
「リスティング広告とは?」
「リスティング広告をこれから運用したい」
「リスティング広告の初心者向けの記事を探している」
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、社長兼マーケターの中釜です。
運用型広告に携わり13年になりますが、リスティング広告についての情報を探している方が多かったので記事にしました。
結論から書くと、リスティング広告とはユーザーがウェブサイト上で検索した語句に連動して表示される広告のことで、主に検索連動型広告とディスプレイ広告の2種類に分けられます。
リスティング広告をこれから運用する方でも分かりやすいように、運用開始前から運用中の改善点までまとめました。
ピンポイントで知りたい方は、以下の目次から見たい項目をクリックすると便利です。
【目次】
それでは解説していきます。
リスティング広告の基礎知識
まずはリスティング広告の基礎知識について解説していきます。
1. リスティング広告とは
リスティング広告とは、ユーザーがウェブサイト上で検索した語句に連動して表示される広告のことです。
Googleでは検索結果ページの上部や下部に広告が表示されます。
▼Googleの掲載例
「検索連動型広告」と「ディスプレイ広告」の2つの広告の総称を指すこともありますが、今回の記事では「検索連動型広告」をリスティング広告と記載しています。
【リスティング広告の種類】
- 検索連動型広告:ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告
- ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告
リスティング広告の大きな特徴のひとつが、数値を可視化できるということです。
広告の表示回数やクリック数などの数値が出ることで改善点が見つけやすく、より効果的な広告運用をおこなうことができます。
2. リスティング広告とSEO(自然検索)の違い
SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、検索結果画面の上位に表示させるための施策のことです。
下記は、リスティング広告とSEOの違いを比較した表になります。
項目 | SEO(自然検索) | リスティング広告 |
---|---|---|
即効性 | 低い | ◯:高い |
クリック料金 | ◯:無料 | 有料 |
クリック率 | ◯:上位表示されると高い | 全体的に低い |
文言・リンク先の指定 | できない | ◯:ほぼ自由に設定できる |
リスティング広告はクリックごとに広告費が発生しますが、SEOは広告ではないため費用はかかりません。
ユーザーが広告を忌避する傾向から、SEOと比較するとクリック率が低くなる点も違いとして挙げられます。
リスティング広告とSEOの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
» SEOとリスティング広告の違いとは?それぞれのメリットや併用について解説
3. リスティング広告とSNS広告の違い
SNS広告とは、SNSプラットフォームにおける広告配信のことで、プラットフォームごとの特徴や特有の配信面を用いた広告運用が可能になります。
そのため、自社商品を認知していないユーザーにアプローチできます。
Instagram広告 | YouTube広告 | X広告 | |
---|---|---|---|
特徴 |
|
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配信面 |
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|
販売や申込件数を獲得したいのか、まずは認知を拡大したいのか、広告配信をおこなう目的にあわせて適切な媒体を選ぶ必要があります。
SEOや他の広告媒体と比較したリスティング広告の特徴は下記のとおりです。
【リスティング広告の特徴】
- 即効性が高く、最短即日で広告を配信することができる
- 文言やリンク先をほぼ自由に設定できる
- 顕在層に対してアプローチできる
- 検索キーワード(ユーザーが入力したキーワードと広告を結びつける語句)を設定できるため、関連した検索語句にも広告を掲載できる
4. リスティング広告の指標
リスティング広告で用いられる指標は下記のとおりです。
広告の成果を分析し改善施策を検討するために重要な指標となりますので、覚えておくよいです。
No | 指標 | 概要 |
---|---|---|
1 | クリック率(CTR) | 広告がクリックされた割合 |
2 | クリック単価(CPC) | 1クリックあたりの平均金額 |
3 | コンバージョン率(CVR) | コンバージョンされた割合 |
4 | コンバージョン単価(CPA) | 1コンバージョンあたりの平均獲得単価 |
5 | クリック数(CT) | 広告がクリックされた回数 |
6 | コンバージョン数(CV) | ウェブサイト上から獲得できる最終成果 |
7 | 表示回数(IMP) | 広告が表示された回数 |
8 | 費用(COST) | 広告にかかった費用 |
リスティング広告の指標については、以下の記事で詳しく解説しています。
