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【GDN・YDN】バナー広告の効果的なデザイン:事例解説付き

【GDN・YDN】バナー広告の効果的なデザイン:事例解説付き
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※このページは2020年3月2日に更新されました。

「GDNやYDNで配信するバナー広告を作りたいけど、どういうデザインにすれば正解なのか分からない」
「ディスプレイ広告のデザインの参考になる情報を探している」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケター兼ユーチューバーの中釜(@keitanakagama)です。
私はリスティング広告運用歴12年で、運用型広告をメインに取り扱っています。

中釜 啓太
中釜 啓太
今回はGDNやYDNのバナーデザインについて解説しています

今までバナーの効果測定を死ぬほどやってきた経験から得られたノウハウ(たぶん1,000以上)を公開しますのでデザイン案の参考にしてください。

ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

ユニアドチャンネルユニアドチャンネル

バナーデザインに必要な要素は4つ

結論:効果的なバナーを制作する上で絶対に必要なデザイン要素は4つです。

  • 会社のロゴ:会社名もしくはロゴを記載
  • メインイメージ:写真もしくはイラストで分かりやすいもの
  • メインコピー:なるべく目立つ位置に大きな文字で
  • 誘導ボタン:『詳しくはこちら』などのボタン

私の経験上、どれかひとつでも欠けると効果は下がります。これを知っているか知らないかでパフォーマンスに雲泥の差が出ます。

事例:自分でテストしてみて分かったデザインのこと

クライアントの数値は出せないので、自社のABテストの結果を公開します。

さまざまな要素・条件で、どのバナーデザインがよりクリックされるのかテストして分かったことを解説します。

1. デザイン要素を比較

「サイズ」「メインイメージ」「メインコピー」「検索窓」のデザイン要素において以下のクリエイティブでテストを実施しました。

▼自社バナーのABデザイン比較
ユニアドのバナーデザイン

デザインの仮説や思考

  • サイズ:300×250と336×280はどちらがクリックされやすい?(上記2つは両方とも300×250のサイズだが、336×280も同時配信している)
  • イメージ:白シャツ(ラフ)とジャケット(コンサルっぽい感じ)ならどちらが効果的?(ちなみに両方とも自分)
  • コピー:『運用一筋』と『運用代行専門』ならどちらが効果的?
  • 検索窓:『ユニアド』で検索!みたいにすれば指名検索が増えるのでは?

自分の会社のバナーなので自分をモデルにして、そしていろいろ仮説を立ててテストしてみた結果が以下になります。

結果

サイズ 表示回数 クリック数 クリック率 費用
300×250 415,696 560 0.135% 51,572
336×280 402,068 494 0.123% 48,242
合計 817,764 1,054 0.129% 99,814
イメージ 表示回数 クリック数 クリック率 費用
ジャケット 257,994 325 0.126% 32,099
白シャツ 559,770 729 0.130% 67,715
合計 817,764 1,054 0.129% 99,814
コピー 表示回数 クリック数 クリック率 費用
運用一筋 614,244 849 0.138% 78,760
運用代行専門 203,520 205 0.101% 21,054
合計 817,764 1,054 0.129% 99,814
検索窓 表示回数 クリック数 クリック率 費用
あり 361,631 563 0.156% 47,685
なし 456,133 491 0.108% 52,129
合計 817,764 1,054 0.129% 99,814
ポイント
  • サイズ:300×250がクリック率が少し高い(結論は両サイズあったほうがよい)
  • イメージ:クリック率に変化なし(これは少し悲しい)
  • コピー:『運用一筋』のほうがクリック率が高い
  • 検索窓:検索窓を入れたほうがクリック率に良い影響が出る

バナーデザインでは、いかに見やすいかという点とコピーに注力して作成することが重要と分かりました。

2. 検索窓あり/なしをデバイス別で深堀する

検索窓を入れた方がクリック率が0.5%も高かったのが面白かったので、次は検索窓あり/なしをデバイス別で分析しました。

結果

検索窓あり 表示回数 視認率 クリック数 クリック率 費用
PC 20,557 34.8% 28 0.136% 1,914
スマホ 220,765 41.5% 357 0.162% 31,560
検索窓なし 表示回数 視認率 クリック数 クリック率 費用
PC 60,935 38.6% 31 0.051% 3,869
スマホ 189,289 40.8% 250 0.132% 26,891

※視認率:広告表示した回数に対してどれだけの回数見られたか(広告の面積の50%以上が画面に1秒以上表示された場合に視認可能と見なされる)

