「リスティング広告の費用の相場が知りたい」
「リスティング広告の予算をどのように決めればよいか分からない」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり14年になりますが、リスティング広告の費用について調べている方が多かったので記事にしました。
結論から書くと、商材や目的が異なる全ての広告主様に当てはまる適正予算はありませんが、初めて広告を配信する場合は月額20~30万円で開始される方が最も多いです。
インターネット広告費は2025年に4兆459億円(前年比110.8%)となり、1996年の推定開始以来初めて4兆円を超えました。総広告費に占める構成比も50.2%となり、初めて過半数に達しています。
(参照:2025年 日本の広告費 – News(ニュース) – 電通ウェブサイト)
特に初めてリスティング広告を配信しようとする場合「どれくらいの予算が必要なのか」「本当に効果が出るのか」など、さまざまな疑問や不安を感じる方も多いと思います。
本記事では、予算の相場や代理店運用と自社運用の違い、広告費の決め方、予算を抑えて効果的に配信をおこなう方法も解説しているので、ぜひご参考にしてください。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
リスティング広告の費用

まずリスティング広告の課金方式や費用の相場について2点解説します。
1. リスティング広告の課金方式
リスティング広告はクリック課金制となっていて、1クリックあたり数十円~数千円の料金がかかります。
例えば、競合の少ないニッチな小売商材であれば1クリック50〜100円程度で済むこともありますが、BtoB・不動産・弁護士相談など、1件の成約単価が高い業界は競合が激しく、1クリック1,000〜数千円になることも珍しくありません。
以前は広告のクリック1回に対して支払い可能な上限額である上限クリック単価(上限CPC)を手動で設定していましたが、現在は自動入札が主流となっているため、広告主側が設定した目標に合わせて媒体AIが自動で入札をおこないます。
広告が表示されるだけでは一切料金がかからず、クリックされて初めて課金される点と入札によるオークション制のため個々のクリック単価にバラつきがある点が特徴です。
2. 費用の相場
下記は実際に弊社にお問い合わせいただいた30社の月額予算を集計したグラフです。
- ①初めて広告出稿を検討している場合
- ②すでに他社に運用を委託している場合
- ③自社で運用している場合
弊社の問い合わせフォームからご連絡いただいた広告主様に、配信状況および月額広告費のヒアリングをおこなった結果を下記のとおり分類しています。
▼①初めて広告出稿を検討している場合

初めての場合はどれくらい効果が出るか様子を見たい広告主様が多いため、30万円未満:27.0%、50万円未満:半数以上を占めています。
▼②すでに他社に運用を委託している場合

30~50万円未満の層が最も多いですが100万円以上も4割ほどを占めており、初めての配信と比較して予算規模が大きくなります。
▼③自社で運用している場合

自社運用をおこなっている企業様に関しては月額広告費にバラつきがあり、自分の業界や商材に合った予算を見つけて設定していることが分かります。
初めての場合は30万円未満の割合が多く、出稿経験があると30万円以上の予算を設定する割合が増えるなどの傾向はありますが、どの場合でも10万円前後や100万円以上と予算規模は企業様によって大きく異なります。
代理店運用と自社運用の比較
代理店に依頼するか、自社で実施するか悩む方も多いので代理店運用と自社運用を比較して4点解説します。
1. 運用手数料の相場
代理店の運用手数料の一般的な相場は「広告費の20%」です。
例えば月額予算が100万円の場合は20万円を手数料として代理店に支払います。
計算方法には追加型と内包型の2つがあり、追加型の場合は媒体に支払う広告費の20%を追加で代理店に支払い、内包型の場合は広告予算全体の20%を代理店に支払い、残額を媒体費に充当します。

