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リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説

リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説
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※このページは2024年8月19日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役 中釜 啓太

「リスティング広告の費用の相場が知りたい」
「リスティング広告の費用をどのように決めればよいか分からない」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

リスティング広告に携わり12年になりますが、リスティング広告の費用の相場について調べている方が多いので記事にしました。

結論から言うと、商材や目的によって予算が大きく異なるため、どの広告主様にも当てはまる適正予算はありませんが、月額30万~50万円で配信される方が最も多いです。

インターネット広告の市場規模は2023年時点で3兆3,330億円(前年比107.8%)で、テレビや新聞などの従来のマス媒体をすでに追い抜いており、今後も成長を続ける見込みとなっています。
(参照:2023年 日本の広告費 – 電通

本記事では、予算の相場や代理店運用と自社運用の違い、少額で効率よく配信する方法も解説しているので、予算設定のご参考にしてください。

ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

リスティング広告の費用

リスティング広告の費用
まずリスティング広告の課金方式や予算の相場について解説します。

リスティング広告の課金方式

リスティング広告はクリック課金制となっていて、1クリックあたり数十円~数千円の料金がかかります。

以前は広告のクリック1回に対して支払い可能な上限額である上限クリック単価(上限CPC)を手動で設定していましたが、現在は自動入札が主流となっているため、こちらが設定した目標に合わせてAIが自動で入札をおこないます。

リスティング広告の場合、表示されるだけでは一切料金がかからず、クリックされて初めて課金される点と、入札によるオークション制なので個々のクリック単価にバラつきがあることが特徴です。

【リスティング広告の課金方法】

  • リスティング広告はクリック課金制
  • 現在は自動入札が主流
  • 表示されるだけでは一切料金がかからない
  • クリック単価にバラつきがある

費用の相場

下記は、実際に弊社へお問い合わせいただいた30社の月額予算を集計したグラフです。

弊社の問い合わせフォームからご連絡いただいた広告主様に、配信状況および月額広告費のヒアリングをおこなった結果を「①初めて広告出稿を検討している場合」「②すでに他社に運用を委託している場合」「③自社で運用している場合」ごとに分けています。

※弊社にお問い合わせされる広告主様は小規模で配信をおこなう方が多い点と、ヒアリング時のお客様の自己申告を基にデータを集計しているため、必ずしも正確な数値とは限らない点をご了承ください。

▼①初めて広告出稿を検討している場合
初めて広告出稿を検討している場合

初めての場合はどれくらい効果が出るか様子を見たい方が多いため、予算50万円以下で設定する場合が半数以上、30万円未満も27.0%を占めています。

▼②すでに他社に運用を委託している場合
すでに他社に運用を委託している場合

30万~50万円未満の層が最も多いですが100万円以上も4割ほどを占めており、初めての配信に比べて予算規模が大きくなります。

▼③自社で運用している場合
自社で運用している場合

自社運用をおこなっている企業に関しては月額広告費にバラつきがあり、自分の業界や商材に合った予算を見つけて設定していることが分かります。

全体を通して30万~50万円の層が厚く、始めての場合は少額予算の割合が多いなどの傾向はありますが、どの場合でも100万円以上や10万円前後と予算規模は企業によって大きく異なります。

代理店運用と自社運用の比較

代理店に依頼するか、自社で実施するか悩む方も多いので代理店運用と自社運用を比較し、解説します。

運用手数料の相場

代理店の運用手数料の一般的な相場は「月額広告費の20%」です。

例えば月額予算が100万円の場合は20万円を手数料として代理店に支払います。

計算方法には追加型と内包型の2つがあり、追加型の場合はGoogleに支払う広告費の20%を追加で代理店に支払い、内包型の場合は広告予算全体の20%を代理店に支払い、残金をGoogleの広告費に充当します。

運用手数料の相場

広告運用においてAIの活用が欠かせなくなったことで、アカウント設計やコンバージョン計測環境の整備に工数が大きくかかるため、アカウント初期設計費用がかかる場合もあります。

また、少額予算で依頼すればするほど手数料が減るとは限らず、「広告費が50万円以下の場合、手数料一律10万円」などと最低手数料が一律で定められている場合も多いため、代理店に委託する場合は広告費と運用費を合わせて少なくとも30万円ほど掛かります。

広告代理店がおこなう主な業務は以下のとおりです。

【広告代理店がおこなう業務】

  • 戦略策定
  • アカウント設計
  • キーワード選定
  • 除外キーワードの追加
  • クリエイティブ制作
  • ランディングページ改善
  • レポーティング業務
  • ミーティング対応
  • 進捗確認
  • 品質管理

