「リスティング広告のキーワード選定について調べている」
「キーワードの適切な選定方法や適正な数がわからない」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり12年になりますが、リスティング広告のキーワード選定についての情報を探している方が多かったので記事にしました。
リスティング広告のキーワード選定において何より大切なのはキーワードの網羅です。
よく「キーワードが多すぎるのではないか」「キーワードの適切な数を教えてほしい」とご相談いただきます。
リスティング広告においてはキーワードの抜け漏れをなくすことが重要で、最低25個~1,000個以上設定する場合もあるため、どの広告にも当てはまる適正数はありませんが、ポイントを押さえれば自然に適正なキーワード設定となります。
ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
ツールで調査して選定する方法
キーワードのツールを使用して、商品やサービスに関連する検索語句を事前に調査して設定する方法です。
少し手間や時間がかかりますが、獲得に繋がりやすい高精度なキーワード設定をおこなうことが可能です。
今回はキャットフードの会社を例に解説していきます。
手順①:軸となるキーワードを決める
取り扱う商品・サービスを一言で表す語句やフレーズをひとつ決めます。
今回の例はキャットフードの会社なので軸となるキーワードは必然的に「キャットフード」になります。
手順②:キーワードプランナーを活用する
キーワードプランナーとは、軸となるキーワードに関連する語句を探すことができるGoogle広告の機能です。
【キーワードプランナーの使い方】
- Google広告の管理画面にログイン
- 管理画面右上の[ツールと設定] > [プランニング] > [キーワードプランナー]の順で選択し、[新しいキーワードを見つける]をクリック
- [キーワードから開始]を選択して軸となるキーワードを入力し[結果を表示]をクリック
- 軸となるキーワードに関連する語句が一覧で表示されたら、右上の[キーワード候補をダウンロード]から.csvファイルをダウンロード
【ダウンロードしたエクセルからキーワードを取捨選択する】
続いてダウンロードしたエクセルファイルから使いたいキーワードを選び出します。
「キャットフード」でキーワードプランナーから約1,000個のキーワード候補を抽出できましたが、今回は5キーワードに絞って解説します。
○:入れる、△:状況による、×:入れない
No | キーワード | 選定 | 理由 |
---|---|---|---|
1 | キャットフード おすすめ | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
2 | キャットフード 市販 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
3 | キャットフード 人気 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
4 | キャットフード グレインフリー | △ | グレインフリーのキャットフードを 扱っている場合は入れる |
5 | キャットフード 発がん性 | × | 「発がん性」はネガティブ キーワードのため入れない |
手順③:ラッコキーワードを活用する
ラッコキーワードというサイトからはサジェストキーワードを調べることができます。
ラッコキーワード:https://related-keywords.com/
上部の検索欄に軸となるキーワードを打ち込むと、下図のようにサジェストキーワードが表示されます。
左上の10キーワードに関してはよく検索されるキーワードなので、検索キーワードに追加します。
キーワードプランナー同様、どのように取捨選択するか解説します(キーワードは全部で10個ありますが、5つに絞って解説しています)。
○:入れる、△:状況による、×:入れない
No | キーワード | 選定 | 理由 |
---|---|---|---|
1 | キャットフード | 〇 | 軸となるキーワード のため入れる |
2 | キャットフード 安全 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
3 | キャットフード 通販 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
4 | キャットフード ロイヤルカナン | △ | 競合キーワードを含む場合 入れないを推奨 |
5 | キャットフード 歌詞 | × | 初音ミクの歌に関するキーワードで 無関係のため入れない |
以上がキーワードプランナーとラッコキーワードからキーワードを抽出する手順です。
手順④:マッチタイプを設定する
キーワードの抽出が完了したら次はマッチタイプを設定します。
マッチタイプとは、検索キーワードに対して広告掲載の範囲を決定するための設定のことです。マッチタイプは全部で3種類あります。
» 【2024年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド
【マッチタイプの種類】
- 部分一致
- フレーズ一致
- 完全一致
マッチタイプによってキーワードの範囲やかかる費用も変わってきます。
現在は部分一致の設定が推奨されており、どのマッチタイプを使用するかなどの細かな設定分けは不要になっています。
手順⑤:除外キーワードを洗い出す
現在の推奨のマッチタイプである部分一致ではどうしても無関係なユーザーが流入してしまうため、除外キーワードの設定が重要です。
ネガティブキーワードや無関係のキーワードに対して広告を掲載しないようにします。
除外キーワードは後から追加で設定することも可能です。
→広告が表示されない検索語句の例:キャットフード 悪評
管理画面から検索語句を確認して、以下に当てはまる語句を除外します。
