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リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説

リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説
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※このページは2020年12月11日に更新されました。

「リスティング広告の費用の相場が知りたい」
「リスティング広告の費用をどのように決めればよいか分からない」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケター兼ユーチューバーの中釜(@keitanakagama)です。
リスティング広告に携わり12年になりますが、リスティング広告の費用の相場やいくらから始めればよいかというご質問をいただくことが多いので記事にしました。

中釜 啓太
中釜 啓太
今回はリスティング広告の費用と相場について解説しています

できるだけ少額に抑えたい方向けに、費用を抑える方法も追記しています。

ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

ユニアドチャンネルユニアドチャンネル

リスティング広告の費用の相場は月20万円程度が多い

  • リスティング広告費用の相場は、月20万円~50万円前後が多い。(業界や商材にもよる。)
  • 100万円前後やそれ以上のケースもあれば、10万円前後から始めるケースもある。
■YouTubeで解説しています
1. 費用のポイント①:自分で費用を決めることができる
2. 費用のポイント②:外注しなくても自分で運用ができる
3. 広告費の根拠が必要な方へ
について「【これから始めたい方へ】リスティング広告の費用について解説します」という動画で解説しているので、あわせてご確認ください。

最低30万円必要というのはウソ

他のところでは、最低30万円必要と書かれているところが多いです。

理由

最低出稿金額を30万円に設定している代理店が多いため。

リスティング広告では、キーワードや地域、時間帯など細かい設定が可能なため、20万円程度で成果の出るケースも多々あります。

どうすれば広告費を抑えられるかは「広告費用を抑える方法7選」で解説しています。

広告費の決め方

実際にどうやって広告費を決めたらいいの?

実際にどのように費用を決めていくのかについて解説します。

方法①:代理店に競合がいくらかけているか聞く

広告費をいくらかけるべきか分からない場合は、リスティング広告の運用会社に問い合わせるのが一番手っ取り早い方法かもしれません。

結婚式場の広告での話ですが、地方であれば10万円くらいで効果が出るところもありますが、15万円くらいは欲しいところです。
都心であれば競合も多くなってくるので、20万〜25万円は必要です。

方法②:獲得したい成果の目標から決める

目標コンバージョン単価(=「商品購入」などのひとつのコンバージョンに対してかけられる費用)から計算します。

目標CPAの算出方法

目標CPAは、販売価格・原価・確保したい利益から逆算できます。

例えば、1個30,000円のファッションジュエリーの場合です。

【例】
販売価格(30,000円)- 原価(5,000円)- 確保したい利益(10,000円)= 1コンバージョンに費やせる費用(15,000円)

CPAが15,000円以上になると利益が減り、25,000円を超えると赤字になります。

広告費の計算式

広告費 = 目標コンバージョン単価 × コンバージョン数

上記のファッションジュエリーを1ヶ月に20個売りたい場合、広告費は以下のようになります。

【例】
広告費(300,000円)= 目標コンバージョン単価(15,000円)× コンバージョン数(20個)

方法③:クリック単価の相場から決める

平均クリック単価はキーワード毎にある程度決まっているので、狙いたいキーワードを決めて広告費を計算します。

広告費の計算式

広告費 = 平均クリック単価 × クリック数

この方法には注意点もあります。

最初から綿密に計画を立ててキーワードをかっちり決めすぎると改善の伸びしろが少なく、運用改善の首を絞めてしまうので注意。

なぜならば、運用していく中で注力していくキーワードも変わり、それによって各キーワードにかかる金額も変わるからです。

例えば、以下のようなケースがあります。

フリーランスエンジニアの求人でエンジニア 求人のキーワードを狙って広告を配信。しかし、新たな競合の参入があり、別のキーワードも追加しなければならなくなった。

代理店の手数料は20%が多い

代理店に外注する場合には、広告費の他に手数料がかかります。

それぞれの違いをひとつずつ解説します。

料金①:手数料率型

広告費に応じて手数料の金額が決まるタイプです。

一般的には月額広告費の20%としているところが多い。

手数料率型のメリット・デメリット

  • メリット:広告にかけた費用分のみ手数料が発生する。
  • デメリット:広告費が多いほど手数料も上がるので、成果関係なしに予算を使い切り、広告費の増加を提案してくる。

料金②:定額型

広告費に関わらず、一定の手数料が発生するタイプです。

定額型のメリット・デメリット

  • メリット:多額の費用をかけても少額と同じ手数料しか発生しない。
  • デメリット:代理店は成果に関わらず一定の手数料が貰えるため、コンバージョンを増やそうという運用のモチベーションが低くなる。

料金③:成果報酬型

成果に応じて金額が決まるタイプです。

成果報酬型のメリット・デメリット

  • メリット:費用対効果が明確になる。
  • デメリット:コンバージョン数を増やすために、受注に繋がらない質の低いコンバージョンや架空のコンバージョンも増やそうとする。

広告費用を抑える方法7選

「リスティング広告の費用をもっと抑えたい」と考えている方のために、広告費用を抑える方法を解説します。

方法①:除外キーワードの設定をおこなう

除外キーワードとは:
広告を表示させないようにできるキーワードのこと。

広告を始めたばかりのときは、こちらが想定していない検索語句(=ユーザーが検索したキーワード)で広告が表示されてしまっているので、除外キーワードを設定することで無駄を防ぎます。

