※このページは2019年7月1日に更新されました。

品質スコアについて情報を探している方は「品質スコア」というものについて、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

「なんだか難しそう」
「どうやって品質スコアを上げたら良いか分からない」
「いま成果が悪いのは品質というやつのせいではないか」

品質スコアというものは複雑で手に負えないイメージがあるかもしれませんが、

  • 推定クリック率
  • ランディングページの利便性
  • 広告の関連性

3つを改善すれば品質スコアを簡単に上げることができます。

中釜
中釜
リスティング広告運用歴9年間で見つけ出した品質スコアの3つの改善策を無料で公開します

品質スコアの基本から改善方法まで、本質についてわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

本記事で分かること

※Google AdWordsは2018年7月24日からGoogle広告に名称変更されました。

品質スコアの基本と抑えておきたい2つのポイント

品質スコアとは

キーワードや広告、ランディングページの品質を表す指標のこと。1~10段階の評価になっており、高ければ高いほど良い。各キーワードに品質スコアが付与され、媒体の管理画面で確認できます。

品質スコアで抑えておきたいポイントは2点です。

  • ポイント①:広告ランクの計算式
  • ポイント②:品質スコアが上がるとCVも増える仕組み

ポイント①:広告ランクの計算式

「集客は同じだが、広告費だけが上がってしまっている」
「1年前と同じ広告費だが、以前ほど成果が出なくなってしまった」

と悩んでいる原因のひとつに「広告の品質」が関係していることがあります。
リスティング広告のクリック単価や掲載順位は上限クリック単価だけではなく、広告ランクという指標で決定されています。

広告ランクの計算式

広告ランク = 上限クリック単価 × 広告の品質 + 広告表示オプション

「リスティング広告は入札単価だけでは掲載順位が決まらない」ということは、なんとなく理解できている方が多いですが、実際にどのようになっているかについてはなかなか完璧には理解できていないと思います。

広告ランクを因数分解した計算式を知っておくことが重要です。

ポイント②:品質スコアが上がるとCVも増える仕組み

品質スコアが上がることによってコンバージョンも増える理由は2つあります。

  • 理由①:他社とのオークションに勝ちやすく、表示回数が増えるため
  • 理由②:上位掲載による視認性アップで、クリック率が上がるため

以下はコンバージョンの計算式で、コンバージョン数を増やすための論理が分かりやすいので覚えておくと便利です。

コンバージョンの計算式

コンバージョン= 表示回数 × クリック率 × コンバージョン率

つまり、品質を改善させることによって、掲載順位を上げつつ、クリック単価を抑えることができるので「安いクリック単価で質の良いユーザーを連れてくる」といったリスティングの勝ちパターンに持ち込めることができます。

品質スコアの3つの指標

品質スコアは3つの指標に分解することができます。

  • 推定クリック率
  • ランディングページの利便性
  • 広告の関連性

結論から申し上げると、とにかくユーザーに焦点を絞ってキーワードや広告、飛び先となるウェブサイトを改善すればおのずと上がります。

とある広告主様の管理画面のキャプチャを貼ります。
品質スコアのキャプチャ

上記のスクリーンショットは弊社で広告運用しているクライアントのキーワードの結果になります。

推定クリック率、ランディングページの利便性、広告の関連性の項目において「平均的」もしくは「平均より上」という評価になっています(ランディングページの利便性はすべて「平均より上」、広告の関連性についてもほぼすべてが「平均より上」という評価を獲得しています。)

上記3つの指標がすべて「平均より上」と評価された場合、品質スコアも 10/10 という評価になっているので、品質スコアは3指標で成り立っていることが分かります。

「品質スコアを上げなければいけない」と常に考えて運用しているわけではないですが、結果的にクリック数上位10のキーワードに関して品質スコアが7以上で、3つのキーワードでは10と最高の評価をもらっています。

品質スコアを上げるためには、ターゲットユーザーに対して、適切なキーワードと広告、ランディングページを準備してあげる。たったこれだけです。
クライアント
クライアント
とはいえ、具体的にどう改善すればいいの?

という声が聞こえてきそうなので、具体的な改善方法を公開したいと思います。

「平均的」「平均より上」の場合ならば、そのキーワードにおいて問題ないので特に改修する必要はなく、「平均より下」という評価のときにどのように対策すれば良いか解説したいと思います。

1. 推定クリック率が「平均より下」の対策方法

推定クリック率の改善施策は2点です。

  • 広告のインプレッション集中化
  • クリック率向上のための広告文の改善

改善策①:広告のインプレション集中化

キャンペーンや広告グループをとにかく細かく設計しすぎていませんか?

