
①リスティング広告:キーワードを複数設定して抜け漏れをなくす
②SEO:1ページ1キーワード
について「リスティング広告とSEOのキーワード選定の違い」という動画で解説しているので、あわせてご確認ください。
「リスティング広告のキーワード選定について調べている」
「どのキーワードで広告を配信すべきか分からない」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケター兼ユーチューバーの中釜(@keitanakagama)です。
リスティング広告に携わり12年になりますが、リスティング広告のキーワード選定についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

「どのようにキーワードを選べばよいか」という質問をいただくことがあります。少し難しいイメージがあるかもしれませんが、リスティング広告のキーワード選定は難しくありません。
- リスティング広告のキーワード選定のポイント
- キーワードの抜け漏れをなくす
SEOのキーワード選定は「1ページ1キーワード」に対して、リスティング広告の場合は「キーワードを複数設定して抜け漏れをなくす」が正解です。キーワードプランナーやラッコキーワードといったツールを活用すれば誰でも簡単にキーワードを作ることができます。
本記事に関しては私のリスティング広告に携わってきた12年の経験をもとに書いているので、ある程度の信憑性は担保されているかと思います。
ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
リスティング広告のキーワード選定手順:キーワード候補から選定
Google管理画面に出てくるキーワード候補を使用してキーワードを選定する手順について解説します。簡単かつ手間なく設定できるため、初心者の方におすすめです。
- 管理画面から新規キャンペーンを作成>「キーワードと広告」という項目まで必要事項の入力を進める
- 「キーワード候補を取得(省略可)」に広告掲載先のURLを入力:自動で候補となるキーワードを25個提案してくれるので内容を確認して設定する
- 「キーワードをさらに追加」>「表示」をクリック:自動で候補となるキーワードを約170個ほど提案してくれるので内容を確認して設定する
全部で約200個ほどのキーワード候補を出してくれますが精度は7~8割程度です。約200個を確認して設定するかしないかの判断をすることをおすすめします。
- 個別事情に対応できていないキーワード候補例
- 配信エリアにあっていないキーワード
- 自社サービスや商品と関連性が低いキーワード
リスティング広告のキーワード選定手順:キーワードツールで調査して選定
キーワードのツールを使用して事前に調査をおこなってキーワードを選定する手順について解説します。手間や時間はかかりますが、精度を高めて獲得を増やしたい方におすすめです。今回はキャットフードの会社を例に解説していきます。
1. 軸となるキーワードを決める
取り扱う商品・サービスを一言で表す語句やフレーズをひとつ決めます。
キャットフードの会社なので軸となるキーワードは必然的に「キャットフード」になります。
- 軸となるキーワード:キャットフード
2. キーワードプランナーを使う
キーワードプランナーとはキーワードの候補を知ることができるツールです。軸となるキーワードに関連する語句を探すことができます。
キーワードプランナーの使い方
1. Google広告の管理画面にログインします。
2. 管理画面右上の[ツールと設定] > [プランニング] > [キーワードプランナー]の順で選択し、[新しいキーワードを見つける]をクリックします。
3. [キーワードから開始]を選択してキャットフードと入力し[結果を表示]をクリックします。
4. キャットフードに関連するキーワードが一覧で表示されます。右上の[キーワード候補をダウンロード]から[.csv]ファイルをダウンロードします。
キーワードプランナーの使い方は以上です。
ダウンロードしたエクセルからキーワードを取捨選択する
続いてダウンロードしたエクセルファイルから使いたいキーワードを選び出します。「キャットフード」でキーワードプランナーから約1,000個のキーワード候補を抽出できましたが、今回は5キーワードに絞って解説します。
○:入れる、△:状況による、×:入れない
No | キーワード | 選定 | 理由 |
---|---|---|---|
1 | キャットフード おすすめ | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
2 | キャットフード 市販 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
3 | キャットフード 人気 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
4 | キャットフード グレインフリー | △ | グレインフリーのキャットフードを 扱っている場合は入れる |
5 | キャットフード 発がん性 | × | 「発がん性」はネガティブ キーワードのため入れない |
3. ラッコキーワードを使う
ラッコキーワードはサジェストキーワードを調べるのに便利です。
ラッコキーワード:https://related-keywords.com/
上部の検索欄に軸となるキーワードを打ち込むと、下図のようにサジェストキーワードが表示されます。
左上の10キーワードに関してはよく検索されるキーワードなので、検索キーワードに追加します。
キーワードプランナー同様、どのように取捨選択するか解説します(キーワードは全部で10個ありますが、5つに絞って解説しています)。
○:入れる、△:状況による、×:入れない
No | キーワード | 選定 | 理由 |
---|---|---|---|
1 | キャットフード | 〇 | 軸となるキーワード のため入れる |
2 | キャットフード 安全 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
3 | キャットフード 通販 | 〇 | キャットフードに関連する キーワードのため入れる |