例えば、都内でフリーランスエンジニアを募集したい場合です。

除外するキーワード:“大阪”(フレーズ一致)
広告が表示されない検索語句:フリーランス エンジニア 大阪

初心者の方は除外キーワードのマッチタイプも含め、正しく理解して除外することをおすすめします。
» Google広告の除外キーワードのマッチタイプ完全ガイド

方法②:部分一致以外のマッチタイプも活用する

部分一致の広告出稿範囲

部分一致のキーワードは対象となる範囲が広く、その分費用も大きくなります。

より範囲を絞った「絞り込み部分一致」や「フレーズ一致」のマッチタイプも活用することで、費用対効果が良くなる。

初心者の方はマッチタイプがすべて部分一致になってしまっていることが多いです。マッチタイプの詳細については下記の記事をご参考ください。
» 【2021年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド

方法③:品質スコアを上げる

広告の掲載順位は、入札単価と品質スコアを掛け合わせた広告ランクで決まります。

品質スコアを高めることで、低い入札単価でも高い広告ランクを獲得でき、上位掲載が可能です。
▼品質スコアと広告ランクの関係
社名 入札単価 品質スコア 広告ランク 掲載順位
自社 250 10 2,500 1
A社 500 2 1,000 3
B社 200 6 1,200 2

品質スコアは以下の要素で決まります。

  • 推定クリック率
  • ランディングページの利便性
  • 広告の関連性

品質スコアを上げるためには、キーワードと広告とランディングページの繋がりを意識することが大事です。
» Google広告の品質スコアを上げる3つの改善方法

方法④:ロングテールキーワードを狙う

ロングテールキーワードとは、検索ボリュームが少なく、あまり検索されないキーワードのことです。ビッグキーワードと比較して、コンバージョン率が高いという特徴があります。

ビッグキーワードとロングテールキーワードの比較

ロングテールキーワードを狙うことで費用対効果が上がります。

例えば、以下の場合、エンジニア 求人よりit案件 フリーランス javaのロングテールキーワードを狙うイメージです。

キーワード 表示回数 クリック数 クリック単価 CV数
エンジニア 求人 10,000 150 2,000 3
it案件 フリーランス java 100 20 500 1

キーワード選定については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 【プロが教える】リスティングのキーワード選定手順を一挙公開

方法⑤:配信地域を限定する

広告の配信地域を限定するのも、広告費を抑えて配信する方法のひとつです。

【例】
都内23区に広告の配信を強化。
都内のその他の地域(市町村)は弱めて配信。

▼あわせて読みたい
【初心者向け】Google広告の地域設定方法と注意点について

方法⑥:配信ターゲットを限定する

配信地域だけでなく、ターゲット属性に基づいて配信をコントロールすることも可能です。年齢・性別・世帯年収などの項目が存在します。

例えば、シニアエンジニア向け求人の広告の場合です。

40歳以上、男性と限定して広告配信。

方法⑦:オーディエンスリストを活用する

リスティング広告には、さまざまな条件に基づいて設定できるオーディエンスリストがあります。

オーディエンスリストを活用することでより効果的に広告配信ができます。

オーディエンスリストの種類

  • リマーケティング:一度サイトに訪問したことがあるユーザー
  • 類似ユーザー:サイト訪問者と似たような関心を持つユーザー
  • カスタムアフィニティ:ユーザーの興味・関心に基づいて作成
  • 購買意向:ユーザーが積極的に調べている内容に基づいて作成

▼あわせて読みたい
【保存版】GDNターゲティングの種類と効果的な使い方を解説

撤退ラインをあらかじめ決めておく

広告費をかけているのにも関わらず成果が出ないときのために、撤退ラインを決めておくことが大切です。

撤退ラインがないと曖昧になりやすいので、あらかじめ具体的な数字を決めることをおすすめしています。

【例】
コンバージョン単価が〇万円を超えた場合
半年間の月間平均コンバージョン数が〇件以下の場合など。

とはいえ、リスティング広告を始めてすぐに大きな成果が出ることは稀です。

最低3ヶ月は仮説検証を繰り返し運用・改善していくことで、リスティング広告の成功に繋がります。

代理店と自社運用のメリット・デメリット

広告費用の相場が大体分かれば、代理店に依頼するか、自社で実施するかも悩みどころかと思います。

代理店と自社運用のメリット・デメリットは以下のとおりです。

代理店のメリット

  • 過去の実績やノウハウが蓄積されている
  • 最新情報を持っている
  • 社内リソースを割く必要がない(採用・運用)

代理店のデメリット

  • 手数料がかかる
  • 社内にノウハウが溜まらない
  • 自社実施に比べ対応のスピードが多少遅れる

自社運用のメリット

  • マーケティングの知見・ナレッジが社内に溜まる
  • コミュニケーションコストが下がり、PDCAを高速で回せるようになる
  • 社内が持つあらゆるデータを用いて戦略立案ができる

自社運用のデメリット

  • 採用・教育ともに時間と労力がかかる
  • 属人化しやすく、転職も多い
  • 最新情報やノウハウを自分で入手する必要がある

自社運用(インハウスリスティング)を検討している方については、以下の記事もご参考ください。
» リスティング広告を内製化するのが難しい6つの理由

まとめ

本記事で解説した「リスティング広告の費用」は以下のとおりです。

リスティング広告を開始したいときは、20万円くらいが目安です。

新型コロナウイルスの影響で、中小企業では「広告費は増やすというより、減らしたい」というニーズが増えているので、本記事を参考にしていただき、少ない広告費で最大限のパフォーマンスが出るように運用してみてください。

というわけで今回は以上になります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
運用型広告をもっと知りたい方に、役立つ情報をお届けしています。