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リスティング広告のキーワード選定の手順とポイントを詳しく解説

リスティング広告のキーワード選定の手順とポイントを詳しく解説
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※このページは2025年6月5日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「リスティング広告のキーワード選定が初めてでどうすればよいか分からない」
「現在設定中のキーワードが正しいのか判断できない」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり13年になりますが、リスティング広告のキーワード選定についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

結論から言うと、リスティング広告のキーワード選定において重要なのは、成約に繋がりやすいキーワードを設定することです。

広告配信が初めての方だけでなく、すでに自社で運用している方も「設定に自信が持てない」とお悩みの声は少なくありません。

特にキーワード選定は成果を大きく左右する重要な要素の1つですが、インターネットや書籍から正確かつ自社の状況に適切な情報を探すのは困難で「この設定で本当に合っているのか」と不安を感じる方も多いと思います。

本記事では広告運用歴13年で数多くの業種・商材を支援してきた経験をもとに、キーワード選定の考え方や運用ポイントを丁寧に解説しています。

本記事のポイント
  • 初心者でもできるキーワード選定の手順について理解する
  • キーワード設定における注意点と運用のポイントを把握する

初心者の方はもちろん「設定に不安がある」「改善のヒントが欲しい」と感じている方にも役立てていただける内容です。

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

リスティング広告のキーワードとは

リスティング広告のキーワードの概要について解説します。

1. キーワード選定の考え方

リスティング広告はユーザーが特定のキーワードで検索した際に広告が表示される仕組みのため、「今まさに情報を探している人」にアプローチできるのが最大の特徴です。

検索回数が多い商品や即効性の高いサービスと相性がよく、検索意図と広告内容が一致すれば、高い成約率も期待できます。

この特性を活かすには成約につながりやすいユーザーに絞って広告を届けることが重要で、その基盤となるのがキーワード選定です。

反対にキーワード選定を誤ると、本来のターゲットではない層に広告が表示され、クリックされても成約につながらないことがあります。

例えば、料理教室の生徒を募集したいのにも関わらずフライパン おすすめ圧力鍋 口コミなど調理器具の購入層を集めてしまうと、方向性がずれているため、広告費を無駄にしてしまいます。

ミスマッチを防ぐには「配信の目的」や「想定するターゲット像」を明確にし、その意図に沿った検索キーワードを決めることが欠かせません。

キーワード選定は、広告戦略の出発点ともいえる重要な工程と言えます。

【キーワード選定の考え方】

  • キーワードは「広告を誰に届けるか」を決めるターゲティングの土台
  • 自社サービスが応えられる「ニーズ」に沿って選定することで、広告効果を最大化できる

2. 検索キーワードと検索語句の違い

リスティング広告を始めたばかりの方がよく混乱しがちなのが「検索キーワード」と「検索語句」の違いです。

【検索キーワードと検索語句の意味の違い】

  • 検索キーワード:管理画面に登録したキーワードのこと
  • 検索語句(検索クエリ):ユーザーが実際に検索した語句やフレーズのこと
▼検索キーワードと検索語句の例
キーワード(広告主が設定) 検索語句(ユーザーが入力)
キャットフード 高齢猫 キャットフード おすすめ
キャットフード 無添加 キャットフード 国産
キャットフード 猫 便秘 フード

上記の例ではキャットフードという検索キーワードに対して複数の検索語句に表示されていることが分かります。

このように成約に繋がりやすいであろう検索キーワードを設定することで、ある程度検索語句の絞り込むことができます。

その後、自分たちが狙った語句に配信されているか検索語句レポートを確認して、必要に応じて追加・除外をしてキーワード設定を調整していくのがキーワード運用の基本的な流れになります。

