「レスポンシブディスプレイ広告とは?」
「レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定について知りたい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり13年になりますが、レスポンシブディスプレイ広告についての情報を探している方が多かったので記事にしました。
初めての方でも分かりやすいように、レスポンシブディスプレイ広告の概要や入稿規定・サイズ・設定方法だけでなく、メリットや運用ポイントについても解説しています。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
レスポンシブディスプレイ広告とは
レスポンシブディスプレイ広告とは、掲載面に合わせてサイズやレイアウトを自動調整してくれるタイプのディスプレイ広告のことです。
レスポンシブディスプレイ広告においては1種類の広告を設定するだけで、すべての「サイズ」「フォーマット」(テキスト・イメージ・ネイティブ)を網羅できます。
レイアウトは入稿した5つのアセットの組み合わせで決定されます。
【アセットの種類】
- 広告見出し
- 長い広告見出し
- 説明文
- 画像(動画)
- ロゴ
掲載イメージ①:広告見出し+説明文+ロゴのパターンは以下のとおりです。
掲載イメージ②:長い広告見出し+会社名+ロゴのパターンは以下のとおりです。
掲載イメージ➂:広告のサイズ、画像のサイズ(横向き・スクエア)、アセットの配置などが異なるその他のパターンは以下のとおりです。
レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定
レスポンシブディスプレイ広告の入稿規定は以下のとおりです(*は必須項目)。
項目 | 規定 | 個数 |
---|---|---|
画像(横向き)* |
推奨サイズ:1200×628 最小サイズ:600×314 |
最小1枚、最大15枚 |
画像(スクエア)* |
推奨サイズ:1200×1200 最小サイズ:300×300 |
最小1枚、最大15枚 |
画像(縦向き) |
推奨サイズ:900×1600 最小サイズ:600×1067 |
最小0枚、最大15枚 |
ロゴ(横長) |
推奨サイズ:1200×300 最小サイズ:512×128 |
最小0個、最大5個 |
ロゴ(スクエア) |
推奨サイズ:1200×1200 最小サイズ:128×128 |
|
広告見出し* | 半角30文字(全角15文字) | 最小1個、最大5個 |
長い広告見出し* | 半角90文字(全角45文字) | 最小1個、最大1個 |
説明文* | 半角90文字(全角45文字) | 最小1個、最大5個 |
ビジネス名* | 半角25文字(全角12文字) | 最小1個、最大1個 |
最終ページURL* | – | – |
【拡張子(ファイル形式)】
- JPG
- PNG
- GIF
【容量(ファイルサイズ)】
- 画像(横向き・スクエア・縦向き):5120KBまで
- ロゴ(横長・スクエア):5120KBまで
【画像に関する注意点】
- 文字の部分が画像全体の20%を超えないようにする
- 画像の両端がトリミングされる場合がある(各辺最大5%)
バナー広告サイズの最新情報については以下の記事をご参考ください。
» 【2025年最新】GDN・YDN(YDA)バナーサイズ一覧
レスポンシブディスプレイ広告の設定方法
レスポンシブディスプレイ広告は以下の手順で設定します。
- 左メニュー[キャンペーン] タブ > [キャンペーン] を選択する
- 該当のキャンペーンを選択する
- 該当の広告グループを選択する
- 青のプラスマーク >[+レスポンシブディスプレイ広告]を選択する
- 最終ページURL/会社名/画像/動画/ロゴ/広告見出し/長い広告見出し/説明文の該当の項目を入力する
- [保存]ボタンを選択する
ロゴ・画像は5つの方法で追加できます。
【ロゴ・画像の追加方法】
- 候補:最終ページURLから取得した画像や最近使用した画像数点
- アセットライブラリ:最近使用した画像
- ウェブサイトまたはソーシャル:入力したサイトから画像やロゴを取得
- アップロード:画像をアップロード
- 無料のストック画像:商品やサービスに関連する画像を検索
画像を選択した後、いくつか提示される候補から切り抜き方を選び、[保存]ボタンで決定します。
レスポンシブディスプレイ広告のメリット
レスポンシブディスプレイ広告を設定するメリットは以下の2点です。
メリット①:クリック率が高い
レスポンシブディスプレイ広告はクリック率が高い傾向があります。
下記は「レスポンシブディスプレイ広告(①)」「バナー広告(②)」をそれぞれ1本ずつ配信した事例になります。
表示回数 | セッション数 | CTR | CV | CPA | |
---|---|---|---|---|---|
