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リスティング広告は効果があるのか?特徴を初心者向けに解説

リスティング広告は効果があるのか?特徴を初心者向けに解説
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※このページは2024年6月3日に更新されました。
中釜啓太

この記事を書いた人株式会社ユニアド 代表取締役 中釜 啓太

「リスティング広告は効果があるのか知りたい」
「効果が出るまでの期間を知りたい」

この記事はそのような方向けに書いています。

こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。

リスティング広告に携わり12年になりますが、リスティング広告の効果についての情報を探している方が多かったので記事にしました。

リスティング広告の効果の特徴や配信開始までの流れ、メリット・デメリットを初心者向けに解説しているので、リスティング広告に興味があり配信を検討している方はぜひ参考にしてください。

注:本記事はこれからリスティング広告を検討していて、効果があるのかどうかについて調べている方向けの記事です。
すでに運用していて効果を上げたいという方は「【保存版】リスティング広告の成果を改善する方法10選」をご確認ください。

ピンポイントで知りたい方のために目次を記載していますので、見たい項目をクリックすると便利です。

それでは解説していきます。

リスティング広告とは

リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンにおける検索結果の上部に掲載される広告のことです。

検索連動型広告の掲載キャプチャ

特定の検索語句に連動した広告を配信することができるため、ウェブ広告の中で最も費用対効果の高い広告のひとつです。

リスティング広告の効果

まずはリスティング広告の効果の特徴について解説します。

特徴①:効果が出るまでおよそ3ヶ月

リスティング広告の効果が出るまでにはおよそ3ヶ月かかります。

中には1ヶ月で効果が出たり、反対にどれだけ運用しても思ったように効果が出ないこともあるため、あくまでも目安ではありますが、まずは3ヶ月運用して効果を見極めることをおすすめしています。

以下は弊社が3ヶ月運用した出版社の広告主様の事例になります。

コスト 表示回数 セッション数 CV CPA
1ヶ月目 289,113 35,132 1,516 14 20,651
2ヶ月目 297,335 38,281 1,643 15 19,822
3ヶ月目 301,998 42,996 1,725 17 17,764

毎月コンバージョン数が増加しており、成果が上がっていることが分かります。

3ヶ月間の運用をおこなうことで、データの蓄積により機械学習の精度も上がり効果が出やすくなるため、効果が出た場合はそのまま継続し、出なかった場合は原因を分析して改善をおこないます。

特徴②:最初の立ち上げが最も難しい

リスティング広告の効果は直線的に上がり続けるわけではなく、以下の図のように推移していくイメージとなります。

リスティング広告の効果推移イメージ

効果が出始めて一定の地点に到達すると、変化が緩やかになります。

効果の出るアカウントを構築するためには、広告運用ノウハウがある程度必要となるため一番難易度が高く、一方で効果の維持については初心者の方にもそれほど難しくありません。

広告初心者の方で自社運用をしたい場合は、最初の立ち上げの部分だけ広告の専門家の力を借り、効果を維持する運用は自分たちでおこなうという選択肢もあります。

特徴③:コンバージョン数が少なすぎると効果が出にくい

現在リスティング広告はAIによる機械学習を活用した運用が主流となっています。

手動での変更が少なくなり広告主側の負担は減少しましたが、機械学習は「どのような配信がコンバージョンに繋がったか」というデータに基づいているため、コンバージョンが月に10件未満など極端に少ないと、配信精度が低くなります。

