※このページは2019年6月14日に更新されました。

「リスティング広告の時間帯を絞って配信したほうが良いのでは?」
「時間帯についてプロのアドバイスが欲しい」

この記事はそのような方向けに書いています。

Google広告やYahoo!プロモーション広告に代表される運用型広告は時間帯による入札を調整する機能がありますが、

  • コンバージョン計測がラストクリックであること
  • 分析のサンプルが少ないのにとりあえず時間帯から絞る
  • 配信時間の設定をミスしていてしまっている

といったリスティング初心者にありがちな失敗をしてしまっていることがあります。

中釜
中釜
今回はリスティング広告の時間帯設定について失敗と成功事例を3つずつ解説します

これから時間帯の設定をどうすれば良いかか考えている方はぜひ参考にしてください。

本記事で分かること

※Google AdWordsは2018年7月24日からGoogle広告に名称変更されました。

初心者が陥りやすい3つの失敗

「時間帯における分析が充分でないまま、配信時間を抑制してしまいコンバージョンが減ってしまった」

改善施策を急ぐあまり発生してしまいがちな運用のミスなので、これから解説したいと思います。

時間帯における3つの失敗

  • 失敗①:ラストクリックについての認識不足
  • 失敗②:分析のサンプルが少ない
  • 失敗③:配信時間の設定ミス

失敗①:ラストクリックについての認識不足

Google広告のコンバージョン計測は何も変更を加えず初期設定の状態だと「ラストクリック(=一番最後のクリック)」で計測されます。

ラストクリック計測の説明

「あるユーザーが平日の朝に広告をクリックし、購入せずにそのまま離脱した。そして休日のお昼に再度検索して広告の商品を購入した」
コンバージョンが計測されるのは休日のお昼のクリックだけ

つまり、平日の朝のクリックは商品を知るきっかけになったものの、コンバージョンが計測されないので、1クリック0コンバージョン(=評価されないクリック)になってしまいます。

そのため、「平日の午前中はコンバージョンがとれていないから配信を止めよう」と間違った判断をしてしまった場合、間接的に効果があった平日の朝に広告が配信されないという機会損失が発生してしまいます。

このように、媒体コンバージョンを時間帯だけで判断すると正しい判断ができないので、ラストクリックで計測されていることをしっかりと理解する必要があります。

失敗②:分析のサンプルが少ない

時間帯でデータを分解すると、当然ながら1時間あたりのクリックおよびコンバージョンのサンプルが少なくなります。

サンプルが少ないと時間帯による良し悪しを判断することが困難なので、特に少額予算の方は時間帯のチューニングを1~2ヶ月目で早計に判断しないのをおすすめします。

以下は月額広告費20万円の広告主様の時間帯別データで、1ヶ月間のレポートを時間帯ごとに分割すると、1時間あたりのクリック数は多くて100件程度と少ないです。

▼(表1)時間帯別データ
時間帯 クリック数 コンバージョン数 コンバージョン率
0時 83 2 2.41%
1時 32 0 0.00%
2時 15 0 0.00%
3時 12 0 0.00%
4時 18 1 5.56%
5時 21 0 0.00%
6時 22 0 0.00%
7時 24 0 0.00%
8時 32 0 0.00%
9時 36 0 0.00%
10時 32 0 0.00%
11時 40 1 2.50%
12時 63 0 0.00%
13時 57 1 1.75%
14時 59 0 0.00%
15時 53 0 0.00%
16時 47 1 2.13%
17時 49 0 0.00%
18時 67 1 1.49%
19時 78 1 1.28%
20時 76 0 0.00%
21時 89 1 1.12%
22時 98 3 3.06%
23時 106 2 1.89%

4時台はコンバージョン率が5.56%と最も高いですが、そもそもクリック数が18回と少ないので、効果が良い時間帯か、それとも偶然か判断することはできません。
20時台もコンバージョン数が0件のため、コンバージョン率が0.00%になっていますが、偶然の可能性が高いです。

失敗③:配信時間の設定ミス

「現在は24時間365日配信をおこなっているが、時間帯別レポートを確認すると、土日の0:00~9:00、18:00~0:00の時間帯の効果が悪い。土日に関しては9:00~18:00までの配信に絞りたい」

初心者の方には時間帯設定の大きな落とし穴があります。

以下2つのキャプチャで間違った設定と正しい設定を確認してください。

間違った設定

Google広告の管理画面で時間帯設定をしているキャプチャ

この状態だと土日の9:00~18:00の間、配信はおこなわれますが、平日の配信はされなくなってしまいます。

正しい設定

Google広告の管理画面で時間帯設定をしているキャプチャ

効果的に設定できている3つの成功事例

ここまで読んでいると、時間帯による調整を実施するのはリスクがあると思うかもしれませんが、設定した方が良いことはもちろんあります。

クライアント
クライアント
もっと効果的な時間帯の設定はないの?