3. キーワード関連の用語

リスティング広告のキーワード選定を始める上で、理解しておくと便利な用語は下記のとおりです。

▼キーワード関連の用語
No 用語 詳細
1 検索キーワード 管理画面に設定したキーワードのこと。
2 検索語句(検索クエリ) ユーザーが実際に検索した語句やフレーズのこと。
3 指名キーワード 自社名やブランド名など、すでにその会社や商品を認知しているユーザーが検索する語句のこと。(例:ロイヤルカナンカナガンなど)
4 一般キーワード 商品カテゴリや悩みをもとに検索される語句のこと(例:キャットフード猫 フードなど)
5 ビッグキーワード 1語など検索ボリュームが多く、競合も多いキーワードのこと(例:キャットフードなど)
6 スモールキーワード 検索数が少ないニッチなキーワードのこと。ターゲット層が絞られており、競合が少ない場合が多い(例:キャットフード 詰め合わせなど)
7 ロングテールキーワード 一般的には3語以上で構成されるキーワードのこと。検索ボリュームは小さいが、意図が明確なことが多く、成約につながりやすい傾向がある(例:キャットフード 高齢猫 安全など)
8 マッチタイプ 検索キーワードに対して広告掲載の範囲を決定する設定のこと。マッチタイプには完全一致・フレーズ一致・インテントマッチの3種類ある。
9 除外キーワード 特定の検索語句に対して広告を表示させないようにする機能のこと。除外キーワードを設定することで、費用対効果を高めることができる(例:○○ 返品○○ キャンセルなど)
10 検索語句レポート 検索語句ごとに表示回数・クリック数・コンバージョン数・コストなど確認できるレポートのこと。キーワード改善や除外設定の判断材料になる。

初心者でもできるキーワード選定の6ステップ

キーワード選定を6つのステップで解説していきます。

手順①:軸となるキーワードを決める

リスティング広告のキーワードは、基本的に軸となるキーワードとその他のキーワードを掛け合わせて設定します。

軸となるキーワードとは、自社の商品やサービスを一言で表したキーワードで、例えば、キャットフードを売っている会社であれば「キャットフード」、結婚式場であれば「結婚式場」となります。

▼軸となるキーワードと掛け合わせの例
「キャットフード」 「結婚式場」
キャットフード おすすめ
キャットフード 安全
キャットフード グレインフリー
キャットフード 高齢猫
キャットフード 療法食
結婚式場 東京
結婚式場 費用 相場
結婚式場 少人数 プラン
結婚式場 海外風
結婚式場 見学予約

自社の商材を一言で表すと何か、と考えたときに浮かんだキーワードが以下のパターンのどれに当てはまるか、を考えて軸となるキーワードを決定します。

【商材を表すキーワードのパターン】

  • 掲載範囲・検索ボリューム・成約率が確保できる(キャットフードなど)
  • 範囲が広すぎる(リフォームなど)場合は絞って設定する
  • 専門用語は検索されにくいため、ユーザーが使う言葉に置き換える

複数商材に対して広告配信をおこないたい場合は軸キーワードも複数となりますが、初めての場合は2~3個に絞ったほうが管理しやすいです。

今回はセラミック治療の集客を目的に広告を配信する歯科医院を例に解説していくので、軸キーワードはセラミック治療となります。

軸となるキーワード:セラミック治療

セラミック治療とは虫歯などで削った歯や見た目が気になる歯に対して、セラミック(陶器のような素材)を使って補修や修復をおこなう自由診療の歯科治療です。

保険適用の銀歯やプラスチック素材と比べて、自然な白さと透明感があり、審美性に優れている一方、保険が効かないため費用は高額になります。

例えば、小さな詰め物は保険診療(3割負担時)で1,000〜3,000円ですが、セラミック治療では50,000〜80,000円が相場となり、保険診療でおこなえる虫歯治療と審美目的のセラミック治療は料金帯が大きく違うため、ターゲットも異なります。

歯医者 東京虫歯治療などの保険診療を探している人が多いキーワードを設定して配信してしまうとコンバージョン(成約)率が下がり、費用対効果が悪化すると見込まれるため、軸はセラミック治療1個に絞ります。