例えば、コンバージョン数が少ないと関連性の低い検索語句での掲載が増加してしまう傾向があります。

月30件以上を目安にコンバージョン数を確保し、機械学習がかかりやすいアカウント設計を意識することで、効果的な運用ができるようになります。

【リスティング広告におけるコンバージョン】

  • 機械学習のための重要なデータ
  • 月30件以上の確保

配信開始までの流れ

リスティング広告を始める際の流れについて解説していきます。

ステップ①:戦略策定

戦略策定においては、自社の商品やサービスの特徴を改めて確認したうえで、どのようなターゲットに届けたいのかを決定します。

予算をどれくらいかけられるか、どれくらいの利益を目指すかも決めておきます。

【戦略策定のポイント】

  • 自社の商品やサービスの特徴を改めて確認し、ターゲットを明確にする
  • 広告予算を決定する
  • 利益目標を具体的に設定する

ステップ②:アカウントの取得

Google広告やYahoo!広告で広告を配信するためには、広告アカウントを取得する必要があります。

必要事項の入力に加え、Google広告の場合は会社の登記簿謄本や身分証を提出して広告主適格性確認を済ませたら、開設が完了します。

広告アカウントを開設したら、管理画面上からキャンペーンや広告グループを作成することができます。

【広告アカウント取得のポイント】

  • 広告配信を開始するためには各媒体の広告アカウントが必要
  • Google広告は広告主適格性確認を通して身分確認をおこなう

ステップ③:キーワードの選定

どのようなキーワードを検索しているユーザーに広告を表示したいかを設定します。

キーワード選定においては、掲載機会を逃すことが無いようキーワードの網羅が大切であるため、最初の時点で最低25個は設定します。

詳しい選定方法は以下の記事で解説しているので参考にしてください。
» 【プロが教える】リスティングのキーワード選定手順を一挙公開

【キーワード選定のポイント】

  • 掲載機会を逃さないようにキーワードを網羅する
  • 最低25個は設定する

ステップ④:広告作成・出稿

以上が完了したら、広告見出し、説明文、リンク先URLの3つを設定すれば広告を配信することができます。

ユーザーの検索意図を意識して設定することが重要で、例えば広告文に検索キーワードをそのまま入れることでクリックされやすくなり、リンク先のページも広告との一貫性を意識することで、コンバージョンに繋がりやすくなります。

【広告作成・出稿のポイント】

  • 広告見出し、説明文、リンク先URLの3つを作成する
  • ユーザーの検索意図を意識して設定する

リスティング広告で効果を出すためのポイント

続いては、リスティング広告において効果を出すために押さえるべきポイントについて解説していきます。

ポイント①:適切な目標設定

リスティング広告において効果を出すには、まずどれくらいの効果を目指すのかを明確に設定することが重要です。

目標設定方法としては、まず以下の計算方法を用いてコンバージョン1件当たりの費用(CPA)を算出します。

【計算方法】

コンバージョン1件あたりの計算方法

ちなみに目標CPAと獲得したいCV件数をかけ合わせたものが1ヶ月間の広告費です。

【計算方法】

広告費の計算方法

ポイント②:効果を見極める

「広告を配信してみたが目標を達成できていない」「もっと効果が出るのではないか」と感じる場合、各指標を業界平均と比較してみると課題点を洗い出すことができます。

例えばクリックからコンバージョンに繋がった割合を指すコンバージョン率(CVR)は高ければ高いほど良いとされています。

コンバージョンの定義によって大きく数値が変わるため比較が難しい指標ではありますが、参考までに以下が業界ごとのCVRとなります。

▼業界ごとの平均コンバージョン率
業種 平均コンバージョン率
ECサイト 2.81%
教育 3.39%
雇用 5.13%
テクノロジー 2.92%
金融・保険 5.10%
家庭用品 2.70%
健康・医療 3.36%

出典:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

もしコンバージョン率が低いと感じる場合は、キーワード・広告文・配信ターゲットなどの見直しをおこないます。

このように指標を用いて効果を見極めることで、より具体的な改善方法を導き出すことが可能となります。

その他の指標と業界平均は以下のブログで詳しく説明しているので参考にしてください。
» リスティング広告でよく使う指標の計算まとめ【広告運用の基本】

ポイント③:コンバージョン計測環境を整える

上記のとおりコンバージョンは、目標設定だけでなく効果の見極めにおいても重要な指標となりますが、そもそも正しく計測できていないと機械学習がうまく機能せず効果が出づらくなってしまいます。

コンバージョンを正しく計測することで、広告に対するアクション後のユーザーの行動(商品の購入、電話問い合わせなどをおこなったかどうか)を把握できます。

どのようなキーワードや広告がコンバージョンに繋がったのかというデータを蓄積することで、配信精度も上がっていくため、正しくコンバージョンを計測することは欠かせません。