Googleが推奨しているアカウント設計で「Hagakure(ハガクレ)」と呼ばれている設計方法があります。

Hagakureのポイント

キャンペーンや広告グループを集約して、Googleから評価されやすいアカウント構造にすることで成果が上がりやすくなります。

Google広告では品質スコアを決定する要素のひとつとして、広告グループ単位での表示回数のボリュームを重視しています。

広告文が同一の場合、下記のように広告グループを集約して、インプレッション数のデータサンプルを分散させないようにします(※下図参照)

▼(表1)広告グループ設計の前後比較、Before
広告グループ名 キーワード 広告文
広告グループA キーワードA 広告文A
広告グループB キーワードB 広告文A
広告グループC キーワードC 広告文A
▼(表2)広告グループ設計の前後比較、After
広告グループ名 キーワード 広告文
広告グループA キーワードA
キーワードB
キーワードC
広告文A

上記のように「広告グループA」「広告グループB」「広告グループC」も広告文が同一の「広告文A」ならば、キーワードを「広告グループA」に集約すると効果的です。

「リスティングはできるだけ細かく設計するほど良い」と教えられたことがある方はひと昔のやり方のことで、なんとなくリスティング広告は細かいほど効果が良さそうと勘違いしてしまいがちです。

正しくは「いかにシンプルにするか」が重要なのです。

改善策②:クリック率向上のための広告文の改善

推定クリック率とは

推定クリック率とは、キーワードの過去のクリックと表示回数、現在のクリックと表示回数を参考に未来のクリック率を予想した指標で、広告がクリックされる可能性のことです。

品質スコアは推定クリック率・ランディングページの利便性・広告の関連性によって決定されると前に解説しましたが、中でも推定クリック率は品質スコアの最も重要な要素のひとつです。

推定クリック率を平たくいえば、ユーザーにクリックしたいと思わせる広告文かどうかになります。

クリックしたいと思わせる広告文の例

  • 価格や数字訴求
  • 限定訴求

具体的な対策例

  • 価格を挿入する(ただし高額の場合、効果的ではない)
  • 「リピートは97パーセント」など具体的な数値を入れる
  • 「期間」限定や「初回」限定を入れる(●●限定は日本人が弱い)

2. ランディングページの利便性が「平均より下」の対策方法

次に、ランディングページの利便性の改善施策は2点です。

  • 改善策①:分かりやすいランディングページの設計
  • 改善策②:ページの読み込みスピードの改善をする

改善策①:分かりやすいランディングページの設計

対策すること

  • 「どのようなサービスなのか?」を明確にする(自社の強みは何か)
  • ファーストビューでユーザーの心をつかむ
  • スマホ最適化を図る
  • 検索キーワードとランディングページの関連性を高める
  • 他社にはないコンテンツを提供する(写真も重要)
  • サイトの信頼性やサービスの透明性を図る
  • お客様の声や事例コンテンツの充実化をさせる
  • FAQの充実化をさせる

ランディングページは目の前に自社のサービスを知らないユーザーに対して見せるページなので「何を知りたがっているのか」「コンテンツは最適な量あるか」といったことを読み解く必要があります。

しかし、勤務年数が長くなるほど「初心者の分からないことが分からない」に陥ってしまい、意外とあたりまえのことが抜けやすいので、論理的なコンテンツが作成できていないことが少なくありません。

「明日は雨だ。だからカバンは持っていかない」というような論理的でない例を以下に引用します。

「明日は雨だ。だから傘を持っていく」この文は、誰でも理解できると思います。なぜならこの文は、「明日は雨」と「傘を持っていく」のつながりが見える文だからです。

でも、「明日は雨だ。だからカバンは持っていかない」こう言われても、「なんで雨ならカバン持っていかないの?」と理解できませんよね?これは「雨」と「カバン」のつながりが見えないからわからないのです。

「明日は雨だ。新品のカバンが濡れるのはいやだ。だからカバンは持っていかない」これだったら、「雨」と「カバン」のつながりが見えるので、理解できると思います。

出典:東大生ライターが教える「ダメな文章」の3特徴 | 東洋経済オンライン

もしかすると「雨が降っている、カバンを持っていかない」のようなつながりがないというのは専門家やベテランの盲点になっているかもしれません。

ときには社内の新人さんや別部署の人、家族や友人などから率直な意見をもらうのもひとつの手です。

改善策②:ページの読み込みスピードの改善

対策すること

  • 画質をできるだけ落とさずに画像ファイルを圧縮する
  • スクロールするごとに画像を遅延読み込み(Lazy Load)させる
  • HTMLやCSSなどのコードファイルの無駄を排除する