ステップ②:関連キーワードを洗い出す

軸となるキーワードが決まったら、次はそれに掛け合わせられる関連キーワードを洗い出していきます。

関連キーワードを探す方法としては大きく分けて以下の3つがあります。

【関連キーワードを探す方法】

  1. Google広告の管理画面内にある「キーワード候補」の機能を使う
  2. キーワードプランナーやラッコキーワードのようなツールを使う
  3. 生成AIを活用する

管理画面内にある「キーワード候補」の機能は広告運用が初心者の方やツールで調査する時間がない方におすすめです。

【「キーワード候補」の確認方法】

  1. 左メニュー[作成]ボタン >[キャンペーン]を選択する
  2. 単価設定/キャンペーン設定のすべての項目を入力する
  3. キーワードと広告 > キーワード > キーワード候補を取得(省略可)> キーワードのスキャンに使用するURLを入力 > 広告掲載先のURLを入力する
  4. [キーワード候補の取得]ボタン > 提案されたキーワード候補25個から選定をおこなう
  5. さらに候補を取得したい場合、キーワードをさらに追加 >[表示]> 約170個のキーワード候補から選定をおこなう

▼キーワード候補の表示
キーワード候補のキャプチャ

以下はセラミック治療のランディングページページURLと「セラミック治療」というキーワードを設定して管理画面から取得したキーワードの抜粋です。

▼管理画面から取得したキーワード
設定する 設定しない
セラミック 値段
セラミック 歯 金額
セラミック 安い 東京 おすすめ
セラミック ローン
セラミック 相場
セラミック 安い 東京
セラミック クラウン 相場
新宿 セラミック
新宿 歯科
歯並び 綺麗
新宿 歯医者 おすすめ 安い
ブリッジ 保険
歯医者 相場
新宿 虫歯
歯医者 値段 相場
歯科 料金
歯 保険
歯 綺麗

前述の通り、今回は審美目的の治療で保険が効かないセラミック治療の広告なので、歯 保険という保険診療を探しているキーワードや、新宿 歯科などと広すぎるキーワードは設定しません。

セラミック治療がキーワード軸となっていますが、一字一句「セラミック治療」と入っていなくても、「セラミック」という単語が歯科治療の文脈で使われていれば、広告キーワードとして設定して問題ありません。

現在は文字列ではなくて検索意図に沿って広告が表示されるため、例えば、セラミック治療 歯科セラミック 歯科は文字列は異なりますが、検索意図が共通しているため、同じように広告が掲載される可能性が高いです。

しかしセラミックという言葉は歯科だけでなく、フライパンなどの日用品にも使われる素材のため、文脈を誤ってしまうリスクもあります。

心配な場合は、実際にそのキーワードで検索してみることをおすすめします。

例えばセラミック 相場というキーワードを検索したところ、歯科治療に関する情報が中心に表示されたため、今回は設定することにしました。

▼「セラミック 相場」検索結果画面
セラミック 相場の検索結果キャプチャ

2点目のキーワードプランナーやラッコキーワードのようなツールを使う方法もキーワード選定の初期段階に役立ちますが、性質が少しずつ異なるため分けて解説します。

キーワードプランナーとは、軸となるキーワードに関連する語句を探すことができるGoogle広告の機能で使い方は下記のとおりです。

【ツール①「キーワードプランナー」の使い方】

  1. Google広告の管理画面にログインする
  2. 左メニュー[ツール]>[プランニング]タブ >[キーワードプランナー]を選択する
  3. [新しいキーワードを見つける]を選択する
  4. [キーワードから開始]タブ >軸となるキーワードを入力する
  5. [結果を表示]を選択する
  6. 軸となるキーワードに関連する語句の一覧を確認する
  7. 画面右上の[キーワード候補をダウンロード]>[.csv]を選択する

▼キーワードプランナー画面
キーワードプランナー画面キャプチャ

▼キーワードプランナーから得られるキーワードの例
フィルターなし 「セラミック」のみ抽出
ホワイトニング
池袋 ホワイトニング
虫歯 放置
新宿 歯科
ホワイトニング 新宿
ホワイトニング 歯科
セラミック 値段
歯科 予約
セラミック
新宿 矯正
セラミック 値段
セラミック
セラミック 値段 相場
セラミック 歯 金額
セラミック ローン
セラミック 相場
セラミック 種類
梅田 セラミック 安い
セラミック おすすめ
セラミック 安い