ポイント
  • 検索窓を入れるとPC・スマホともクリック率が上がる
  • 特にPCのクリック率が上がる(0.051%→0.136%)

3. 広告の種類を比較

今度は「バナー」「レスポンシブ」「テキスト」のどれが効果的?という別の軸でテストしました。

  • バナー:今回解説している通常のバナー広告のこと
  • レスポンシブ:画像、広告見出し、ロゴ、説明文などを複数登録し、自動的に組み合わせ最適化してくれる
  • テキスト:一般的なテキスト広告のこと

広告の種類を比較した結果

広告の種類 表示回数 視認率 クリック数 クリック率 費用
バナー 369,193 40.8% 580 0.157% 49,088
レスポンシブ 657,422 51.4% 2,925 0.445% 109,901
テキスト 80,921 62.4% 242 0.299% 11,336
合計 1,107,536 48.7% 3,747 0.338% 170,325
ポイント
  • バナー:クリック率・視認率とも一番低い
  • テキスト:視認率が一番高い
  • レスポンシブ:クリック率が一番高い

バナー広告はウェブサイトにありふれてしまっているため、クリック率・視認率とも一番低いという結果になりました。上記の結果から、工夫して作成する必要があるということが分かりました。

4. その他のバナーデザイン案

バナー広告のクリック率を改善するという点で、実際のクライアントに使用したデザイン案は以下のとおりです。

イラストと写真

  • イラスト:クリック率が高い
  • 写真:クリック率が低い(ウェブサイトに馴染んでしまうため)

ロゴのみ(BtoB)

  • ロゴのみをバナーのデザインにして広告を配信
  • 何度も自社ロゴに接触することでだんだん好きになる(ザイオンス効果)

モデル:日本人と外国人(美容)

  • 親近感:日本人モデル
  • 憧れ:外国人モデル

バナー制作工程:テストを繰り返し効果的なバナーを制作

上記で効果的なデザイン要素や、テストして分かった効果的なデザイン要素事例を解説しました。

実際に弊社のバナーデザインの制作工程を公開します。

バナー制作で大事なこと

最初にバナー制作で一番重要なことをお伝えすると、バナーは一度作って終わりではなく、ABテストを何度も重ねることでより効果的なバナーに仕上げていくことである。

一度のバナー制作ですべての効果的なデザイン要素を盛り込むことは不可能に近いので、過去の実績などを参考にバナーを制作し、テストと改善を繰り返すことでより効果的になります。

