「部分一致からインテントマッチに名称変更されたのか」
「インテントマッチと完全一致の違いが知りたい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり13年になりますが、インテントマッチ(旧:部分一致)についての情報を探している方が多かったので記事にしました。
結論から書くと、インテントマッチは2024年7月に「部分一致」から「インテントマッチ」に名称変更が発表され、3種類あるマッチタイプの中で最も出稿範囲が広く、媒体が推奨するマッチタイプになります。
本記事では、インテントマッチの概要や他のマッチタイプとの違い、メリット・デメリット、活用ポイントについて解説しています。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
インテントマッチ(旧:部分一致)とは
インテントマッチの基本情報について3点解説します。
1. インテントマッチの概要
繰り返しになりますが、2024年7月に「部分一致」から「インテントマッチ」という名称に変更されました。
インテントマッチとは、キーワードに追加した語句だけでなく、関連する幅広い検索語句に対しても広告が表示されるマッチタイプのことです。
以前は1語キーワードの場合は「完全一致」、2語以上の場合は「フレーズ一致」のように、語数に応じてマッチタイプの使い分けをおこなっていましたが、現在ではキーワードの語数に関わらずインテントマッチが推奨されています。
2. インテントマッチの特徴
インテントマッチの特徴は以下の3点です。
- Google広告が推奨するマッチタイプ:スマート自動入札との相性が良く、広告効果を出しやすい
- 関連語句や類義語にも対応:幅広い語句に対応し、他のマッチタイプと比較して最も出稿範囲が広い
- AIによる検索意図の理解:検索意図に基づいて広告を表示するため、キーワードの類義語、関連性の高い検索語句にも対応できる
【インテントマッチの掲載範囲例】
広告が表示される語句:ジム 新宿 安いダイエット 短期間〇〇(競合店舗名など)
広告が表示されない語句:ランニングシューズ
3. 部分一致から名称変更された理由
部分一致は20年以上前に開発された機能で、当時は配信範囲が広すぎて実用性が低い状況でしたが、近年のAI技術の進化により精度が向上した結果、「部分一致」という名称ではその機能を正確に表現できなくなり、「インテントマッチ」に改称されました。
補足をすると、インテントマッチと部分一致に機能的な違いはありません。
これまで部分一致については、精度の低さや広告効率が悪化してしまうことへの懸念を指摘する声があったのも事実です。しかし近年、Google AI や言語モデルの進化に伴い、その精度は飛躍的に向上してきました。機能の開発から 20 年以上が経った現在、部分一致という名称は、もはや実態を正確に表すものではなくなっています。
出典:検索広告の部分一致を「インテント マッチ」へ改称した理由とは -Think with Google
媒体側も部分一致のイメージを一新したい想いがあると考えられます。
インテントマッチと他のマッチタイプの比較
インテントマッチと他のマッチタイプの比較について解説します。
1. インテントマッチと完全一致との違い
完全一致は、設定キーワードと検索意図が完全に一致する場合にのみ表示します。
【完全一致の掲載範囲例】
広告が表示される語句:新宿 フィットネスジムスポーツジム 新宿
広告が表示されない語句:フィットネスジム 新宿 価格
以前は設定したキーワードの文字列と完全に一致する語句に配信される仕様でしたが、現在は検索意図に対する完全一致となっているため、同義語や語順・表記違いの検索語句でも検索意図が一致していれば配信されるので注意が必要です。
2. インテントマッチとフレーズ一致との違い
フレーズ一致は、設定したキーワードと同じ意味の文言を含む場合に表示します。
掲載範囲の広さは「インテントマッチ」と「完全一致」の中間になります。
【フレーズ一致の掲載範囲例】
広告が表示される語句:ジム 新宿 おすすめ新宿 スポーツジム 会費
広告が表示されない語句:新宿 ヨガスタジオ 人気
フレーズ一致については、以下の記事で詳しく解説しています。
» フレーズ一致とは?インテントマッチ(部分一致)との違いについて解説
インテントマッチのメリット
インテントマッチのメリットを2点解説します。
メリット①:多様なシグナルを活用できる
インテントマッチは、ユーザーの意図を判断するためのシグナルの種類が多岐に渡るマッチタイプです。
Broad match is the only match type that uses all of the signals available (i.e. landing pages, other keywords
in the ad group, previous searches, user location, etc.)