「セラミック治療」とランディングページURLを設定したところ、キーワードプランナーからは全部で545個のキーワードが出てきましたが、「ホワイトニング」など関連性の低いキーワードが多かったので[フィルターを追加]から「セラミック」に関するキーワードのみを抽出しました。

もうひとつのツールとしてご紹介するラッコキーワードというサイトでは、軸となるキーワードを打ち込むだけでサジェストキーワードを調べることが可能です。

【ツール②「ラッコキーワード」の使い方】

  1. ラッコキーワード(https://rakkokeyword.com/)にアクセス
  2. 軸となるキーワードでサジェストキーワードを検索

▼ラッコキーワード画面
ラッコキーワード画面キャプチャ

▼ラッコキーワードから得られるキーワードの例
「セラミック」のサジェストキーワード 「セラミック治療」のサジェストキーワード
セラミック
セラミックファンヒーター
セラミック 歯
セラミックタンブラー
セラミックとは
セラミックヒーター 電気代
セラミックフライパン
セラミックコーティング
セラミック ダイニングテーブル
セラミック治療
セラミック治療とは
セラミック治療 値段
セラミック治療 デメリット
セラミック治療 流れ
セラミック治療 保険適用
セラミック治療 前歯
セラミック治療 期間
セラミック治療 保険

ラッコキーワードにおいてはURLを入れずにキーワードのみを見て掛け合わせられる言葉を提案するのでセラミックフライパンのように商材と無関係のキーワードも出てくることがあります。

出てきた語句を全て入れる前提で使うよりは、関連性が高そうなキーワードの組み合わせを発見するためのインスピレーションとして使うのに適しています。

3点目の生成AIについては後ほど補足で詳しく解説します。

ここまでツール等を用いる抽出方法を紹介しましたが、もちろん自分の頭で考えたキーワードを設定することも可能で、一度自分の頭で10個ほどのキーワードを書き出してからツールで追加していくのも有効です。

【自分の頭で10個のキーワードを書き出しをおこなう例】

セラミック治療セラミック治療 安いセラミック治療 新宿セラミック治療 おすすめセラミック治療 早いセラミック治療 期間セラミック治療 流れセラミック治療 短期間セラミック治療 値段セラミック治療 銀歯

ステップ③:成約に近いキーワードを選択する

関連キーワードを洗い出したあとは選定に入りますが、その際最も重要なのはキーワードで検索する人が、成約に近いかどうかです。

例えばセラミック治療 新宿セラミック おすすめ 歯医者などは、治療を検討している人の検索ワードで、成約につながる可能性が高いと考えられます。

一方でセラミックとはセラミック 歯のようなキーワードは、調べ物や比較検討の段階で、今すぐの成約にはつながりにくいかもしれません。

検索している人が「何を知りたいのか=検索意図」を読み取り、成約に近いキーワードを優先的に選ぶことが、広告効果を高めるポイントです。

参考までに以下は本記事で紹介したキーワードの中で、成約に近いかどうかという視点で設定する・しないを振り分けた表になります。

▼キーワード選定(抜粋)
設定する 設定しない
セラミック治療
新宿 セラミック
セラミック 値段 相場
セラミック おすすめ
セラミック 安い
セラミック治療 期間
セラミック 奥歯
セラミック治療 口コミ
セラミック歯科 おすすめ
セラミック治療 早い
新宿 歯科
歯並び 綺麗
歯医者 相場
新宿 虫歯
歯科 予約
セラミック
新宿 矯正
セラミックファンヒーター
セラミック治療とは
セラミック治療 保険適用