① | 302,851 | 1,569 | 0.52% | 24 | 13,311 |
② | 529,867 | 351 | 0.07% | 5 | 15,967 |
- 配信結果
-
- レスポンシブディスプレイ広告はバナー広告よりCTRが7倍以上高いという結果になった。
- 表示回数においてはバナー広告がレスポンシブディスプレイ広告より約1.8倍多いという結果になった。
メリット②:広告が自動最適化される
複数のアセット(広告見出し・説明文・ロゴ・動画・画像)を登録することで、最適なアセットの組み合わせを自動で割り出してくれます。
広告を1本登録するだけなので、広告作成や管理に使用していた時間を節約することができる点は大きなメリットです。
【レスポンシブディスプレイによる自動最適化】
- 複数アセットを登録することで、自動で最適な組み合わせて配信される
- 運用コストや管理コストを削減できる
レスポンシブディスプレイ広告の運用ポイント
レスポンシブディスプレイ広告の運用ポイントを3点解説します。
ポイント①:アセットをすべて設定する
広告見出しや説明文などのアセットをすべて設定することが推奨されています。
下記は「見出し1本・説明文1本(①)」と「見出し5本・説明文5本(②)」をそれぞれ1本ずつ配信した事例になります。
表示回数 | セッション数 | CTR | CV | CPA | |
---|---|---|---|---|---|
① | 695,804 | 443 | 0.06% | 8 | 14,452 |
② | 701,672 | 494 | 0.07% | 7 | 14,024 |
- 考察
-
- アセットを追加しても大きな改善は見られない結果となった。
- アセットをすべて設定すれば改善するというわけではないため、根本的な修正が必要な場合もある。
ポイント②:リンク先のABテスト
リンク先の見直しも重要な運用ポイントです。
下記はリンク先を「店舗詳細ページ(①)」と「TOPページ(②)」でABテストした事例になります。
表示回数 | セッション数 | CV | CVR | CPA | |
---|---|---|---|---|---|
① | 911,554 | 11,136 | 165 | 0.75% | 1,090 |
② | 934,833 | 11,178 | 265 | 2.37% | 672 |
- 考察
-
- リンク先をTOPページに変更したことでCVR:0.75%→2.37%に改善した。
- アセットの網羅に固執せず、リンク先のABテストも実施する。
ポイント③:プレースメントを精査する
プレースメントとは、広告が表示される場所やメディアのことを指します。
特定のウェブサイト(まとめサイト・ブログ・ニュースサイトなど)やスマホアプリ内の広告枠(情報アプリの記事内・ゲームアプリの画面内など)が挙げられます。
プレースメントを精査する理由は2点あります。
【プレースメントを精査すべき理由】
- ❶悪質なコンバージョンが発生している可能性がある
- ❷誤タップを誘発する設計のアプリやウェブサイトがある
1点目は、悪質なコンバージョンが発生している可能性があることです。
現在自動入札が主流となり、自動でクリック単価が調整されていますが、悪質な場合、サイト管理者自ら架空のコンバージョンを発生させることで、クリック単価を釣り上げる場合があります。
架空コンバージョンは効果測定に悪影響を与えるだけではなく、広告配信精度を悪化させる原因となります。
実際に収益に結びつくコンバージョンかを確認して、質の低いプレースメントを排除するための定期的な見直しが必要です。
2点目は、誤タップを誘発する設計のアプリやウェブサイトがあることです。
広告をクリックしてもらえるように設計されているアプリやウェブサイトでは、意図しない広告の誤タップ(無駄クリック)が起こりがちです。
アプリには大きく2つの種類があり、特に非課金型アプリでは誤タップが起きやすいため、プレースメントの精査が必要です。
【補足:アプリの種類】
- 課金型アプリ:アイテムなどを購入して収益を上げる
- 非課金型アプリ:アプリ内に広告を掲載して収益を上げる
まとめ
本記事で解説した「レスポンシブディスプレイ広告」は以下のとおりです。
【まとめ】
レスポンシブディスプレイ広告のポイントは以下のとおりです。
- レスポンシブディスプレイ広告のポイント
-
- ディスプレイ広告の一種で、掲載面に合わせてサイズ等が調整される
- アセットは原則全て設定する
- プレースメントを定期的に精査する
レスポンシブディスプレイ広告はクリック率が高く、配信するメリットは大きいので、必須の広告フォーマットと言えます。
ディスプレイ広告に関しては「ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用ポイントを解説」というブログも書いていますので、こちらもご確認ください。
というわけで今回は以上となります。