「リスティング広告で指名キーワードを出稿するのは無駄ではないの?」
「SEOで1位なのにわざわざリスティングを出す必要はあるの?」
「リスティング広告の指名キーワードと一般キーワードの違いを知りたい」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケター兼ユーチューバーの中釜(@keitanakagama)です。
リスティング広告に携わり12年になりますが、指名キーワードを出稿するかしないかについては未だに賛否両論があります。
結論から書くと、リスティング広告で指名キーワードを出稿したほうがよいメリットについては、以下のとおりです。
- 指名キーワードを出稿するメリット
-
- 競合他社の1位掲載を防止できる
- 検索結果の占有面積を増加できる
- 同じ名前・似たような名前の対策ができる
- 売りたい商品の宣伝ができる
- クロスメディアへの対応ができる
ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
指名キーワードを出稿するメリット
改めてですが、指名キーワードでのリスティング広告出稿はしたほうがよいです。
出稿するメリットについて5点解説します。
- メリット①:競合他社の1位掲載を防止できる
- メリット②:検索結果の占有面積を増加できる
- メリット③:同じ名前・似たような名前の対策ができる
- メリット④:売りたい商品の宣伝ができる
- メリット⑤:クロスメディアへの対応ができる
メリット①:競合他社の1位掲載を防止できる
自社名を検索したときに、他社の広告が掲載されていることはありませんか?
このように広告を出しておかないと本来は獲得できていたであろう新規顧客を他社にとられてしまう可能性があります。
ただし、競合も意図せず広告が出てしまっている場合もあるので、競合に出稿をやめてもらえないか連絡する必要があります。
競合の広告が出ている場合、主に2パターンあります。
- マッチタイプなど関連キーワードで意図せずに出稿されている
- 他社の社名キーワードを購入することで意図的に出稿している
以下のテンプレートをコピペして使ってください。
競合他社にメールを送る文章例
リスティング広告ご担当者様
お世話になっております。●●と申します。
弊社の▲▲という企業名を検索エンジンで検索すると、
連動して貴社のリスティング広告が表示されております。
関連キーワードで表示されている可能性もあるので、
▲▲というキーワードをフレーズ一致にてご設定いただけますでしょうか。
お手数をおかけして申し訳ありませんが、
どうぞよろしくお願いいたします。
無視された場合はどうしようもありません。こちらも競合のキーワードを設定してやり返すか、もう一度お願いするか。戦い合うと一番儲かるのはグーグル社なのでお互い冷静に対応したほうがよいです。
メリット②:検索結果の占有面積を増加できる
指名キーワードが検索されたときに、自然検索のみの場合と、リスティング広告も出稿している場合とでは、占有面積に大きな差が出ます。
以下のスクリーンショットを見比べていただくと違いが分かるかと思います。
▼(左)自然検索のみ、(右)有料検索+自然検索
占有面積増加による効果
- 単純にクリックされやすくなる
- SEO上位に表示されている悪い評判を下げられる
あまり大きな声では言えませんが、悪いコメントが書かれている「2ch」や「Yahoo!コメント」に流れないように指名キーワードを活用する企業もありました。
メリット③:同じ名前・似たような名前の対策ができる
同じ名前、似たような名前の企業やサービスは多いです。
よく似た名前の例
- 東京AGAクリニック
- 新宿AGAクリニック
- 駅前AGAクリニック
- AGAヘアクリニック
- AGAスキンクリニック
- ヘアライフAGAクリニック
すみませんが、間違ってしまいそうになります。
自社の広告を出稿していないと、間違って別のところに申し込む可能性があります。
上記のような場合はリスティング広告を掲載していないと絶対損をしてしまいます。
メリット④:売りたい商品の宣伝ができる
指名キーワードのリンク先をTOPページにするのではなく、売りたい商品のページに設定する戦略もあります。
指名キーワードの遷移先の例
- メーカーや販社:新商品
- 旅行会社:いまもっともシーズンの商品
- 総合施設:いまやっている公演や舞台
- テレビ(WOWOWなど):いまやっている人気の番組
専用のランディングページを作成するとさらに効果的です。
メリット⑤:クロスメディアへの対応ができる
リスティング以外のオフライン広告もやっている方は、以下のようにウェブと連動させる方法があります。
