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ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用ポイントを解説

ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや運用ポイントを解説
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※このページは2025年1月19日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役
中釜 啓太

「ディスプレイ広告とは?」
「リスティング広告とディスプレイ広告の違いを調べている」
「ディスプレイ広告の種類やメリットについて知りたい」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

運用型広告に携わり13年になりますが、ディスプレイ広告についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

ディスプレイ広告の概要や種類、リスティング広告との違い、ディスプレイ広告のメリット・デメリット、運用ポイントについて分かりやすく書いています。

本記事のポイント
  • ディスプレイ広告の概要およびリスティング広告との違いを理解する
  • 本記事を通じてディスプレイ広告の運用ポイントを把握する

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

ディスプレイ広告とは


ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示されるテキスト形式やバナー形式の広告のことです。

バナー広告とディスプレイ広告の定義の違いが曖昧になることがありますが、正確に言うとバナー広告はディスプレイ広告の一種です。

【ディスプレイ広告とバナー広告の定義の違い】

  • ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告
  • バナー広告:画像で表示される広告で、ディスプレイ広告の一種

ディスプレイ広告の主な媒体は、Googleディスプレイネットワーク(GDN)と、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)です。

ディスプレイ広告の種類

ディスプレイ広告の種類について2点解説します。

1. Googleディスプレイネットワーク(GDN)

Googleディスプレイネットワーク(GDN)とは、Google提携のサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告のことです。

▼GDNの掲載例
GDNの掲載例のキャプチャ

【GDNの掲載場所(一例)】

  • YouTube
  • tenki.jp
  • ITmedia
  • 個人のブログ
  • アプリ

2. Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)とは、主にYahoo! JAPAN内のサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告のことです。

▼YDAの掲載例
YDAの掲載例のキャプチャ

【YDAの掲載場所(一例)】

  • Yahoo!ニュース
  • アメーバブログ
  • goo
  • クックパッド
  • 毎日新聞

リスティング広告とディスプレイ広告の比較

各媒体の要素を整理すると下記のとおりです。

▼リスティング広告とディスプレイ広告の比較表
リスティング広告 ディスプレイ広告
掲載場所 検索結果画面 各媒体の提携サイト
広告形式 テキスト形式
  • バナー形式
  • 画像+テキスト形式
配信方式
  • 検索キーワード
  • 年齢
  • 性別
  • コンテンツキーワード
  • インタレスト
  • リターゲティング
  • トピック
  • プレースメント
  • 年齢
  • 性別
ターゲットユーザー 顕在層がメイン 潜在層がメイン(設定によって顕在層も可)
クリック単価 高い 安い

【用語定義】

  • ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告
  • リスティング広告:一般的には検索連動型広告とディスプレイ広告の総称(本記事では検索連動型広告と同義にて使用)

リスティング広告は検索キーワードに連動して広告が表示されるため、「検索連動型広告」とも呼ばれます。

ディスプレイ広告はプッシュ型で広告を配信するため、ターゲットユーザーが基本的には潜在層になりますが、検索連動型広告は能動的に情報を探している検索ユーザーになるので、顕在層にアプローチできます。