ステップ④:必要に応じて広告グループを整理する

広告グループとはのイメージ図

以前は広告グループを「価格訴求」「サービス重視」などキーワードの訴求軸ごとに細かく分けて運用する方法が一般的でした。

現在では同じランディングページに誘導する商材であれば、広告グループは1つにまとめて管理する方法が推奨されています。

構成がシンプルになることで管理がしやすくなるだけでなく、AIによる機械学習とも相性が良く、配信の最適化がスムーズに進むためです。

今回の「セラミック治療」のようにランディングページが1つの場合は、広告グループも1つで問題ありません。

例えばドッグフードとキャットフードをそれぞれ別のランディングページで紹介しているECサイトの場合、それぞれに対応する広告グループを2つに分けるのが適切です。

同じ商材でも遷移先の構成によって広告グループの分け方は変わるという点がポイントになります。

広告グループなどアカウント構成に関する記事は下記をご参考ください。
» リスティング広告のアカウント構成とは?効果的な設計方法や注意点を解説

ステップ⑤:マッチタイプを設定する

次はマッチタイプを設定します。

マッチタイプとは、検索語句に対してどの程度一致している場合に広告を表示するかを指定する機能で、掲載範囲が広い順にインテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3種類があります。

マッチタイプのイメージ図

マッチタイプの詳細について知りたい方は下記の記事をご参考ください。
» 【2025年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド

【マッチタイプの種類】

  • インテントマッチ(旧:部分一致)
  • フレーズ一致
  • 完全一致

キーワードのマッチタイプには3つの種類がありますが、基本的には最も掲載範囲が広い「インテントマッチ」が、Google広告で推奨されている設定です。

理由としてはインテントマッチが最も機械学習との相性が良いマッチタイプであり、現在のGoogle広告では細かな手動設定よりも機械学習による自動最適化を重視する運用方針が採られているためです。

マッチタイプを最初から細かく使い分ける必要はなく、まずはインテントマッチで幅広く配信しデータを蓄積しながら様子を見て、必要に応じて他のマッチタイプも検討するという流れが、現在の一般的な運用スタイルとなっています。

初めて配信をおこなう場合や、迷った場合は一旦全てのキーワードをインテントマッチで設定してみることも可能です。

ステップ⑥:除外キーワードを設定する

除外キーワードとはのイメージ図

現在の推奨のマッチタイプであるインテントマッチではどうしても無関係なユーザーが流入してしまうため、除外キーワードの設定が重要です。

除外キーワードは広告を表示させたくない語句をあらかじめブロックする設定で、ネガティブキーワードや無関係のキーワードに対して広告を掲載しないようにします。

除外キーワードは後から追加で設定することも可能です。

“フライパン”という無関係のキーワードをフレーズ一致で除外
→広告が表示されない検索語句の例:セラミック フライパン

管理画面から検索語句を確認して、以下に当てはまる語句を除外します。

【除外設定すべきキーワード】

  • キャンセル返品などのネガティブキーワード
  • 競合他社
  • 広告と無関係のキーワード

ネガティブキーワードは必ず除外するようにして、無関係のキーワードについては定期的に除外するとよいです。

検索キーワードよりも除外キーワードのほうが多くなることを目指し、コツコツと追加することで無駄な流入を防ぎ、キーワードの精度向上を目指します。

除外キーワードの選定や設定方法などを知りたい方は下記の記事をご参考ください。
» 除外キーワードとは?マッチタイプや設定方法について詳しく解説

補足:キーワード選定における生成AIの活用


キーワード選定において、ChatGPTのような生成AIは関連語や検索されそうな言葉を広げるツールとして非常に有効です。

例えば「セラミック治療の広告を配信したいのですが、どのようなキーワードで検索されそうですか?」と聞くだけで、複数の視点から一瞬で以下のようにカテゴリごとにアイデアを出してくれます。

▼ChatGPTから得られるキーワード(抜粋)
部位・症状別 検索意図が強そうなキーワード
セラミック治療 前歯
セラミック 奥歯
セラミック 虫歯
銀歯 セラミック 交換
歯の変色 セラミック
セラミック治療 口コミ
セラミック歯 安い
セラミック歯科 おすすめ
セラミック治療 流れ
セラミック治療 どこがいい

