
「コンバージョンが計測されず、どこを修正すればよいか分からない」
「Googleタグマネージャー(GTM)の設定方法が分からない」
「コンバージョンが無効になっているのを修正したい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、マーケターの千里です。
コンバージョンが計測されない場合や、コンバージョンアクションのステータスが無効になっている際に確認すべきポイントを探している方が多かったので記事にしました。
本記事ではGTM(=コンバージョンなどの計測に必要なタグを一元管理できるGoogle公式のツール)を活用してコンバージョン計測をおこなう際に、コンバージョン計測に不備がある方に向けて書いています。
コンバージョン計測が適切におこなえない場合に確認すべきポイントを記載していますので、ぜひチェック項目としてご活用ください。
- 本記事のポイント
-
- 本記事のチェック項目を11点すべてを網羅する
- コンバージョン計測に不備がある際のチェック項目を把握する
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
1. GTMタグの抜け漏れがないか
コンバージョンが計測されない原因の1つとして考えられるのは、タグの抜け漏れです。
GTMタグにはheadタグとbodyタグの2種類があり、それぞれのタグをすべてのページの適切な位置に設置する必要があります。
▼GTM管理画面でのコンテナの品質の確認画面
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- GTM管理画面にログインする
- 管理画面のコンテナの品質が「非常に良い」または「良い」ことを確認する
「非常に良い」「良い」以外のステータスの場合、タグの抜け漏れが発生している可能性があるため、GTMタグの設置状況を確認する必要があります。
【コンテナの品質ステータスと必要な対応】
- 非常に良い:問題なし
- 良い:問題なし
- 要確認:すべてのページにGTMタグが設置されているか確認
- 緊急:すべてのページにGTMタグが設置されているか確認
- 最近のデータなし:すべてのページにGTMタグが設置されているか確認
参照:タグ診断を使用してタグに関する問題のトラブルシューティングを行う – タグマネージャー
2. GTMタグのコードのコピペミスがないか
GTMタグ設置の際、間違いやすい例の1つとしてコピペミスがあります。
GTM管理画面にはタグを一括コピーできるボタンがあるため、カーソルで選択をせずに一括コピーボタンを使用することをおすすめします。
【GTMタグ:headタグ用の例】
<script>(function(w,d,s,l,i){w[l]=w[l]||[];w[l].push({‘gtm.start’:
new Date().getTime(),event:’gtm.js’});var f=d.getElementsByTagName(s)[0],
j=d.createElement(s),dl=l!=’dataLayer’?’&l=’+l:'';j.async=true;j.src=
‘https://www.googletagmanager.com/gtm.js?id=’+i+dl;f.parentNode.insertBefore(j,f);
})(window,document,’script’,’dataLayer’,’GTM-○○○○○○○’);</script>
<!-- End Google Tag Manager -->
【GTMタグ:bodyタグ用の例】
<noscript><iframe src="https://www.googletagmanager.com/ns.html?id=GTM-○○○○○○○"
height="0" width="0" style="display:none;visibility:hidden"></iframe></noscript>
<!-- End Google Tag Manager (noscript) -->
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- 該当ページで右クリックをし、[ページのソースを表示]を選択する
- 「GTM-」と検索する
- コードが抜け漏れなく設置されているか目視で確認する
- headタグ用、bodyタグ用のどちらも確認する
3. GTMタグの個数およびコンテナIDが正しいか
GTMタグは該当のコンテナIDのタグが<head>内および<body>内にそれぞれ1個ずつ設置されていることが正しい状態です。
▼コンテナIDの確認
下記はよくあるタグ設置の間違い例になります。
【GTMタグ設置の間違い例】
- <head>内にheadタグ用とbodyタグ用が設置されている
- <body>内にbodyタグ用が設置されていない
該当のコンテナIDが含まれるタグの設置個数が適切か、実際のページのソースから確認します。
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- 該当ページで右クリックをし、[ページのソースを表示]を選択する
- 「GTM-○○○○○○○」と該当のコンテナIDを検索する
- 検索結果の個数が2個であることを確認する
4. GTMタグの設置場所が正しいか
ウェブサイトは<head>と<body>によって構成されており、headタグ用とbodyタグ用にはそれぞれ適切な設置の位置があります。
headタグ用は<head>内のなるべく上のほうに、bodyタグ用は<body>の直後に貼り付けます。
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- 該当ページで右クリックをし、[ページのソースを表示]を選択する
- 「GTM-○○○○○○○」と該当のコンテナIDを検索する
- 該当のGTMタグが正しい位置に設置されているか目視で確認する
- headタグ用、bodyタグ用のどちらも確認する
5. コンバージョンリンカーを設定できているか
ここまではGTMタグの設置についてのチェック項目を挙げましたが、ここからはGTM管理画面の設定についてチェック項目を解説します。
コンバージョンリンカーとは、Google広告のコンバージョン計測をより正確におこなうためのGTMタグの一種です。
ユーザー行動の追跡が可能で広告効果測定に利用できるため、広告クリックからコンバージョンまでの過程を正確に計測できます。
コンバージョンリンカーを設定しないと計測精度が低下し、コンバージョンが反映されないことがあるため、コンバージョンリンカーの設定は必須の項目になります。
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- GTM管理画面にログインする
- 左の一覧から[タグ]を選択する