4 | キャットフード ロイヤルカナン | △ | 競合キーワードを含む場合 入れないを推奨 |
5 | キャットフード 歌詞 | × | 初音ミクの歌に関するキーワードで 無関係のため入れない |
以上で「キーワードプランナー」と「ラッコキーワード」からキーワードを抽出する手順は完了です。
4. マッチタイプを設定する
キーワードの抽出が完了したら次はマッチタイプを設定します。
マッチタイプとは、検索キーワードに対して広告掲載の範囲を決定するための設定のことです。マッチタイプは全部で3種類あります。
» 【2023年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド
マッチタイプの種類
- 部分一致
- フレーズ一致
- 完全一致
マッチタイプによってキーワードの範囲やかかる費用も変わってきます。
現在は部分一致の設定が推奨されており、どのマッチタイプを使用するかなどの細かな設定分けは不要になっています。
5. 除外キーワードを洗い出す
手順の4.で現在の推奨のマッチタイプは部分一致と解説しましたが、部分一致ではどうしても無関係なユーザーが流入してしまいます。そこで除外キーワードを設定することで、ネガティブキーワードや無関係のキーワードに対して広告を掲載しないようにします。最初に除外キーワードの設定することも後から設定することも可能なので除外キーワードの設定が重要ということを抑えてください。
- 除外するキーワード:“悪評”(フレーズ一致)
- 広告が表示されない検索語句:キャットフード 悪評
管理画面で検索語句を確認できるので、以下のとおり除外するとよいです。
除外キーワードとして設定すべきもの
- キャンセルや返品などのネガティブキーワード
- 競合他社
- 広告と無関係のキーワード
ネガティブキーワードは必ず除外するようにして、無関係のキーワードについては定期的に除外するとよいです。
→除外キーワードは積み重ねが大事。
▼あわせて読みたい
Google広告の除外キーワードのマッチタイプ完全ガイド
キーワード運用のポイント
広告配信を開始した後、そのまま放置して良いということではなくその後もGoogleから提案のある検索キーワードを確認して追加することが重要です。キーワードの運用には大きく分けて2パターンあります。
①Googleからの提案のキーワードを確認して追加する
Google最適化案から提案されるキーワードは表示回数やクリックが見込めるキーワードを提案されているため、より多くのターゲットに広告を見てもらえます。表示回数やクリック数のデータが多いほどアカウントの機械学習が進むため重要になります。
検索キーワードの運用ポイント(重要)
管理画面の最適化案を見ると、実際にGoogleからの検索キーワードの提案を確認できるので下記の2点を定期的におこなうことをおすすめします。
- 関係があるキーワード→検索キーワードとして設定する
- 関係がないキーワード→設定しない
②検索クエリレポートから獲得の取れたキーワードを追加する
管理画面の検索クエリレポートを見ると、実際に検索クエリを確認できるので、獲得につながった未登録の検索クエリを検索キーワードとして追加することによって品質スコアが上がります。
品質スコアは以前まで成果を上げるために重要な指標でしたが、現在では広告の成果を改善することに直結する指標ではなくあくまで参考値となりました。やみくもに沢山のキーワードを追加すればよいというものではないので精査が重要です。
» Google広告の品質スコアを上げる3つの改善方法
リスティング広告のキーワードで注意するポイント
リスティング広告のキーワードで注意するポイントについて2点解説します。
1. 関連性の高いキーワードを設定する
初心者の方は抜け漏れをなくすために軸となるキーワードに対して関連性の低いキーワードも追加してしまうことがあります。関連性の低いキーワードをGoogle推奨マッチタイプの部分一致で設定すると、関連性の低いキーワードから更に関連性の低いユーザーに広告を配信することになるため良いことがないため避けるべきです。
キャットフードに対する関連性の例
- キャットフード おすすめ:関連性高い
- キャットタワー おすすめ:関連性低い
2. キーワード数が多すぎる
キーワードが多すぎて困っている際の対処法を3個紹介します。
①Google広告から提案されるキーワードは精査をして追加する:すべて鵜呑みにして設定をおこなうとキーワードが増えるだけでなく精度が悪く、無関係なユーザーの流入が増えてしまいます。
②同じ検索意図のキーワードが設定されている場合は1つにまとめる:現在Googleではキーワードの類似パターンという機能が実装されているため下記の例のような違いのキーワードは1つのキーワードにまとめることが推奨されています。
例:
・語順の違い:「結婚式場 予約」と「予約 結婚式場」
・表記の違い:「ウェディングドレス」と「ウエディングドレス」
①Google広告最適化案>自動適用>広告のパフォーマンスを維持する
②キーワードとターゲティング>重複するキーワードを削除しましょうにチェックを入れる
③同じ検索キーワードでマッチタイプが重複している場合は部分一致にまとめる
例:
・キーワードA(完全一致)→削除する
・キーワードA(フレーズ一致)→削除する
・キーワードA(部分一致)
キーワードが多い場合のデメリット
- 管理コストがかかる
- データを蓄積しやすいシンプルな設計が良いため重複などの設定はデータ府が分散する
補足:キーワードの数について
「キーワードは何個選べばよいのか」という質問をいただくことがありますが、多いければ良いというわけではなく、少ないから悪いというわけでもありません。業界や商材によって変わるため設定している個数に敏感になる必要はありません。後から消したり追加が可能なので最初の設定時にキーワードの数は一旦気にしないでよいです。
まとめ
本記事で解説した「リスティング広告のキーワード選定」は以下のとおりです。
【まとめ】
検索語句レポートを見て後からでもキーワードを追加・削除できるので、難しく考える必要はありません。基本はキーワードの抜け漏れがないように設定し、運用しながら改善を繰り返すことが重要です。
というわけで今回は以上となります。
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