上記はChatGPTのモデルの中で言語表現に最も優れているとされる4oを使って出てきたキーワードの例で、無料版でも3時間で10回質問することができます。

AIは自分から商材の情報を知っているわけではないので、「どのような商品か」「誰向けか」「どう使われるか」など、前提条件をプロンプトで丁寧に伝えることが精度を高めるためのコツです。

一度出してもらった案が少しズレていると感じたら、追加情報をインプットして何度でも聞き直すことが可能なので、その場で修正・改善できる点も生成AIの大きな魅力です。

キーワード設定における注意点

リスティング広告のキーワードで注意するポイントについて3点解説します。

注意点①:関連性の高いキーワードを設定する

インテントマッチの掲載範囲は広いため、関連性の低いキーワードで設定してしまうと、さらに関連性の低い語句にまで掲載されてしまう可能性があります。

キーワード選定はあくまでも「仮説」ではありますが、関連性の高い語句のみを設定して配信する必要があります。

【セラミック治療に対する関連性の例】

セラミック 歯医者:関連性が高い
セラミックコーティング:関連性が低い

注意点②:同じ検索意図のキーワードを複数設定しない

現在Google広告ではキーワードの類似パターンという機能が実装されているため、下記の例のような同じ検索意図のキーワードは1つのキーワードにまとめます。

まとめるべきキーワード例
  • 語順の違い:セラミック 歯医者歯医者 セラミック
  • 表記の違い:引越し引っ越し

最適化案の自動適用設定で「重複するキーワードを削除しましょう」にチェックが入っていれば、Google広告が重複を自動で管理してくれます。

注意点③:マッチタイプは1つにまとめる

以下のように異なるマッチタイプで同じキーワードが重複している場合はGoogle広告推奨のインテントマッチにまとめます。

マッチタイプのまとめ方の図

同じ検索意図・マッチタイプでキーワードが重複していると管理コストがかかる上、データが分散して機械学習の妨げとなるため注意が必要です。

配信開始後のキーワード運用におけるポイント


キーワードは一度設定したら終わりではなく、配信開始後も広告の反響を反映して調整していくことが大切です。

ポイント①:最適化案を確認する

Google広告管理画面内の最適化案では、表示回数やクリックが見込めるキーワード提案がされているため、キーワードを精査した上で追加することでより多くのターゲットに広告を表示させることができます。

表示回数やクリック数のデータが多いほどアカウントの機械学習も進むため、管理画面の最適化案を定期的に確認して関連性のあるキーワードを追加します。

【検索キーワードの運用ポイント】

最適化案では実際にGoogle広告からの検索キーワードの提案を確認できるので、下記2点を定期的におこなうことをおすすめします。

  • 関連性のあるキーワード→検索キーワードとして設定する
  • 関連性のないキーワード→設定しない

ポイント②:最適化案の自動適用を活用する

最適化案の自動適用を適切に設定することで、広告効果の上がる検索クエリの追加などが自動でおこなわれます。

チェックを入れることを推奨する項目は以下となります。

【チェックを入れる項目(推奨)】

  • 重複するキーワードを削除しましょう
  • 広告配信に使われていないキーワードを削除しましょう
  • 競合する除外キーワードを削除する
  • 最適化されたターゲティングを使用する
  • 新しいキーワードを追加しましょう
  • インテントマッチキーワードを追加する

設定手順は以下となります。

【自動適用の設定方法】

  1. 左メニュー[最適化案]>[自動適用]を選択する
  2. 広告のパフォーマンスを維持する > キーワードとターゲティング > 4項目すべてを選択する
  3. ビジネスを拡大する > キーワードとターゲティング >[新しいキーワードを追加しましょう]および[インテントマッチキーワードを追加する]を選択する
  4. [保存]ボタンを選択する