広告運用においてAIの活用が欠かせなくなったことで、アカウント初期設計やコンバージョン計測環境の構築にリソースを割く必要があるため、初期費用が別途かかる場合もあります。
少額予算で依頼すればするほど手数料が下がるとは限らず、「広告費が50万円以下の場合、手数料一律10万円」などと最低手数料が一律で定められている場合も多いため、代理店に委託する場合は広告費と運用費を合わせて少なくとも30万円ほど掛かります。
運用会社がおこなう主な業務は下記のとおりです。
- 戦略策定・データ連携:事業目標のすり合わせや、AIに最適な学習をさせるための成果データ(主にコンバージョン)の連携
- アカウント設計:媒体AIの機械学習が最も働きやすい、シンプルで最適化されたキャンペーン構造の構築
- ターゲティング管理:AIによる検索語句の拡張(インテントマッチ等)の方向付けと、除外キーワード設定による軌道修正
- クリエイティブ制作:生成AIを活用した広告テキストやバナー画像・動画の高速な作成とA/Bテスト
- ランディングページ改善(LPO):データ分析に基づく仮説立てと、成約率を高めるためのページ改修提案
- レポーティング・分析:自動ダッシュボードの構築や数値から得られるインサイト(次に活かせる発見)の抽出
- ミーティング・進捗確認:単なる実績報告ではなく、今後のビジネス展開を見据えた戦略的な打ち合わせや品質管理
手数料の金額によって上記のうちどの業務を受けられるか、どれくらいの深度でおこなってくれるかが異なります。
手数料が多くなるほど複数媒体を組み合わせて配信するなど、広告効果を最大化できるように取り組みますが、反対に相場よりも安い手数料を設定している代理店などは最低限の工数でおこなえる範囲のサポートを提供しています。
2. 代理店運用のメリット・デメリット
代理店運用のメリット・デメリットは下記のとおりです。
【代理店運用のメリット】
- 機械学習を最大化するための最適なアカウント設計等のノウハウがある
- 媒体側の最新のAI仕様アップデートに素早く対応できる
- 社内リソースを割く必要がない
【代理店運用のデメリット】
- 手数料(運用費)がかかる
- 社内にノウハウが溜まりにくい
- 自社のビジネス事情(商談の質やLTVなど)が代理店に伝わっていないとAIが「質の低い見込み客」ばかりを集める方向に学習してしまうリスクがある
現在の広告運用は昔のような「手作業での細かな入札調整」ではなく、「AIにいかに正しいデータを渡して最適化させるか」が主流です。
代理店は最新のAI仕様を熟知しているため、初期の学習環境を素早く整え、生成AIを駆使してクリエイティブの検証を回すスピードに長けていますが、一方で、自社のビジネスモデルや『本当に欲しい顧客層』を共有しないと、AIが表面的なクリックや質の低い問い合わせばかりを最適化してしまうため、密な連携がこれまで以上に重要です。
3. 自社運用のメリット・デメリット
自社運用のメリット・デメリットは下記のとおりです。
【自社運用のメリット】
- 顧客の生の声や実際の成約データ(オフラインデータ)を直接媒体のAIに学習させやすい
- ChatGPTなどの生成AIツールの普及により、未経験でも一定水準の広告テキストやアイデア出しが容易になっている
- マーケティングの知見・ナレッジが社内に溜まりやすい
【自社運用のデメリット】
- 初期のアカウント設計や正しくAIに学習させるためのコンバージョン計測タグの設定など、最初の技術的なハードルが高い
- 採用・教育ともに時間と労力がかかる(属人化しやすい)
- 目まぐるしく変わるプラットフォームの仕様変更を自分たちで追う必要がある
20〜30万円以下の少額予算では、AIが学習するための十分なデータ量(クリックや成果)が集まりにくく、媒体の自動化機能がフルに働きません。
そのため、小手先の運用テクニックよりも『自社の商材の強みや顧客の痛みを誰よりも理解していること』が重要になりますが、現在はAIツールを使えば広告文のアイデア出しなども手軽におこなえるため、まずは自社の深い理解を武器にインハウスで小さく始めてみることもおすすめしています。
4. 少額予算なら自社運用もおすすめ
上記でも解説しましたが、20~30万円以下の少額予算の場合は、まず自社で運用してみることをおすすめしています。
予算が少ないと配信ボリュームも小さく、機械学習による広告効果が上がりづらく、実施できる施策も限られるため、代理店との期待値のずれが生じやすい側面もあります。
毎月20~30万円という広告費は広告主様にとっては決して少なくない出費ですが、代理店にとっては月数万円程度の手数料に対して多くの時間を割くことはできないためです。
少額予算の場合は自分たちの商材を最も理解している自社で運用したほうがリターンが大きくなると考えています。
- 代理店の専門知識を活かしにくく、自社運用と効果の差が少ない
- 月数万円の手数料では時間を割くことができない
- 自社商材の知見を活かして運用するメリットも大きい
以上を踏まえた上で、社内で広告運用にリソースを割けない方はもちろん、自社運用をおこなってみて手応えを感じた場合は代理店に委託する選択肢もあります。
広告運用に本腰を入れたい場合は専門家の視点を積極的に取り入れることで、自社でダラダラと運用を続けるよりも効率的に効果の改善が見込めます。
ただ、現在ウェブ広告の予算規模が拡大していることを背景に、50万円や100万円以上など一定以上の予算の案件しか受けない会社も増加しているため、自分たちに合った委託先を探す工夫が必要です。
広告費の決め方
リスティング広告の広告費の決め方について2点解説します。
1. 無理のない予算で始める
広告運用が初めての場合、「効果は出るのか」「どれくらいの利益が見込めるのか」など不安や疑問が多いかもしれませんが、自社にとって負担の少ない範囲の金額で始めることも可能(※)です。
(※)ただし、月額1万円などの極端な少額予算でのスタートは推奨しません。
最低でも月に数件の成果が発生する予算(一般的には月額10万円〜)を確保しないと、AIが上手く機能せず逆に費用対効果が悪くなる可能性があります。
多くの企業様は月額予算を20~30万円ほどに設定してスタートする傾向がありますが、実際にどれくらいの成果が得られるかは配信してみないと分かりません。
広告予算にバラつきがあるようにリスティング広告の活用方法もさまざまで、必ずしも月30件以上のコンバージョンを確保して機械学習をフル活用しなくとも、月に数件のコンバージョンでも目的を達成できれば十分という広告主様もいます。
配信して期待した効果が得られなかった場合でも、配信結果データを分析することで、次の施策の精度を高めることや他のマーケティング施策に活用できます。
2. 目標から逆算して設定する
コンバージョン1件あたりにいくら費やして、何件の獲得を目指すのかを決めてから予算を逆算する方法を解説します。
計算方法は以下のとおりです。
【計算式:目標CPAを設定する】