検索連動型広告の表示の仕組みなど初心者向けの記事は下記をご参考ください。
» 検索連動型広告とは?今さら聞けない基礎知識を分かりやすく解説

ディスプレイ広告のメリット


ディスプレイ広告におけるメリットを3点解説します。

メリット①:リターゲティング配信ができる

ディスプレイ広告は、リターゲティング機能を活用できることが最大のメリットです。

リターゲティングとは:
一度ウェブサイトを訪問したことがあるユーザーに対して広告を配信すること。「リターゲティング」も「リマーケティング」も意味は同じ。

リターゲティング広告の仕組みの図

既に自社の商品やサービスに興味を持っており、購入に対するモチベーションが高いユーザーに対してプッシュ型で広告を配信できます。

例えば、専門知識を要する求人サイトなどは、ピンポイントでターゲティングできるため、効果が出る可能性が高いと言えます。

リマーケティングについては以下の記事で詳しく解説しています。
» 【完全版】リマーケティングとは?基礎や仕組みを分かりやすく解説

メリット②:クリック数を稼ぎやすい

ディスプレイ広告は、検索広告よりもクリック数を稼ぎやすいという特徴があります。

広告配信の目的が商品購入などのコンバージョンではなく、クリック数の獲得である場合はディスプレイ広告が向いています。

クリック数のみに着目して目標設定をおこなうのは広告配信において本質的とは言えない上に、ディスプレイ広告のクリックは誤タップなど質が悪いことが多いですが、特に大手企業や官公庁などに特有の個別事情によって広告のクリック数を目標にしなければならない場合があります。

そのような場合はリスティング広告よりもディスプレイ広告のほうがクリック数を稼ぎやすく、求められた成果を出しやすいと言えます。

メリット③:クロスメディア戦略に活かせる

クロスメディア戦略とは、ウェブ広告・テレビCM・ポスターなどさまざまなメディアを複数活用するマーケティング手法のことです。

ひとつの広告媒体だけでなく、複数の広告媒体で商材に触れてもらい、単純接触効果によって消費者に商品やサービスをより身近なものと感じてもらうことが目的です。

ディスプレイ広告のみではなく、例えば電車内の広告のようなオフライン広告と掛け合わせることで、商材に対する安心感を高めることも可能です。

ディスプレイ広告のデメリット


ディスプレイ広告のデメリットについても3点解説します。

デメリット①:広告が見られる割合は低い

ディスプレイ広告がどのくらいユーザーに見られているかという指標として、視認可能率があります。

視認可能率とは広告の面積のうち50%以上が画面に表示され、1秒以上表示された割合のことですが、あくまでも視認可能な割合であって、実際にユーザーが広告を認知した割合ではありません。
(参考:視認性とアクティブ ビュー レポートの指標について – Google広告 ヘルプ

実際にユーザーが広告を見ている割合を測定することはできませんが、50%~60%前後となることが多い視認可能率よりはるかに低く、クリックも半分以上は誤タップの可能性が高いと推測しています。

ディスプレイ広告において一定の効果を出すためには特にリターゲティングを用いたターゲットの絞り込みが欠かせません。

【ディスプレイ広告の視認可能率】

  • 広告の面積のうち50%以上が画面に表示され、1秒以上表示された割合のこと
  • 実際にユーザーが広告を認知した割合は視認可能率より大幅に低い

ターゲティングについては、以下の記事をご参考ください。

デメリット②:広告費のコントロールが難しい

ディスプレイ広告は自動入札が主流となった現在では、広告費のコントロールが難しくなっています。

広告費が予想以上に早く消化されてしまう場合があるため注意が必要です。

下記はキャンペーンの日額を50,000円に設定して、22時から配信をおこなった結果、2日とも1時間以内に1日分の予算を使い切ってしまった事例になります。

▼弊社運用事例
CV 表示回数 セッション数 CTR コスト
22時 0 156,449 376 0.24% 49,176
23時 0 0 0 0.00% 0
0時 0 215,701 386 0.18% 43,591
1時 0 0 0 0.00% 0
2時 0 0 0 0.00% 0
配信結果
  • 1日目:配信開始後(22時~)、1時間以内に1日分の予算(50,000円)を使い切った。
  • 2日目:同様に配信開始後(0時~)、1時間以内で1日分の予算(50,000円)を使い切った。

上記のとおりディスプレイ広告は広告費のコントロールが難しい媒体と言えます。

デメリット③:企業イメージが毀損する可能性がある

ディスプレイ広告は、例えばニュースサイトなどの政治的要素や国際問題を取り扱うウェブページに広告が掲載される可能性があります。

上記に広告が掲載されることにより、掲載面によっては自社のイメージ悪化だけではなく、稀にユーザー側からクレームに繋がることもあります。

AIを活用した運用が主流になっている現在では、意図せぬ配信面を完全に取り除くことは困難ですが、ネガティブなイメージを与えそうな掲載面の除外をおすすめします。

【対策】

  • コンテンツの除外を設定する
  • プレースメントを定期的に除外する

ディスプレイ広告の運用ポイント

ディスプレイ広告の運用ポイントについて4点解説します。

ポイント①:ディスプレイ広告の費用感

課金方式はリスティング広告と同じで、原則クリックされた際に広告費が発生するクリック課金になります。

ディスプレイ広告にかける費用はターゲティング設定によっても異なりますが、例えばリマーケティング(=一度ウェブサイトを訪問したことがあるユーザーに対して広告を配信するターゲティング手法のこと)の場合は以下のとおりです。