- タグの一覧からコンバージョンリンカーが設定されているか確認する
【コンバージョンリンカーの設定】
- タグの種類:コンバージョンリンカー
- トリガー:自動で「All Pages」
6. コンバージョンID/ラベルが正しいか
Google広告管理画面で設定したコンバージョンアクションのコンバージョンIDとコンバージョンラベルをGTM管理画面で設定する必要があります。
特に複数のコンバージョンアクションを作成している場合は確認が必要です。
▼Google広告管理画面でのコンバージョンID/ラベルの確認画面
▼GTM管理画面でのコンバージョンID/ラベルの確認画面
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- Google広告管理画面にログインする
- 左の一覧から[目標]>[コンバージョン]を選択する
- 該当のコンバージョンアクションを選択する
- [タグを設定する]>[Googleタグマネージャーを使用する]を選択する
- ブラウザで別のタブを開き、GTM管理画面にログインする
- 左の一覧から[タグ]を選択する
- 該当のタグを選択する
- Google広告管理画面内のコンバージョンIDおよびラベルがGTMの該当のタグに正しく設定されているか目視で確認する
- すべてのタグとコンバージョンアクションを確認する
7. トリガーの設定が正しいか
GTM管理画面で設定するトリガーとは、コンバージョンを計測する際の条件のことを指します。
コンバージョン計測には、イベント(例:ボタンのタップなど)とページの読み込みの2種類があり、それぞれトリガーの設定の際に適切な項目を選択する必要があります。
トリガータイプは下記のとおりです。
【コンバージョン計測に合わせたトリガータイプ】
- ページ読み込み:「ページビュー」を選択
- クリックやボタンタップ:「リンクのみ」を選択
▼トリガータイプの確認画面
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- コンバージョン計測の種類とトリガータイプをあらかじめ整理する
- GTM管理画面にログインする
- 左の一覧から[トリガー]を選択する
- 該当のトリガーを選択する
- トリガーのタイプが正しいか確認する
8. トリガーの変数/条件/URLが正しいか
トリガーの設定の際、変数・条件・URLを正しく設定する必要があります。
▼トリガーの変数/条件/URLの確認画面
よくある間違い例は下記のとおりです。
【よくある間違い例:変数の選択を間違える】
- 間違い例:ページ読み込みのコンバージョンで「Click URL」を選択
- 正しい例:ページ読み込みのコンバージョンで「Page URL」を選択
変数名 | 説明 |
---|---|
Page Hostname | 現在のURLのホスト名 |
Page Path | 現在のURLのパス |
Page URL | 現在のページの完全なURL |
Referrer | 現在のページの完全な参照元 |
Click Element | 値はクリックが発生したDOM要素に参照 |
Click URL | dataLayerのgtm.elementUrlキーを取得 |
Page URL | 現在のページの完全なURL |
Referrer | 現在のページの完全な参照元URL |
参照:ウェブサイト用コンテナの組み込み変数 – タグマネージャーヘルプ
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- コンバージョン計測の変数/条件/URLをあらかじめ整理する
- GTM管理画面にログインする
- 左の一覧から[トリガー]を選択する
- 該当のトリガーを選択する
- 変数/条件/URLが正しく設定されているか確認する
9. 「document.writeをサポートする」が有効になっているか
「document.writeをサポートする」は、カスタムHTMLを選択する際に必要な項目になります。
有効にすると、古いタイプのJavaScriptコードをGTMで使用できるように互換性を維持してくれます。
▼「document.writeをサポートする」の確認画面
例えばMeta広告などカスタムHTMLのタグを設定している場合、「document.writeをサポートする」を有効にすると計測できることがあります。
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- GTM管理画面にログインする
- 左の一覧から[タグ]を選択する
- 該当のタグを選択する
- 「document.writeをサポートする」にチェックが入っているか確認する
10. 設定完了後に「公開」できているか
GTM管理画面上でタグの新規作成や編集をおこなった際に画面右上にある「公開」ボタンを失念すると、設定が完了にならないため注意が必要です。
▼「公開」できているかの確認画面
確認方法の詳細な手順は以下のとおりです。
- GTM管理画面にログインする
- 画面右上にあるコンテナIDの右にあるワークスペースでの変更数を確認する
- 変更数が1以上の場合[公開]を選択する
11. コンバージョンアクションのステータスが有効になっているか
GTMの確認で問題点がなかった場合、Google広告管理画面のコンバージョンアクションのステータスが有効になっているかを確認します。
コンバージョンアクションのステータスが「有効」以外になっている場合、一部の例外を除き、本記事の1~10の項目を再度すべて確認して網羅する必要があります。
▼コンバージョンアクションのステータス確認画面
【コンバージョンアクションのステータスと必要な対応】
- 有効:問題なし
- 要確認:本記事の1~10の項目を再度すべて確認
- 無効:本記事の1~10の項目を再度すべて確認
- 最近のコンバージョンはありません:7日後もステータスが変わらない場合は本記事の1~10の項目を再度すべて確認
参照:コンバージョントラッキングのステータスに関するトラブルシューティング – Google広告ヘルプ
拡張コンバージョンを設定している場合、正しく計測できていてもコンバージョンアクションは「要確認」になります。「要確認」をホバーした際に「コンバージョンを記録中」と記載がある際は問題なしと判断できます。
まとめ
本記事で解説した「コンバージョンが計測されない際の11のチェック項目」は以下のとおりです。
【まとめ】
コンバージョン計測環境の構築は広告効果を上げるという点で重要ですが、どれか1点でも誤ると正しく計測できないため、完璧に設定することは容易ではありません。
今回の記事では初歩的な項目から見落としやすい項目について網羅してまとめたので、今後のチェックシートとしてもぜひご活用ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。