例えば、原価10,000円の商品を30,000円で販売して、5,000円の利益を確保しながら20件のコンバージョンを獲得したい場合は以下のように広告費が算出されます。
■ステップ①:1件の獲得にかけられる広告費(目標CPA)を出す
= 15,000円
※この15,000円が、1件のコンバージョン(成果)を獲得するために使ってよい広告費の上限(目標CPA)となります。
■ステップ②:目標件数を掛けて全体の予算を出す
= 300,000円
結論:月に20件の成果を出すためには、月額30万円の広告費を予算として設定するのが適切です。
予算を抑えて効果的に配信をおこなう方法

予算を抑えて効果的に配信をおこなう方法を6点解説します。
方法①:配信地域を限定する
リスティング広告では、都道府県・市区町村・特定地点からの半径など、配信対象地域を設定できます。
【地域設定の種類】
- 地名(都道府県や市区町村)
- ある地点(地名・住所・施設名・ピン)から半径〇〇km
なお、Google広告のデフォルトの詳細設定では、対象地域にいるユーザーだけでなく、その地域に関心を示したユーザーにも配信される場合があります。
Google広告の地域判定は、ユーザーの設定/使用デバイス/Googleのプラットフォーム上での行動など複数のシグナルをもとにおこなわれるため、100%の精度が保証されるわけではありません。
そのため、「店舗から半径1km以内」のように極端に範囲を絞りすぎると、対象ユーザーを取りこぼしたり、広告がほとんど配信されなくなったりする場合があります。
費用を抑えたい場合は、自社の実際の商圏(都道府県や市区町村)に合わせて配信地域を限定することをおすすめしますが、過度な絞り込みには注意が必要です。
地域設定について詳しくは下記のブログで解説しているので、参考にしてください。
» 【初心者向け】Google広告の地域設定方法と注意点について
方法②:時間帯・曜日を絞る
少額予算で配信する場合は、時間帯や曜日を限定する方法も有効です。
効果の出やすい時間帯に限定して配信することで、ターゲットユーザーの検索が活発な時間帯の予算不足による機会損失も防ぐことができます。
BtoB商材を例に挙げると土日祝日や長期休暇、営業時間外の時間帯の配信を停止することで、より効率的に配信できます。
【時間帯・曜日を絞るポイント】
- ボリュームを確保したい時間帯の予算不足も防ぐことができる
- 休業日やお店の営業時間以外を外して配信する
時間帯設定については以下のブログで詳しく解説しています。
» 【初心者向け】Google広告の時間帯設定と効果的な運用方法
方法③:属性を絞る
リスティング広告ではユーザー属性を指定して配信することができます。
自分たちの商品やサービスに最も興味を持ちそうなターゲット層に絞って配信することで、費用対効果が改善します。
【リスティング広告で設定できる主な属性】
- 年齢(18-24 / 25-34 / 35-44 / 45-54 / 55-64 / 65+ / 不明)
- 性別(男性 / 女性 / 不明)
方法④:マッチタイプを変更する
マッチタイプとは、広告を表示する検索語句に対してどのくらい厳密に配信キーワードとの一致を求めるか指定する機能のことです。