出典:Unlock the Power of Search – Google Ads
上記の引用によると、インテントマッチは全ての利用可能なシグナル(ランディングページ・広告グループの他のキーワード・過去の検索・ユーザーの所在地)を使用できる唯一のマッチタイプになります。
幅広いシグナルから検索意図を読み取ることで、他のマッチタイプでは配信できないターゲット層にもリーチできる点は大きなメリットと言えます。
メリット②:機械学習との相性が良い
インテントマッチは幅広い検索語句に配信がおこなわれるため、配信データの蓄積がしやすく、機械学習と相性の良いマッチタイプです。
一方で機械学習が十分に機能しない環境(例:コンバージョンデータが月に数件程度、キャンペーンや広告グループの分散など)では効果が薄れることもあります。
インテントマッチのデメリット
インテントマッチのデメリットを2点解説します。
デメリット①:無関係なユーザーが流入しやすい
インテントマッチは配信範囲が広いため、関連性の低い検索語句にも広告が表示され、無駄クリックが発生しやすい傾向があります。
無関係なユーザーの流入リスクを軽減するためには、除外キーワードの定期的な設定が必要です。
デメリット②:定期的なメンテナンスが必要になる
前述のとおり、インテントマッチを効果的に運用するには、定期的に不要な検索語句を除外する作業が必要になります。
配信結果データを確認して都度対応する必要があるなど他のマッチタイプと比較して運用コストがかかりやすい点はデメリットと言えます。
インテントマッチの活用ポイント
インテントマッチを効果的に活用するポイントについて2点解説します。
ポイント①:スマート自動入札との併用
スマート自動入札とは、広告主様が目指す特定の目標(例:コンバージョン数の増加など)を設定すると、その目標に基づいて入札を自動で調整する仕組みのことです。
インテントマッチは、スマート自動入札との併用で効果を出しやすいという特徴があります。
【参考:スマート自動入札の種類】
- コンバージョン数の最大化
- 目標コンバージョン単価(CPA)
- 目標広告費用対効果
- コンバージョン値の最大化
ポイント②:除外キーワードの設定
除外キーワードとは、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に広告を表示させない設定のことです。
主に無関係ワード・競合他社ワード・ネガティブワードを除外することで、インテントマッチを効果的に運用できます。
キーワード:フィットネスジム おすすめ(インテントマッチ)
除外キーワード:“渋谷”
広告が表示されない語句:フィットネスジム 渋谷
除外キーワードについては以下の記事で詳細を解説しています。
» 除外キーワードとは?マッチタイプや設定方法について詳しく解説
まとめ
本記事で解説した「インテントマッチ」は以下のとおりです。
【まとめ】
繰り返しになりますが、インテントマッチは多くのユーザーに広告を配信し、自動入札との組み合わせで効果的を発揮するマッチタイプです。
今後デジタルマーケティングにおいて、検索のインテント(意図)が重要になるという意味が込められているとのことで、名称の変更に伴い今後より活用の幅が広がることが予想されます。
インテントマッチが推奨マッチタイプですが、フレーズ一致および完全一致の特徴も理解した上で必要に応じて使い分けをおすすめします。
というわけで今回は以上となります。
関連記事はこちら
もっと記事を見る参考実績はこちら
もっと実績を見る-
インハウス支援
わずか3ヶ月間でCV456%アップ、CPA77%削減した創薬ベンチャー企業
株式会社リプロセル グロース市場
業種:化学 従業員数:101-500名 成果:CV456%アップ、CPA77%削減、広告運用 -
広告運用代行
豊富な知識と卓越した技術力。今では同じチームの一員です
国際航業株式会社
業種:エネルギー 従業員数:1,001名以上 成果:目標CPA30,000円達成、LP制作、サイトリニューアル -
インハウス支援
「今ある資産の活用」という観点をもたらしてくれました
日光ケミカルズ株式会社
業種:化粧品・薬品 従業員数:101-500名 成果:目標設定、Google Analytics、Google Search Consoleの活用