成功事例についてこれから解説したいと思います。

時間帯における3つの成功

  • 成功①:営業時間のみ掲載する(電話を重視する)
  • 成功②:タイムセールをおこなっている
  • 成功③:6ヶ月以上のサンプルが蓄積されている

成功①:営業時間のみ掲載する(電話を重視する)

メール問い合わせより、電話問い合わせを重視する場合に多いのが、営業時間中のみの広告配信です。

営業時間外の電話問い合わせに対応できない場合は積極的に配信を抑制しましょう。

下記は8:00~22:00まで電話受付をしている不用品回収サービスの広告主様の時間帯の事例となります。

▼(表2)営業時間のみ事例
時間帯 クリック数 コンバージョン数 コンバージョン率
0時 0 0 0.00%
1時 0 0 0.00%
2時 0 0 0.00%
3時 0 0 0.00%
4時 0 0 0.00%
5時 0 0 0.00%
6時 0 0 0.00%
7時 0 0 0.00%
8時 245 6 2.45%
9時 291 7 2.41%
10時 258 6 2.33%
11時 321 3 0.93%
12時 379 11 2.90%
13時 315 12 3.81%
14時 333 7 2.10%
15時 317 10 3.15%
16時 319 8 2.51%
17時 289 8 2.77%
18時 265 8 3.02%
19時 221 7 3.17%
20時 232 4 1.72%
21時 229 4 1.75%
22時 0 0 0.00%
23時 0 0 0.00%

実際の営業時間にあわせて配信をおこなうことで無駄クリックを防止するだけでなく、「電話がつながらない」というマイナスイメージを防ぐことができます。

成功②:タイムセールをおこなっている

特定の時間にアクセス数を急増させたい場合に実施します。
タイムセールなどのコンバージョン率に変化がある施策をおこなうときは広告側で連動させると効果的です。

下記は18:00~23:59まで一部商品のタイムセールをおこなっているECサイトの時間帯別のデータです。

▼(表3)タイムセール事例、Before
時間帯 クリック数 コンバージョン数 コンバージョン率
0時 885 16 1.81%
1時 742 6 0.81%
2時 701 5 0.71%
3時 552 9 1.63%
4時 458 8 1.75%
5時 449 6 1.34%
6時 510 3 0.59%
7時 542 5 0.92%
8時 754 4 0.53%
9時 799 6 0.75%
10時 811 11 1.36%
11時 742 8 1.08%
12時 864 10 1.16%
13時 821 14 1.71%
14時 756 10 1.32%
15時 742 5 0.67%
16時 744 11 1.48%
17時 786 9 1.15%
18時 825 16 1.94%
19時 952 17 1.79%
20時 841 19 2.26%
21時 803 22 2.74%
22時 788 20 2.54%
23時 765 18 2.35%
▼(表4)タイムセール事例、After
時間帯 クリック数 コンバージョン数 コンバージョン率
0時 446 7 1.57%
1時 355 7 1.97%
2時 301 5 1.66%
3時 290 4 1.38%
4時 244 5 2.05%
5時 220 3 1.36%
6時 252 3 1.19%
7時 304 3 0.99%
8時 370 4 1.08%
9時 407 7 1.72%
10時 553 7 1.27%
11時 443 7 1.58%
12時 567 9 1.59%
13時 501 8 1.60%
14時 553 8 1.45%
15時 555 8 1.44%
16時 510 8 1.57%
17時 601 9 1.50%
18時 1,628 37 2.27%
19時 1,667 42 2.52%
20時 1,785 38 2.13%
21時 1,814 50 2.76%
22時 1,786 40 2.24%
23時 1,745 43 2.46%

以前は時間帯別の入札調整をおこなわず配信をおこないましたが、タイムセールのタイミングに入札を強化する施策を実施した結果、セール該当時間の平均コンバージョン率が1.46%→2.02%まで伸長しています。

成功③:6ヶ月以上のサンプルが蓄積されている

あくまで十分なサンプルが集まった場合は、分析した上で時間帯別の調整をおこなうことは有効です。

下記はとある広告主様の会員登録者数拡大プロモーションの6ヶ月分の時間帯別実績で、目標CPAが3,000円に対して21:00~7:00の費用対効果の悪化が判明しました。

▼(表5)特定時間帯のCPAの高騰
時間帯 クリック数 コンバージョン数 コンバージョン単価
0時 4,300 54 4,855
1時 2,894 33 4,739
2時 2,022 23 3,238
3時 1,615 18 3,263
4時 1,325 14 3,446
5時 1,523 11 5,073
6時 2,206 16 5,126
7時 2,611 29 3,413
8時 2,481 33 2,858
9時 3,986 70 2,324
10時 5,048 93 2,209
11時 5,764 104 2,278
12時 6,344 108 2,924
13時 5,322 89 2,464
14時 5,798 102 2,314
15時 5,268 89 2,448
16時 5,167 87 2,477
17時 5,589 98 2,492
18時 6,658 114 2,486
19時 8,319 137 2,543
20時 8,623 123 2,851
21時 9,925 72 4,828
22時 7,773 65 4,381
23時 6,298 44 5,608

アクティブユーザーが多いとされる時間帯において、たくさんクリックされる一方でコンバージョンには結びついていないことが分かり、21:00~7:00の入札を抑制することにしました。

今回のように十分なサンプル量がある場合は、検証することでサービス・商品ごとの傾向を掴んでCPAを改善することもできます。

まとめ:時間帯設定は正しく理解して設定しよう

時間帯設定による失敗しやすいところと成功事例を3つずつ挙げました。

ただ私が本記事で強調したいのはあくまで失敗例で、ラストクリック計測の理解不足、サンプルが少ない中で早計な判断でコンバージョン数の全体数が大きく減ってしまったとならないようにしたいものです。

繰り返しとなりますが、取り扱う商材・サービスに適した時間帯入札は必要に応じておこなうことができますが、安易に設定してしまうと機会損失につながってしまうので注意が必要です。

そのため、何でも知っている施策から順番に設定するのではなく、施策の優先順位を明確にして取り組んでくださいね。