「フレーズ一致とは?」
「フレーズ一致とインテントマッチ(旧:部分一致)の違いが知りたい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり13年になりますが、フレーズ一致についての情報を探している方が多かったので記事にしました。
結論から書くと、フレーズ一致は設定したキーワードと同じ意味の文言を含む場合に広告が表示され、完全一致よりも広くインテントマッチよりも狭い出稿範囲のマッチタイプになります。
本記事では、フレーズ一致の概要や他のマッチタイプとの違い、メリット・デメリット、活用ポイントについて解説しています。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
フレーズ一致とは
フレーズ一致の基本情報について2点解説します。
1. フレーズ一致の概要
フレーズ一致とは、設定したキーワードと同じ意味の文言を含む場合に広告が表示されるマッチタイプのことです。
一般的な掲載範囲の広さは「インテントマッチ」と「完全一致」の中間です。
以前は1語キーワードの場合は「完全一致」、2語以上の場合は「フレーズ一致」のように、語数に応じてマッチタイプの使い分けをおこなっていましたが、現在ではキーワードの語数に関わらずインテントマッチが推奨されており、フレーズ一致を使用する機会は以前より減少しています。
2. フレーズ一致の特徴
フレーズ一致の特徴は以下の3点です。
- 設定したキーワードと同義の文言を含む検索語句に広告が表示される
- 掲載範囲の広さはインテントマッチと完全一致の中間
- 設定キーワードによって掲載範囲に幅がある
【フレーズ一致の掲載範囲例】
広告が表示される語句:スポーツジム 新宿 おすすめ人気のジム 新宿
広告が表示されない語句:ダイエット 短期間
以上は標準的な掲載範囲の場合ですが、設定するキーワードによって掲載範囲がインテントマッチほど広範囲になったりと幅があるのもフレーズ一致の特徴です。
フレーズ一致と他のマッチタイプの比較
フレーズ一致と他のマッチタイプの比較について解説します。
1. フレーズ一致とインテントマッチとの違い
インテントマッチは、キーワードに追加した語句だけでなく、関連する語句にも広告を表示します。
【インテントマッチの掲載範囲例】
広告が表示される語句:ジム 新宿 安いダイエット 短期間〇〇(競合店舗名など)
広告が表示されない語句:ランニングシューズ
2024年7月に「部分一致」から「インテントマッチ」に名称変更が発表され、3種類あるマッチタイプの中で最も出稿範囲が広く、媒体推奨のマッチタイプです。
インテントマッチについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
» インテントマッチ(旧:部分一致)とは?改称の理由や完全一致との違いを解説
2. フレーズ一致と完全一致との違い
完全一致は、設定キーワードと検索意図が完全に一致する場合にのみ表示します。
【完全一致の掲載範囲例】
広告が表示される語句:新宿 フィットネスジムスポーツジム 新宿
広告が表示されない語句:フィットネスジム 新宿 価格
以前は設定したキーワードの文字列と完全に一致する語句に配信される仕様でしたが、同義語や語順・表記違いの検索語句でも検索意図が一致していれば配信されるようにアップデートされています。
フレーズ一致のメリット
フレーズ一致のメリットを2点解説します。
メリット①:広告費を削減できる
インテントマッチでは無関係なユーザーの流入が極端に多くなってしまう場合において、フレーズ一致に変更して絞り込むことで広告費を削減できます。
少額または短期間のスポットで配信をおこないたい場合は、Google広告推奨のインテントマッチではなくフレーズ一致が適している場合もあります。
メリット②:除外キーワードの設定作業が少なくなる
インテントマッチは配信範囲が広いため、無関係ワードや競合他社ワードを定期的に除外設定する必要があります。
一方でフレーズ一致は配信範囲が狭いため、除外設定の作業頻度が抑えられます。
除外キーワードの設定作業は頻繁におこなう必要があり、広告主様にとって負担となるため、その手間が軽減されるのはメリットと言えます。
フレーズ一致のデメリット
フレーズ一致のデメリットを2点解説します。
デメリット①:目に見えない機会損失がある
インテントマッチでは、幅広い検索語句が表示対象になるため、想定外の検索語句で効果が発揮される場合があります。
一方でフレーズ一致では、設定キーワードに対してかけ離れた検索語句には配信されづらくなるため、インテントマッチであれば配信されて効果が見込めた可能性のある語句に表示されず、機会損失が発生する場合があります。
デメリット②:全てのシグナルを活用できない
インテントマッチでは、ランディングページ・広告グループ内の他のキーワード・過去の検索・ユーザーの所在地などさまざまなシグナルを活用してユーザーの意図を判断していますが、フレーズ一致や完全一致においては利用できない仕様になっています。
そのため、インテントマッチより広告配信精度が低下する可能性があります。
フレーズ一致の活用ポイント
フレーズ一致の活用ポイントについて2点解説します。
ポイント①:インテントマッチで効果が出ない
インテントマッチは機械学習の活用を前提としたマッチタイプであるため、短期間のスポット配信の場合やコンバージョン数が少なくデータの蓄積が十分でない場合に効果が出づらい傾向があります。
その場合にキーワードの制御性とリーチを両立できるフレーズ一致に変更することで、データの蓄積に頼らずにある程度バランスよく配信できます。
下記はYahoo!広告において「インテントマッチ(①)」から「フレーズ一致(②)」に変更して改善した事例になります。
CV | CPA | 表示回数 | セッション数 | コスト | |
---|---|---|---|---|---|
① | 9 | 21,912 | 79,591 | 1,489 | 197,211 |
② | 32 | 5,362 | 43,223 | 891 | 171,574 |
- 考察
-
- Yahoo!広告ではインテントマッチで効果が出なかったため、フレーズ一致に変更して配信したところ、CV:9件→32件(355.6%)、CPA:21,912円→5,362円(408.7%)にそれぞれ改善した。
- Google広告ではインテントマッチ+スマート自動入札で一定の成果を得られていたため、マッチタイプを変更しなかった。
ポイント②:検索語句を確認する
前述のとおり、フレーズ一致は設定キーワードによって掲載範囲に幅があります。
【標準的な掲載範囲の配信例】
広告が表示された語句:ミュージカル 当日券 東京東京 舞台 ミュージカル
【掲載範囲が広くなった配信例】
広告が表示された語句:ハリー ポッター 演劇キャッツ 劇団 四季
上記の配信例を比較すると、「ミュージカル 東京」「ミュージカル 公演」のように設定キーワードが似ていても、それぞれの検索語句に大きな違いがあることが分かります。
広告配信を開始した後は管理画面で検索語句を確認して、効果の低いキーワードの停止や除外キーワードの設定などの対策を講じることが重要です。
まとめ
本記事で解説した「フレーズ一致」は以下のとおりです。
【まとめ】
繰り返しになりますが、フレーズ一致はインテントマッチと相性が悪い案件でもある程度配信ボリュームを確保したい場合に有効です。
【フレーズ一致のメリットとデメリット】
- メリット:インテントマッチよりも配信範囲が絞れるため管理がしやすい
- デメリット:目に見えない機会損失やシグナルの制限がある
必要に応じてフレーズ一致も活用するなどマッチタイプを精査することで効果的に運用できます。
より詳しくマッチタイプを知りたい方は「【2024年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド」でまとめているので、こちらもあわせてご確認ください。
というわけで今回は以上となります。