高いという結果になった。
  • 表示回数においてはバナー広告がレスポンシブディスプレイ広告より約1.8倍多いという結果になった。

メリット②:幅広いユーザーに届く

レスポンシブディスプレイ広告は、Googleディスプレイネットワークにおいて非常に幅広い配信先で表示されることを前提に設計された広告フォーマットです。

複数の見出し・説明文・画像・ロゴなどのアセットを事前にアップロードしておくことで、GoogleのAIがユーザーの閲覧環境や配信面に応じて、最適な組み合わせと表示形式に自動で調整して配信します。

例えばあるサイトではバナー広告として、別のサイトではテキストと画像を組み合わせたネイティブ広告として表示されるなど、フォーマットの切り替えが柔軟です。

これにより広告主は1つのキャンペーンでさまざまな広告枠をカバーできるようになり、手動でのバリエーション作成や面ごとの調整の手間をかけることなく、広範囲なリーチと配信精度の向上を実現できます。

メリット③:動画を設定できる

レスポンシブディスプレイ広告では、画像やテキストだけでなく動画アセットも登録することが可能です。

特にYouTubeや動画掲載面との親和性が高く、動画を活用することで視認性が高まり、ブランドの印象づけや商品・サービスの理解促進にも効果的です。

動画の方が成果が見込まれるとGoogle広告が判断した場合は、画像ではなく動画が優先的に配信されます。

動画は静止画と比べて制作工数がかかる側面もありますが、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。

メリット④:広告が自動最適化される

複数のアセット(広告見出し・説明文・ロゴ・動画・画像)を登録することで、最適なアセットの組み合わせを自動で割り出してくれます。

広告を1本登録するだけなので、広告作成や管理に使用していた時間を節約することができる点は大きなメリットです。

【レスポンシブディスプレイによる自動最適化】

  • 複数アセットを登録することで、自動で最適な組み合わせて配信される
  • 運用コストや管理コストを削減できる

メリット⑤:手間が省ける

レスポンシブディスプレイ広告の大きな利点のひとつが、運用工数の削減です。

通常バナー広告は複数のサイズやフォーマットに合わせてデザインを作成し、それぞれを個別に入稿・管理する必要があります。

一方でレスポンシブディスプレイ広告では一度アセットを登録しておけば、Googleが自動で広告枠に合ったサイズや構成に変換し配信してくれるため、広告運用者が1つひとつのクリエイティブを管理する必要がありません。

これにより広告主は広告効果を分析したり、戦略を練ったりといった本質的な業務により多くの時間を充てることができるようになります。

少人数のチームで運用している企業や、複数の媒体を横断的に扱っている担当者にとっては、作業の簡略化と効果の最大化を両立できる、非常に魅力的な選択肢と言えます。

レスポンシブディスプレイ広告の運用ポイント

レスポンシブディスプレイ広告の運用ポイントを3点解説します。

ポイント①:アセットをすべて設定する

広告見出しや説明文などのアセットをすべて設定することが推奨されています。

下記は「見出し1本・説明文1本(①)」と「見出し5本・説明文5本(②)」をそれぞれ1本ずつ配信した事例になります。

▼弊社運用事例
表示回数 セッション数 CTR CV CPA
695,804 443 0.06% 8 14,452
701,672 494 0.07% 7 14,024
考察
  • アセットを追加しても大きな改善は見られない結果となった。
  • アセットをすべて設定すれば改善するというわけではないため、根本的な修正が必要な場合もある。

ポイント②:リンク先のABテスト

リンク先の見直しも重要な運用ポイントです。

下記はリンク先を「店舗詳細ページ(①)」と「TOPページ(②)」でABテストした事例になります。

▼弊社運用事例
表示回数 セッション数 CV CVR CPA
911,554 11,136 165 0.75% 1,090
934,833 11,178 265 2.37% 672
考察
  • リンク先をTOPページに変更したことでCVR:0.75%→2.37%に改善した。
  • アセットの網羅に固執せず、リンク先のABテストも実施する。

このようなABテストを正確に評価するには、コンバージョントラッキングの設定が不可欠です。

登録や購入といったユーザーのアクションを正確に測定できるようにし、成果を数値で可視化することで、仮説の検証と改善サイクルをスムーズに回せます。

動画アセットを使用している場合は、クリック以外の成果も捉える「エンゲージビュ―コンバージョン」の確認も有効です。

ポイント③:プレースメントを精査する

プレースメントとは、広告が表示される場所やメディアのことを指します。

特定のウェブサイト(まとめサイト・ブログ・ニュースサイトなど)やスマホアプリ内の広告枠(情報アプリの記事内・ゲームアプリの画面内など)が挙げられます。

プレースメントを精査する理由は2点あります。

【プレースメントを精査すべき理由】

  1. 悪質なコンバージョンが発生している可能性がある
  2. 誤タップを誘発する設計のアプリやウェブサイトがある

1点目は、悪質なコンバージョンが発生している可能性があることです。

現在自動入札が主流となり、自動でクリック単価が調整されていますが、悪質な場合、サイト管理者自ら架空のコンバージョンを発生させることで、クリック単価を釣り上げる場合があります。

架空コンバージョンは効果測定に悪影響を与えるだけではなく、広告配信精度を悪化させる原因となります。

実際に収益に結びつくコンバージョンかを確認して、質の低いプレースメントを排除するための定期的な見直しが必要です。

2点目は、誤タップを誘発する設計のアプリやウェブサイトがあることです。

広告をクリックしてもらえるように設計されているアプリやウェブサイトでは、意図しない広告の誤タップ(無駄クリック)が起こりがちです。

アプリには大きく2つの種類があり、特に非課金型アプリでは誤タップが起きやすいため、プレースメントの精査が必要です。

【補足:アプリの種類】

  • 課金型アプリ:アイテムなどを購入して収益を上げる
  • 非課金型アプリ:アプリ内に広告を掲載して収益を上げる

まとめ

本記事で解説した「レスポンシブディスプレイ広告」は以下のとおりです。

本記事をまとめると下記のとおりです。

本記事のまとめ
  • レスポンシブディスプレイ広告とは、掲載面に合わせてサイズやレイアウトを自動調整してくれるタイプのディスプレイ広告のこと
  • クリック率が高く、配信するメリットは大きいので、必須の広告フォーマットと言える
  • レイアウトは入稿した5つのアセット(広告見出し・長い広告見出し・説明文・画像(動画)・ロゴ)の組み合わせで決定される
  • 広告は自動で最適化されるが、リンク先のABテストやプレースメントの精査を怠らずに運用する

現在の広告運用ではAI活用が主流となっており、レスポンシブディスプレイ広告も効率化の手段として有効ですが、自動化に任せきりにせず、人の目で配信内容を確認しながら運用することが重要です。

ディスプレイ広告に関しては「ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用ポイントを解説」というブログも書いていますので、こちらもご確認ください。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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