手数料の金額によって上記のうちどの業務を受けられるか、どれくらいの深度でおこなってくれるかが異なります。

手数料が多くなるほど複数媒体をかけ合わせて配信するなど、工数を増やして広告効果の最大化を狙うことができ、反対に相場よりも安い手数料を設定している代理店などは最低限の工数でおこなえる範囲のサポートを提供しています。

代理店運用のメリット・デメリット

代理店に委託する主なメリットは以下になります。

【代理店運用のメリット】

  • 実績やノウハウのある専門家に運用を委託できる
  • 媒体の最新情報を持っている
  • 社内リソースを割く必要がない

自社で広告運用に割くリソースがないという広告主様も、効率よく広告効果を得ることができます。

反対に代理店に委託するデメリットは以下になります。

【代理店運用のデメリット】

  • 手数料がかかる
  • 社内にノウハウが溜まりにくい
  • 自社実施に比べ対応のスピードが多少遅れやすい

広告運用を代理店に委託するためには手数料がかかるため自社運用と比べて費用がかさむ点、社内で運用するノウハウが蓄積されにくい点はデメリットです。

自社運用のメリット・デメリット

続いて自社運用の主なメリットは以下になります。

【自社運用のメリット】

  • マーケティングの知見・ナレッジが社内に溜まる
  • コミュニケーションコストが下がり、PDCAを高速で回せるようになる
  • 社内データを用いて戦略立案ができる

自社でノウハウを蓄積したい、自分たちで手を動かして広告を配信したい企業は自社運用を選択する傾向があります。

反対に自社運用の主なデメリットは以下になります。

【自社運用のデメリット】

  • 採用・教育ともに時間と労力がかかる
  • 属人化しやすく、転職も多い
  • 最新情報やノウハウを自分で入手する必要がある

当然ながら自社で広告運用をおこなうためには社内でリソースを割いたり、特定の担当者が離職した場合に引き継ぎをおこなったりする必要があります。

少額予算なら自社運用もおすすめ

30万円以下の少額予算の場合は、まず自社で運用してみることもおすすめです。

理由としては、少額予算の場合、代理店運用と自社運用に大きな効果の差がない点と、代理店に頼むメリットよりも自社運用のメリットの方が大きくなる点が挙げられます。

現在のリスティング広告において機械学習の活用は欠かせませんが、機械学習はコンバージョンデータを基に広告配信を最適化していきます。

必要なコンバージョン数の目安は月30件以上と言われていて、少額予算の場合月数件のコンバージョンしか獲得できないことも珍しくありません。

その場合は自社で運用していても、代理店に依頼しても機械学習や戦略策定に活かせるデータが充分でなく、自社運用の場合と効果が変わらない可能性が高くなります。

さらに広告主様の負担額が例えば30万円と決して少なくないことに対し、代理店側にとってはできることが少ないという温度感の差が生まれてしまいます。

よって少額予算の場合は自分たちの商材を最も理解している自社で手を動かして運用する自社運用のメリットが勝ります。

【30万円以下の場合は自社運用するべき理由】

  • 代理店の専門知識を活かしにくく、自社運用と効果の差が少ない
  • 月数万円の手数料では代理店が運用に多くの時間を割くことができない
  • 自社の知識を活かして運用するメリットの方が大きい

以上を踏まえた上で、社内でどうしてもリソースを割けない方はもちろん、自社運用をおこなってみて手応えを感じた場合は代理店に委託する選択肢もあります。

広告運用に本腰を入れたい場合は専門家の視点を積極的に取り入れることで、自社でダラダラと運用を続けるよりも効率的に効果の改善が見込めます。

ただ、現在ウェブ広告の予算規模が拡大していることを背景に、50万円や100万円以上などと一定以上の予算の案件しか受けない代理店も増えているため、自分たちに合った依頼先を探す工夫が必要です。

【代理店運用を選択する場合】

  • 社内でどうしてもリソースを割けない
  • 自社運用をおこなってみて手応えを感じた
  • 予算の下限があるかどうかなど、自分たちに合った代理店を選ぶ

広告費の決め方

初めてリスティング広告を出稿する際は、負担にならない程度の少額で始めることが前提だとは思いますが、適正予算を見極める方法を2点解説します。

20万~30万円で始めてみる

広告配信がはじめてで、そもそも効果が出るのか、どれくらいの利益が見込めるのか見当がつかないという場合は、まず特に目標を定めずに無理のない少額予算で始めてみることも可能です。

20万~30万円ほどの月額予算で始める方が多く、傾向として少額予算は機械学習と相性が悪く効果が出づらいことは前述のとおりですが、自分たちの商材や目的でどれくらい効果が出るかは実際に配信してみるまで分かりません。

広告予算にバラつきがあるように、リスティング広告の活かし方も様々で、必ずしも月30件以上のコンバージョンを確保して機械学習をフル活用しなくとも、月数件のコンバージョンが取れれば充分という広告主様もいます。