【検索広告とディスプレイ広告の予算配分イメージ】

  • 広告費10万円 → 検索広告(10万円)
  • 広告費50万円 → 検索広告(45万円)+ディスプレイ広告(5万円)

広告費10万円以下など少額予算の場合はディスプレイ広告を配信せず、広告費が数百万円以上の案件においては、ディスプレイ広告に配分する割合が50%を超えるなど最適な予算配分が異なるため、効果に合わせて調整します。

ポイント②:リスティング広告との運用の違いを理解する

リスティング広告とディスプレイ広告の運用における違いとしては、ターゲティングとクリエイティブが挙げられます。

検索キーワードを軸に広告を出し分けるリスティング広告に対して、ディスプレイ広告には興味関心による絞り込みやリターゲティング機能があるのが特徴です。

ディスプレイ広告のクリエイティブ制作においてはランディングページとの整合性、訴求のインパクトや分かりやすさが重要で、必要に応じてABテストをおこない効果的なデザインや訴求を検証します。

バナーデザインのABテストについては以下の記事で詳しく解説しています。
» 【GDN・YDA】バナー広告の効果的なデザイン:事例解説付き

ポイント③:リマーケティングを活用する

ディスプレイ広告のメリットでも解説しましたが、ディスプレイ広告はリマーケティング配信できる点がメリットです。

下記は効果的なリマーケティングのポイントをチェックリストになりますので、ご参考ください。

効果的なリマーケティングのポイント

以上のポイントを押さえて活用することで、より効果が出やすくなります。

リマーケティングの効果的な運用については以下の記事で詳しく解説しています。
» 【最新版】リマーケティングの効果を見直す11の施策

ポイント④:定期的にプレースメントを精査する

前述のとおり、特にGDNにおいては配信面が多く、中には誤タップを誘発するような悪質なサイトやアプリの表示も含まれます。

管理画面上から広告が掲載されているサイトやアプリを確認して、必要に応じてをプレースメントを除外する必要があります。

キーワードの除外と同じ感覚で定期的な配信面の精査をおすすめします。

参考:ディスプレイ広告のこれから

結論から言うと、弊社では以前よりディスプレイ広告を積極的に実施することは少なくなっています。

理由としては、配信面の質やコントロール性の低さなどデメリットがメリットを上回っていることが挙げられます。

現在リスティング広告を配信していて新規出稿先を探しているという方は、クリック数を稼がなければならないなど一部の個別事情を除いて、Meta広告などのSNS広告を積極的に検討してみることをおすすめします。

【ディスプレイ広告を検討する場合】

  • ディスプレイ広告は配信面の質やコントロール性が低いことを認識する
  • Meta広告などのSNS広告を積極的に検討してみることもおすすめ

まとめ

本記事で解説した「ディスプレイ広告」についての内容は以下のとおりです。

本記事をまとめると下記のとおりです。

本記事のまとめ
  • ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示されるテキスト形式やバナー形式の広告のこと
  • ディスプレイ広告の種類は、Googleディスプレイ広告(GDN)とYahoo!ディスプレイ広告(YDA)の2種類がある
  • 検索キーワードを軸に広告を出し分けるリスティング広告に対して、ディスプレイ広告には興味関心による絞り込みやリターゲティング機能がある
  • ディスプレイ広告はクリック数を稼ぎやすい一方で、質の低い配信面も多く、配信や掲載コントロールが難しい

本記事を参考にディスプレイ広告の配信検討の材料にしてください。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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