工程①:簡単なラフで要素を整理

本格的な制作に入る前に、一度要素の整理をします。

最初に大事なポイントで挙げた「会社のロゴ」「メインイメージ」「メインコピー」「誘導ボタン」をどこにどのように配置するかをまず決めます。

簡単なラフ

重要なポイントが2点あります。

ポイント①:ターゲットユーザーを明確に決める

ターゲットユーザーを明確に決めることを疎かにすると、最終的にターゲットに響かないバナーや伝わりにくいバナーになる。

ポイント②:過去の実績やノウハウなどを参考にする

最初からある程度効果的なバナーを制作するためにも、過去のデータを活かしたバナーを制作する。

工程②:文字と写真をまずは簡単に配置していく

キャッチコピーやロゴ、テキストやロゴなど必要な要素を画面の中に置いていきます。
この時に大体の場所を決めてしまい、全体の構成を完成させます。

文字と写真を簡単に配置

工程③:文字の大きさ、写真の大きさなど要素を最適な形にデザインする

次に文字と写真を調整していきます。文字はフォントや大きさ、色など全体を見ながら決定していきます。

目立たせたい情報は大きく、補足的な情報は小さくすることでより伝わりやすいデザインになる。さらに目立たさせたい情報は色や文字を太くする。

文字・写真などの要素をデザイン

工程④:全体のデザインを調整する

背景色の調整をおこないました。

キャッチコピーの色も黒から白に変えたり、ロゴの背景に白を敷いたりと部分的に調整をしています。

全体のデザインを調整

工程⑤:バナーデザインの完成

実績部分の緑背景にグラデーションをかけたり、黒背景の後ろには写真を敷くことでデザインの精度をあげました。

また、こちらのバナーをクリックしてもらいやすくするために、「詳しくはこちら」の右に矢印「→」を置きました。

デザインを微調整

バナーのデザインはこちらで完成です。

バナーデザインの完成

バナー広告の作成において気をつけるべき5つのポイント

さらに、バナーを制作する際には以下の点に注意するとよいです。

詳しく解説します。

ポイント①:伝えたい内容はシンプルに

商品をたくさん知ってほしいというお気持ちは本当によく分かります。

しかし、ぐっと我慢したほうが効果的です。

いくつも訴求を加えると何が言いたいのか分からなくなるため。訴求ポイントが多くなる場合は、いくつかの広告に分けてABテストするとよい。

ポイント②:過去の検証結果を根拠に

バナー広告を作成する際は、仮説や経験だけではなく過去の実績を検証することでより効果的な広告が作れます。

仮説や経験も大事。
それより最優先すべきは過去のデータ。

ポイント③:ターゲットを明確にする

どのような人に商品を知ってほしいか具体的にイメージして、クリエイティブごとにストーリーを作るとより魅力的です。目に見えないインターネットユーザーをペルソナ化することによって、ターゲットがより明確になります。

ペルソナとは:
マーケティングで活用される概念で、サービスや商品を実際に使用する仮想のユーザー像のこと。年齢・性別・職業・年収をより具体的に設定する。

例えば、20代~40代女性がメインターゲットの化粧品(価格は中~高)の場合は下記のようなペルソナを想定します。

ペルソナ分析の例
  • 28歳OL
  • 年収450万円
  • 実家暮らし
  • 父親は現役で裕福な家庭で育つ
  • ハイブランドを好み、周りからの評価が重要
  • 身に付けるものは本物志向で質重視

ポイント④:ランディングページとの整合性を心がける

バナー広告は、飛び先と対になるので、クリックする前からランディングページの情報を正しく想起させる必要があります。

バナーデザインとランディングページのデザインが乖離している場合、ユーザーは違うサイトに来てしまったと誤解して離脱してしまう。
→整合性がとれていないとコンバージョン率は大きく下がる。

ポイント⑤:ABテストをする

バナー広告を同時に2~3本配信することをおすすめします。ABテストをすることによって、どちらのバナーの効果がよいか検証することができます。

ABテストするポイント

  • 文言(コピー)
  • デザイン
  • 人物
  • 画像

クリック率を高めるための心理学

デザインが思いつかない方は心理学を取り入れるとよいかもしれません。バナー制作をする際に参考になる心理学をひとつご紹介します。

カリギュラ効果禁止型

『髪に悩みがない人は見ないでください。』
『これは反則でしょ!特許取得サプリメントでこんなに早く痩せるなんて!』

カリギュラ効果とは、人間は物事を禁止されるとかえってやりたくなってしまうという心理現象のことです。

バナーデザインの参考になるサイト

バナーデザインの参考になるサービスやギャラリーサイトをご紹介します。どういうターゲットにどういう訴求をしているのかという観点で眺めてみると勉強になります。

1. Pinterest

Pintarest

気になるバナーデザインを見つけたら、類似するデザインをどんどん表示してくれるので便利です。

https://www.pinterest.jp/

2. バナーデザインアーカイブ

バナーデザインアーカイブ

ページをスクロールすると自動でページが読み込まれるので、大量のバナーをスムーズに閲覧できます。

http://banner.keizine.net/

3. レトロバナー

レトロバナー

バナーデザイン専門のギャラリーサイトです。サイズや色、業種別でデザインを探すことができます。

https://retrobanner.net/

4. Bannnner.com

Bannnner.com

まだ数は少ないですが、比較的新しい印象のバナーが揃っているので参考になります。

https://bannnner.com/

GDN・YDNには審査あり:審査に落ちる理由と対策

GDNとYDNで多少審査の基準は異なりますが、だいたい審査に落ちる場合は以下のケースが多いです。

  • サイズや容量を守れていない
  • ポリシー、ガイドラインに違反した表現を用いている
  • 画像内に、リンク先の企業名、企業名のロゴ、ブランド名などが表示されていない

レギュレーション(バナー広告を作成するルール)は頻繁に変わりますのでご注意ください。

ポリシーやガイドラインについて詳しく知りたい方向け

まとめ

本記事で解説した「バナー広告の効果的なデザイン」で一番お伝えしたいのは以下のとおりです。

バナーデザインに必要な要素
  • 会社のロゴ:会社名もしくはロゴを記載
  • メインイメージ:写真もしくはイラストで分かりやすいもの
  • メインコピー:なるべく目立つ位置に大きな文字で
  • 誘導ボタン:『詳しくはこちら』などのボタン

繰り返しますが、どれかひとつでも欠けると効果は下がってしまうので、上記の4点については必ず入れたほうがよいです。

バナー広告の視認率は40%と他のフォーマットより視認率が低かったり、ユーザーにとって邪魔な存在になってしまいがちなので、デザインは工夫したいですね。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
運用型広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けしています。