【コンバージョン計測の重要性】

  • 正しく計測できていないと機械学習がうまく機能せず広告効果が出づらい
  • どのようなキーワードや広告がCVに繋がったかというデータを蓄積できる

ポイント④:AIを活用

以前は手動でできるだけ細かく設定をおこなうことが基本でしたが、現在は自動運用によってAIをうまく活用することが重要となっています。

運用を見直す際には、機械学習を最大限活かすことのできるアカウント設計となっているかという視点でおこないます。

除外キーワードの指定など、配信を絞り込むような運用は手動でおこなうことが多いという傾向があります。

【AIを活かすアカウント設計】

Google AIを活用した広告運用

リスティング広告のメリット

リスティング広告のメリットを3点解説します。

メリット①:少額で始められる

リスティング広告のメリットの1つは少額予算でリスクを抑えて始めることができるという点です。

Google広告でも例えば1ヶ月1万円で配信をおこなうことが可能です。

予算を抑えて始めたい場合は、配信地域や配信時間などを絞った上で、試しに1ヶ月間だけ配信することもできます。

【少額で始める際のポイント】

  • まずは1ヶ月配信してみる
  • 配信時間や配信地域も最小限に絞る

メリット②:即効性がある

リスティング広告は最短即日でも配信を開始することができるため、今すぐにでも集客したい場合に適しています。

配信停止もすぐにおこなえるため、急な休業日などの事情もすぐに反映できます。

【リスティング広告の即効性】

  • 最短即日でも配信を開始・停止できる
  • すぐに集客したい場合に適している

メリット③:コントロール性が高い

リスティング広告においては、広告の配信開始・停止だけでなくキーワードの追加や広告の変更もいつでもおこなうことができます。

表示回数やクリック率といった配信成果の指標もいつでも管理画面上から確認することができるため、反響を見ながら細かな試行錯誤をおこなうことができるのはリスティング広告のメリットです。

【リスティング広告のコントロール性】

  • 配信開始・停止や広告の内容変更をすぐ反映できる
  • 反響を見ながら細かな試行錯誤をおこなうことができる

リスティング広告のデメリット

反対にリスティング広告のデメリットを3点解説します。

デメリット①: 効果を出すためには知識や経験が必要

少額で配信を開始できることもあり、リスティング広告を始めること自体は初心者の方でも比較的簡単ですが、効果を出すためにはある程度のノウハウが必要です。

管理画面から配信設定を細かくおこなえる高いコントロール性はリスティング広告のメリットでもありますが、全ての項目を正しく設定できているか把握するのは容易ではありません。

また、頻繁に行われる媒体のアップデートに関する情報収集も常におこなっていないと最新情報に基づいた運用ができなくなってしまう点も、独学で運用する場合に難しい部分です。

【リスティング広告の難しさ】

  • 効果を出すためにはある程度のノウハウが必要
  • 全ての項目を正しく設定できているか把握しづらい
  • 媒体のアップデートに関して常に情報収集をおこなう必要がある

デメリット②:不向きな商品・サービスがある

リスティング広告を配信しても効果の出にくい商品・サービスがあります。

例えば、そもそも検索されることが少ない専門性の高い商材や、日用品など単価の低い商品はリスティング広告によって大きく利益を伸ばすことが難しい傾向があります。

【リスティング広告が不向きな商品・サービス】

  • 検索されることが少ない専門性の高い商材
  • 日用品など単価の低い商品

デメリット③:無駄なクリックによる費用が発生する

リスティング広告は、広告がクリックされるたびに費用が発生するクリック課金制を取っています。

コンバージョンに繋がらないような関係のないユーザーがたくさん流入するとそれだけ費用対効果が下がってしまう点は、リスティング広告のデメリットと言えます。

除外キーワードの設定などの業務を定期的におこなって、無駄なクリックを減らすことが重要です。

【リスティング広告における無駄なクリック】

  • 無駄なクリックが多いほど費用対効果が下がる
  • 除外キーワード設定などを定期的におこなって減らす

まとめ

本記事で解説した「リスティング広告の効果」については以下のとおりです。

リスティング広告は適正な目標を設定した上で機械学習を活用できるアカウント設計を意識するなど、ポイントを押さえて運用することで効果が出やすくなります。

広告の実施をご検討中の方については、まずは少額で1ヶ月配信をおこなって様子を見ることをおすすめします。

というわけで今回は以上となります。

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この記事を書いた人中釜 啓太

株式会社ユニアド代表取締役。
大学卒業後プロのミュージシャンを目指して上京するも、思ったより早めに資金が底をつく。その後、広告代理店でWebマーケティングの経験を積み、2015年株式会社ユニアドを創業。
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