一部の商材やサービスは推奨のマッチタイプであるインテントマッチではなく、フレーズ一致や完全一致を設定する場合もあります。

インテントマッチが最適でない例
  • 非常に限られた層をターゲットにしている商品
  • BtoB向けの広告

ポイント③:除外キーワードを定期的に追加する

Google広告において、広告掲載機会を広げる場合は比較的自動化がしやすく、配信ユーザーを狭める場合は手動でおこなうことが多いです。

キーワードにおいても、検索クエリからのキーワード追加は最適化案の自動適用からおこなえますが、無関係なユーザーの流入を防ぐ除外キーワードの設定は基本的に手動でおこなう必要があります。

無駄な掲載を減らすことで広告の費用対効果が大きく改善するため、除外キーワードの追加は配信開始後の重要な運用の1つです。

【Google広告運用の特徴】

  • 掲載機会を増やす運用→自動化することが多い
  • 無駄な掲載を防ぐ運用→手動でおこなう場合が多い

ポイント④:キーワードは多ければよいわけではない

キーワードは多ければ多いほどよいというわけではありません。

インテントマッチでキーワードを設定すればAIが自動で幅広い配信をおこなう現在では、例えば他社が設定していないであろうキーワードをたくさん設定する以前のような戦略は効果的でないことが少なくありません。

例えるなら「一本の釣り糸」のようだったキーワードが、インテントマッチの影響で「網」のように複数の関連検索語句を一気に拾う仕組みに変化しています。

【キーワード表示範囲のイメージ図】

キーワード表示範囲のイメージ図

キーワードを多く設定すればするほど網が広がり、配信の幅は広がりますが、その分意図からズレた検索語句による流入リスクも高まります。

以上を踏まえたうえでキーワードを網羅することだけに気を取られずにランディングページやアカウント設計など幅広い視点を持って運用することが重要です。

キャンペーン・広告グループ・広告・アセット・コンバージョントラッキングなどを最適化し、機械学習を最大限活かせるアカウント設計を目指します。

【キーワードの多さが重要でない理由】

  • AIの活用により、キーワードの配信範囲が広がった
  • キーワードを増やすと費用対効果が悪化するなど、逆効果となる場合もある
  • ランディングページやリンク先、アカウント設計など幅広い視点が重要

キーワードは仮説・検証の視点で運用する

キーワードはリスティング広告配信の土台となる部分なので「独学でうまく選べるか不安」「もし間違ったキーワードを設定して、効果が出なかったらどうしよう」とプレッシャーを感じる方もいるかもしれません。

リスティング広告におけるキーワードは、一度設定して終わりではなく、配信後に検索語句のデータを確認しながら調整・育成していくものです。

特に近年は設定したキーワードから広く関連語句にも広告が表示される傾向が強まっているため、実際にどのような検索語句で広告が表示されるかは、配信してみないと分からないというのが現状です。

専門家であっても掲載範囲を正確に予測するのは難しく、「これだけは逃したくない」という重要なキーワードを起点に仮説を立てて配信を開始し、配信結果をもとに語句を追加・除外していくという、仮説・検証のサイクルで運用することが基本です。

配信後も継続的に見直しながら最適化を図る必要がある、と聞くと手間がかかるようにも思えますが、裏を返せば最初から完璧を目指す必要はないということでもあります。

キーワード設計は気負わずに始めてみて、配信データと向き合いながら育てていく姿勢こそが配信成功への一歩となります。

まとめ

本記事では、リスティング広告におけるキーワード設定手順、注意点と運用におけるポイントを解説しました。

本記事をまとめると下記のとおりです。

本記事のまとめ
  • リスティング広告のキーワード選定において何より大切なのは成約に繋がりやすいユーザーに届けること
  • 基本的な選定の流れ:ツールや生成AIも使いながらキーワードを洗い出す→選定→グループ分け→マッチタイプの設定→除外キーワードの設定
  • キーワード設定は配信しながら育てていく姿勢が重要

感覚的な話にはなりますが、最低限の範囲より少し広めにスタートし、配信しながらデータを見て絞り込んでいくのが、現代のリスティング広告の基本的な考え方です。

キーワード運用においても最初から完璧にすることを目指すのではなく、配信しながら追加や除外キーワードの設定をおこない精度を上げていくことができるので、本記事を参考に運用を見直してみてください。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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