ランディングページは各コンテンツが縦長になりやすい、画像をたくさん使用することが多い、個人向けの商材ではスマホで閲覧されやすいなど、1ページあたりのファイル容量が大きい・インターネット回線スピードも遅い可能性があるなどユーザーの環境も想定する必要があります。

画質を落とさずに画像の容量を落とすのに便利なサイト

遅延読み込み(Lazy Load)とは

遅延読み込み(Lazy Load)とは、ページにアクセスしたタイミングですべての画像を読み込むのではなく、スクロールして見え始めた瞬間に読み込むことで、ページの表示を速くするテクニックのこと。どうしても画質を落としたくない場合に有効です。

コードファイルを軽くして読み込みスピードを高速にする

  • 無駄なソースコードを削る
  • 起動のタイミングを指定する

ページの読み込みスピードを測るにはGoogleが提供しているPageSpeed Insightsという無料ツールが便利です。

ランディングページを構成するファイルを軽量化し、表示速度を向上させるためのひと手間をかけることが大切です。

3. 広告の関連性が「平均より下」の対策方法

最後に、広告の関連性の改善施策は2点です。

  • 改善策①:タイトルと説明文にキーワードを含める
  • 改善策②:サイトディレクトリに沿ったアカウント設計

改善策①:タイトルと説明文にキーワードを含める

ご自身でも経験があると思いますが、やはり検索したキーワードがタイトルに入っているリンクをクリックしてみたくなるものです。

Googleが開示している重要なデータ

タイトルにキーワードを入れると+15%クリック率向上

Googleが開示しているもっと重要なデータ

タイトルと説明文にキーワードを入れると+68%クリック率向上

上記のデータが示しているように、正しくはタイトルと説明文の両方にキーワードを入れると効果的です。

タイトル・説明文ともにキーワードが入っていない、説明文にしかキーワードが入っていない場合は広告文を見直す必要があります。

改善策②:サイトディレクトリに沿ったアカウント設計

テーマを絞り込んだ広告グループを作成できていますか?

広告グループとは「あるページに対する訴求とキーワード軸を管理する単位」です。
改善策①:広告のインプレション集中化」で説明したとおり、広告文が同じならば、テーマに沿って広告グループを絞り込み、同じ広告グループ内で管理するということが重要です。

効果的なグループ設計

1内容=1広告グループ=1LP=3広告

1内容=1広告グループ=1LP=3広告の内容

  • 同じキーワード軸を持つ広告グループは1つだけ
  • 同じ広告を持つ広告グループも1つだけ
  • 同じランディングページを持つ広告グループも1つだけ
  • 1つの広告グループ内では3つ以上のテキスト広告を入稿する(表示回数が少ない場合は2広告でも良い)

マッチタイプの完全一致グループ、部分一致グループで分ける、スマホ用グループなどデバイス別で広告グループを分けるというのは、上記の1内容=1広告グループ=1LP=3広告にそぐわないので効果的ではありません。

サイトディレクトリに沿ったアカウント設計をおこない、ユーザーにとって価値のある情報を提供するのが品質改善のカギです。

参考:品質スコアとグーグルの考え方

そもそもGoogle広告は2000年にサービスを開始してから約20年の歴史を経て、AdWordsからいまの名称に変更されました。

その中でも大きなアップデートのひとつに広告の品質があります。

広告の品質の導入によって、入札価格だけでなく、ユーザーがクリックして、価値ある情報を提供している広告を評価することで、広告費をたくさん持っている大企業だけが独り勝ちにならないように工夫されているといえます。

「Googleが掲げる10の事実」と呼ばれるGoogleの企業理念の「1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」を以下に引用します。

Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいウェブブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。Google のトップページはインターフェースが明快で、ページは瞬時に読み込まれます。金銭と引き換えに検索結果の順位を操作することは一切ありません。広告は、広告であることを明記したうえで、関連性の高い情報を邪魔にならない形で提示します。新しいツールやアプリケーションを開発するときも、もっと違う作りならよかったのに、という思いをユーザーに抱かせない、完成度の高いデザインを目指しています。

出典:Google について

要約すると以下のようになります。

  • ユーザーの利便性を考えよ
  • ページの読み込みスピードは速いほうが良い
  • 関連性の高い情報の提示

広告の世界でもSEOの世界でもユーザーファーストの考え方はどちらも共通しているので、ユーザーに焦点を絞れば広告運用の本質に辿り着けるではないかと思います。

というわけで今回の解説は以上になります。