マッチタイプには掲載範囲の広い順にインテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3種類があります。
【マッチタイプ別の検索語句例】
インテントマッチ:東京都 結婚式場 ランキングウエディング〇〇(競合他社名)
フレーズ一致:東京 式場 人気表参道 結婚式場結婚式場 一覧 東京
完全一致:東京 結婚式場ブライダル 東京挙式 東京
Google広告は機械学習と相性のよいインテントマッチを推奨していますが、少額予算の場合は機械学習が最適化されにくく、インテントマッチで配信すると費用対効果が下がってしまう場合があります。
インテントマッチでキーワードを設定してみて効果が出なかった場合は、フレーズ一致や完全一致に変更して配信範囲を狭めることで改善する場合もあります。
【マッチタイプのポイント】
- 掲載範囲の広い順にインテントマッチ・フレーズ一致・完全一致の3種類
- 少額予算の場合はインテントマッチでは効果が下がる場合もある
マッチタイプについては以下のブログで詳しく解説しています。
» 【2026年最新】Google広告のマッチタイプ完全ガイド
方法⑤:除外キーワードを設定する
除外キーワードとは、特定の検索語句に対して広告を表示させないようにする機能のことです。

予算を抑えて配信をおこなう場合は、コンバージョンに繋がりにくいユーザーの流入を最小限に抑えることが重要です。
特にインテントマッチやフレーズ一致で設定した場合は、配信語句をこまめに確認して、関連性の低いキーワードや競合他社名などコンバージョンに繋がりにくい語句を除外キーワードとして設定します。
【除外キーワードの設定ポイント】
- 無駄な流入を最小限に抑える
- 関連性の低い語句や競合他社名を除外する
除外キーワードについては以下のブログで詳しく解説しています。
» 除外キーワードとは?マッチタイプや設定方法について詳しく解説
方法⑥:ウェブサイトを改修する
ウェブサイトを改修することで、広告から流入したユーザーのコンバージョン率(CVR)が上がり、結果として少ない予算でもコンバージョンを確保できます。
ウェブサイトの改修において意識するポイントは以下のとおりです。
【ウェブサイトの改修で意識するポイント】
- 検索語句との関連性を高め、ユーザーが求める情報を提供する
- 広告文での訴求とランディングページのメッセージを一貫させる
- モバイルでの操作性を重視する
- サイトの信頼性を高める
例えば、目標コンバージョン数が100件の場合、仮にCVRが2倍になれば現在の広告費の半分で目標を達成できる計算になります。
CVRに大きな影響を与えるウェブサイトの改修は予算を抑えて効果を出すために欠かせない施策と言えます。
まとめ
今回お伝えした内容をまとめます。
- 本記事のまとめ
-
- 費用の相場:広告主ごとに適正予算は異なるが、初めて配信する場合は月20〜30万円ほどで開始するケースが多い。
- 課金方式:クリック課金制(CPC)を採用しており、広告がクリックされるたびに費用が発生する仕組み。
- 決め方:無理のない金額から始める方法と、目標CPAから逆算して決める方法の2通りで考える。
- 費用を抑えるコツ:地域・時間帯・属性・キーワードの絞り込みとLP改善によって、費用対効果を高めやすくなる。
リスティング広告を始める際はスモールスタートで様子を見ながら始めるケースがほとんどだと思いますが、少額予算の場合はターゲットを絞って配信することで費用対効果を高めやすくなります。
本記事を参考に自社の状況や目的に合った予算設定をおこない、効果的な広告配信を目指してみてください。
というわけで今回は以上となります。
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