また、配信してみて効果が出なかったとしても、それを基に他のマーケティング戦略を検討するなど、次に活かす学びとなります。

【少額予算で始める】

  • 効果が出るかどうかは実際に配信してみるまで分からない
  • リスティング広告の活かし方はケースバイケース
  • 効果が出なくても次に繋げられる

目標から逆算して設定

コンバージョン1件あたりにいくら費やして、何件の獲得を目指すのかを決めてから予算を逆算する方法をご紹介します。

計算方法は以下になります。

【計算方法①】

コンバージョン1件あたりの計算方法

【計算方法②】

ちなみに目標CPAと獲得したいCV件数をかけ合わせたものが1ヶ月間の広告費です。
広告費の計算方法

例えば原価1万円の商品を3万円で販売し、5,000円の利益を確保しながら20件のコンバージョンを獲得したい場合は以下のように広告費が算出されます。

【計算例】

価格(3万円)-原価(1万円)-利益(5,000円)=1CVあたり15,000円
→15,000円×20件=広告費30万円

少額で効率よく配信する方法5選


予算を抑えて効果的に配信をおこなう方法を5点解説していきます。

方法①:配信地域を限定する

リスティング広告では地域を限定して配信することができます。

【リスティング広告の地域設定】

  • 地名(都道府県や市区町村)
  • ある地点(地名・住所・施設名・ピン)から半径〇〇km

Google広告が得ている位置情報の精度は6~7割と言われているため、絞れば絞るほどよいわけではありませんが、費用を抑えたい場合はなるべく絞って配信することをおすすめします。

地域設定について詳しくは以下のブログで解説しているので参考にしてください。
» 【初心者向け】Google広告の地域設定方法と注意点について

方法②:時間帯・曜日を絞る

少額予算で配信する場合は、時間帯や曜日を限定する方法も有効です。

効果の出やすい時間帯に限定して配信することで、ターゲットユーザーの検索が活発な時間帯の予算不足による機会損失も防ぐことができます。

例えばBtoB商材の場合は土日祝日や連休中、会社の営業時間外の時間帯を外して配信することで、より効果的に配信をおこなうことができます。

【時間帯・曜日の絞り込み】

  • ボリュームを確保したい時間帯の予算不足も防ぐことができる
  • 休業日やお店の営業時間以外を外して配信する

時間帯設定については以下のブログで詳しく解説しています。
» 【初心者向け】Google広告の時間帯設定と効果的な運用方法

方法③:属性を絞る

リスティング広告ではユーザー属性を指定して配信することができます。

自分たちの商品やサービスに最も興味を持ちそうなターゲット層に絞って配信することで、費用対効果が改善します。

【リスティング広告で設定できる主な属性】

  • 年齢(18-24歳・25-34歳・35-44歳・45-54歳・55-64歳・65 歳以上・不明)
  • 性別(男性・女性・不明)

方法④:マッチタイプを変更する

少額予算の場合、機械学習を生かすことが前提となるインテントマッチで配信すると精度が下がってしまう場合があります。

前述の通り、月30件以上を目安にコンバージョンが確保できていないとデータが足りず、機械学習を最大限生かすことができませんが、少額予算の場合は特にコンバージョンの確保が難しい場合が多いです。

インテントマッチでキーワードを設定してみて効果が出なかった場合は、フレーズ一致や完全一致に変更して配信範囲を狭めることで、関連性の低い検索キーワードを減らすことができます。

【少額予算の場合のマッチタイプ】

  • CV数が少なく機械学習が機能しないとインテントマッチでは配信精度が下がる場合がある
  • フレーズ一致や完全一致に変更して配信範囲を狭めることも検討する

マッチタイプについては以下のブログで詳しく解説しています。
» 【2024年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド

方法⑤:除外キーワードを設定する

予算を抑えて配信をおこなう場合は、コンバージョンに繋がりにくいユーザーの流入を最小限に抑えることが重要です。

特にインテントマッチやフレーズ一致で設定した場合は、配信語句をこまめに確認し、関連性の低いキーワードや競合他社名など、コンバージョンに繋がりにくそうな語句を除外キーワードとして設定します。

【除外キーワード設定】

  • 無駄な流入を最小限に抑えるためにおこなう
  • 関連性の低いキーワードや競合他社名などを除外する

キーワード運用については以下のブログで詳しく解説しています。
» 除外キーワードとは?設定方法やマッチタイプについて詳しく解説

まとめ

本記事で解説したリスティング広告の費用の相場や、代理店運用と自社運用の比較、少額で配信するためのポイントは以下のとおりです。

本記事を参考にしていただき、自分たちに合った広告費で最大限のパフォーマンスが出るように運用してみてください。

というわけで今回は以上になります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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