【除外キーワードとして設定すべきもの】
- キャンセルや返品などのネガティブキーワード
- 競合他社
- 広告と無関係のキーワード
ネガティブキーワードは必ず除外するようにして、無関係のキーワードについては定期的に除外するとよいです。
検索キーワードよりも除外キーワードのほうが多くなることを目指し、コツコツと追加することで無駄な流入を防ぎ、キーワードの精度向上を目指します。
▼あわせて読みたい
Google広告の除外キーワードのマッチタイプ完全ガイド
キーワード候補から選定する方法
広告初心者の方やツールで調査する時間が無い方は、Google管理画面に出てくるキーワード候補から選定することも可能です。
- 管理画面から新規キャンペーンを作成>「キーワードと広告」という項目まで必要事項を入力
- 「キーワード候補を取得(省略可)」に広告掲載先のURLを入力し、提案されたキーワード候補25個から選定
- 「キーワードをさらに追加」>[表示]をクリックし、さらに約170個のキーワード候補から選定
全部で200個ほどのキーワード候補を出してくれますが精度は7~8割程度なので、しっかりと確認して選定をおこなうことをおすすめします。
- 設定しないキーワード候補例
-
- 配信エリアにあっていないキーワード
- 自社サービスや商品と関連性が低いキーワード
キーワード設定における注意点
リスティング広告のキーワードで注意するポイントについて3点解説します。
注意点①:関連性の高いキーワードを設定する
キーワード設定においては抜け漏れを無くすことが大切、と聞くと広告初心者の方は関連性の低いキーワードまで追加してしまうことがあります。
関連性の低いキーワードをGoogle推奨マッチタイプの部分一致で設定すると、関連性の低いキーワードから更に関連性の低いユーザーに広告が配信されてしまうため、注意が必要です。
【キャットフードに対する関連性の例】
キャットタワー おすすめ:関連性が低い
注意点②:同じ検索意図で複数設定しない
現在Googleではキーワードの類似パターンという機能が実装されているため、下記の例のような同じ検索意図のキーワードは1つのキーワードにまとめます。
- まとめるべきキーワード例
-
- 語順の違い:キャットフード 通販と通販 キャットフード
- 表記の違い:引越しと引っ越し
最適化案の自動適用設定で「重複するキーワードを削除しましょう」にチェックが入っていれば、Googleが重複を自動で管理してくれます。
注意点③:マッチタイプは1つにまとめる
以下のように異なるマッチタイプで同じキーワードが重複している場合はGoogle広告推奨の部分一致にまとめます。
キーワードA(部分一致)
“キーワードA”(フレーズ一致)
[キーワードA](完全一致)
↓
キーワードA(部分一致)
同じ検索意図・マッチタイプでキーワードが重複していると管理コストがかかる上、データが分散して機械学習の妨げとなるため注意が必要です
配信開始後のキーワード運用におけるポイント
キーワードは一度設定したら終わりではなく、配信開始後も広告の反響を反映して調整していくことが大切です。
ポイント①:Googleの最適化案を確認して追加する
Google最適化案では、表示回数やクリックが見込めるキーワード提案がされているため、追加することでより多くのターゲットに広告を見てもらえます。
表示回数やクリック数のデータが多いほどアカウントの機械学習も進むため、管理画面の最適化案を定期的に確認して関連性のあるキーワードは追加をおこないます。
【検索キーワードの運用ポイント(重要)】
管理画面の最適化案を見ると、実際にGoogleからの検索キーワードの提案を確認できるので下記の2点を定期的におこなうことをおすすめします。
- 関連性のあるキーワード→検索キーワードとして設定する
- 関連性のないキーワード→設定しない
ポイント②:最適化案の自動適用を活用する
最適化案の自動適用を適切に設定することで、広告効果の上がる検索クエリの追加などが自動でおこなわれます。
【自動適用の設定方法】
- 管理画面にログインし、[最適化案]をクリック
- [自動適用]をクリックし、「広告のパフォーマンスを維持する」のうち「キーワードとターゲティング」の4つの項目全てにチェックを入れる
- 「ビジネスを拡大する」の「新しいキーワードの追加」と「部分一致キーワードの追加」にチェックを入れる
一部の商材やサービスは推奨のマッチタイプである部分一致ではなく、フレーズ一致や完全一致を設定する場合もあります。
- 部分一致が最適でない例
-
- 非常に限られた層をターゲットにしている商品
- BtoB向けの広告
ポイント③:除外キーワードを定期的に追加する
Google広告において、広告掲載機会を増やす運用は比較的自動化がしやすく、無駄な掲載を防ぐための設定は手動でおこなう場合が多いという傾向があります。
キーワードにおいても、検索クエリからのキーワード追加は最適化案の自動適用からおこなえますが、無関係なユーザーの流入を防ぐ除外キーワードの設定は基本的に手動でおこなう必要があります。
無駄な掲載を減らすことで、広告の費用対効果が大きく改善するため、除外キーワードの追加は配信開始後の重要な運用の1つです。
【Google広告運用の特徴】
- 掲載機会を増やす運用→自動化がしやすい
- 無駄な掲載を防ぐ運用→手動でおこなう場合が多い
まとめ
本記事で解説したリスティング広告のキーワード選定の手順・ポイントは以下のとおりです。
【まとめ】
キーワード設定は配信前に完璧にする必要はなく、検索語句レポートを確認して追加・削除しながらコツコツと修正していくことが大切です。
ツールを活用してキーワードの抜け漏れを無くし、データの分散や関係のないユーザーの流入を防ぐことを意識すれば、誰でも精度の高いキーワード設定が可能です。
というわけで今回は以上となります。
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