指名キーワードと連動できるオフライン広告
- 新聞
- 雑誌
- チラシ
- 電車広告
- テレビ
大きな効果は期待できませんが、やっておいて損しません。
リスティング広告の指名と一般キーワードの違い
リスティング広告の指名キーワードと一般キーワードの違いは以下のとおりです。
指名キーワードとは
【キーワード例】iPhoneAndroid
一般キーワードとは
【キーワード例】スマホスマートフォン携帯電話
No | 項目 | 指名キーワード | 一般キーワード |
---|---|---|---|
1 | コンバージョン率 | 高い | 低い |
2 | クリック単価 | 安い | 高い |
補足:検索ユーザーの状態
- 指名キーワード:既に自社の商品やサービスを知っている状態
- 一般キーワード:商品やサービスの情報収集や比較検討をしている状態
指名キーワードを配信して効果を最大にする方法
指名キーワードの効果的な配信方法を4点解説します。
1. タイトルに公式訴求を入れる
広告文に「公式」という文字を入れるか入れないかで、効果が変わります。
運用事例①
下記は弊社の運用事例です。タイトルに公式訴求をするだけで、以下のように改善されました。
訴求別 | クリック率 | コンバージョン率 |
---|---|---|
公式訴求あり | 20.25% | 22.75% |
公式訴求なし | 14.46% | 14.77% |
コンバージョン率:1.54倍(差分+7.98%)
指名キーワードの広告には、必ずタイトルに公式訴求をすることをおすすめします。
2. 広告表示オプションを設定する
リスティング広告には、画面の占有率が上昇し、CTRが上がる無料のオプション機能があるので設定することをおすすめします。
今回は主な2つを紹介します。
サイトリンク表示オプション
サイトリンク表示オプションでは、広告文のリンク先URLとは別に、サイト上にある特定のページにユーザーを直接誘導することができます。
▼あわせて読みたい
サイトリンク表示オプションとは?初心者向け完全ガイド
コールアウト表示オプション
コールアウト表示オプションでは、広告文の下にさらに複数の簡単な説明文を追加することができます。
サイトリンクとは異なり、リンク機能がないのでクリックすることはできません。
▼あわせて読みたい
コールアウト表示オプションとは?文字数など概要について解説
3. 除外キーワードを設定する
「〇〇 キャンセル」「〇〇 退会」「〇〇 解約」など、ネガティブな理由で検索されている場合には広告を表示したくありません。
そういった場合の広告表示を避けるために、フレーズ一致で除外キーワードとして設定することをおすすめします。
除外しておきたいキーワード一覧
芸能人の不倫やスキャンダル、新型コロナなどテレビで大々的に取り上げられるニュースは一瞬で予算を消化してしまうので除外すべきです。
4. 地域に応じて広告文を表示する(上級者向け)
全国に店舗を展開している方は、複数キャンペーンを作成するより、ひとつのキャンペーンで広告カスタマイザを設定したほうが効果的なことがあります。
広告カスタマイザとは
例えば、以下のようにデータフィードを設定することで「千葉県」「埼玉県さいたま市」「大阪府大阪市」で検索したユーザーに対して広告文の出しわけが可能です。
Target Location | エリア名 |
---|---|
千葉県, 日本 | 千葉 |
さいたま市, 埼玉県, 日本 | 大宮 |
大阪市, 大阪府, 日本 | 梅田 |
次に広告文で以下のように設定します。
ユーザーの検索場所や検索した地域名によって適切な広告文が表示できます。
- 千葉県で検索:<千葉店>ABCサロン
- さいたま市で検索:<大宮店>ABCサロン
- 大阪市で検索:<梅田店>ABCサロン
ただし、リンク先URLの出しわけをおこないたい場合は、キャンペーンと広告グループを分けて管理しないといけないのでご注意ください。
まとめ:指名キーワードは出稿する
本記事で解説した「指名キーワードを出稿するメリット」は以下のとおりです。
【まとめ】
最後に余談ですが、Google広告はどのキーワードも自由に設定できるので、他社の社名キーワードやブランドキーワードも設定できます。
ただし、他社の社名キーワードで広告を配信する行為は、「人のふんどしで相撲を取る」ようなもので、個人的には悪しき機能だと考えています。
すべての広告主が指名キーワードを出稿しなくてもよいように、他社のキーワードで広告を配信できないようにするなど仕様変更を望みます。
このような時代だからこそ、奪い合うのではなく、助け合える世の中にしたい。
というわけで今回は以上となります。