» リスティング広告でよく使う指標の計算まとめ【広告運用の基本】
リスティング広告のメリット・デメリット
続いて、リスティング広告のメリットについて解説していきます。
1. リスティング広告のメリット
リスティング広告のメリットは下記の7点です。
【リスティング広告のメリット】
- 即効性が高い
- 顕在層にアプローチできる
- 高いターゲティング精度
- 効果を保ちやすい
- 少額予算で配信を開始できる
- 費用対効果を可視化できる
- キーワードごとに入札単価を決定できる
リスティング広告の基礎知識でも説明したとおり、リスティング広告は即効性が高く、ニーズが明確なユーザーに配信できるというメリットがあります。
ターゲティングの精度も高く、年齢・性別・地域・時間帯など有効に活用することでより精度の高い配信が可能です。
少額予算で配信開始が可能で、費用対効果を可視化することもできます。
キーワードごとに入札単価(1クリックに支払う上限金額)を決定することもできます。
機械学習の発達により、一度効果が出ると維持しやすいというメリットもあります。
2. リスティング広告のデメリット
リスティング広告のデメリットは下記の7点です。
【リスティング広告のデメリット】
- 広告運用ノウハウが必要
- 広告費の無駄が発生する
- 成果に乖離が生じる
- 競合他社名で配信される
- 競合他社との競争が生じる
- 広告費が多いほど効果が出る
- 視覚訴求ができない
リスティング広告は手軽に出稿できる反面、定期的な見直しをおこなわないと成果につながりにくいというデメリットがあります。
リスティング広告におけるキーワードのマッチタイプは、広範囲な広告配信が可能なインテントマッチが主流のため、関連性の低いユーザーが流入が増すると考えられます。
【インテントマッチとは】
- マッチタイプ:検索キーワードの広告掲載の範囲を決定する設定のことで、完全一致・フレーズ一致・インテントマッチの3種類に分けられる。
- インテントマッチ:最も出稿範囲が広く多くの検索結果に広告が表示される設定で、Googleが推奨するマッチタイプのこと。
訴求は基本的にテキストのみのため、視覚的要素が重要な商材では十分に効果を発揮できない可能性があります。
関連性の低い語句や競合他社名の配信が強化される可能性もあるので、意図していない語句への配信を防ぐ除外キーワードの設定など定期的な見直しが大切です。
コンバージョン数(資料請求・問い合わせなど広告の成果となる指標)が増加するほど広告が最適化されるという仕組みのため、コンバージョン数が少ない場合は効果を出すのは難しくなる傾向があります。
リスティング広告はオークション制のため入札金額が上位掲載に影響を与え、競合他社と掲載順位(広告が掲載される位置)を巡った競争が生じます。
リスティング広告の向き・不向き
リスティング広告のメリットとデメリットについて解説しましたが、商材やサービスによってはうまく効果が発揮されないこともあります。
リスティング広告以外のウェブ広告においても、提供したい商材やサービスの特徴やターゲット層によって、それぞれ向き不向きがあります。
下記では、リスティング広告の向き・不向きについて解説していきます。
1. リスティング広告が向いている商材
リスティング広告が向いている商材は下記の7点です。
【リスティング広告が向いている商材】
- よく検索される商材やサービス
- 他社と比較して優位性がある
- 地域密着型
- 期間限定の商材
- 客単価が高い
- 広告費が多いほど効果が出る
- 競合他社が広告を出稿している
リスティング広告は、検索される回数が多い商品やサービスと相性が良いです。
検索ボリューム(期間内に検索された回数)が大きい商材や自社の商品やサービスが競合と比較して特徴的で優位性を持っている場合は効果的と言えます。
製品名やサービス名の知名度がある場合は、キーワードや広告文に指名ワードを(企業名などの固有名詞)入れることで、関心を持っているユーザーにアプローチすることが可能です。
地域密着型のビジネスは、「地名+サービス名」というキーワードを設定することで、よりピンポイントで広告を届けることができるため高い効果が期待できます。
商材に関連のあるキーワードで検索をおこない、競合他社が長期間にわたり広告を出稿している場合は、効果を発揮する可能性が期待できます。
2. リスティング広告が不向きな商材
リスティング広告に向いていない商材は下記のとおりです。
【リスティング広告が不向きな商材】
- 未知の商材やサービス
- どこで買っても同じ、優位性がない
- 客単価は低く、リピートも見込めない
リスティング広告は、ユーザーが検索エンジン(検索窓のこと)で特定のキーワードを入力したときに表示される広告です。
すでに一定の知名度やニーズのある商品でないとユーザーが検索しないため、まだ市場に認知されていない商品やサービスは向いていません。
他社と比較したときに優位性がなく、どの店舗や販売サイトで購入しても変わらない商品や単価が低く1回の購入で終わる商品には不向きです。
購入の金額が低いと広告費を回収できず、リピート率も低いと継続した収益が見込まれないため、費用対効果が悪化する傾向があります。
リスティング広告の費用
続いては、リスティング広告の費用やCPAの考え方について解説していきます。
1. クリック課金とは
クリック課金とは、ユーザーが広告をクリックすることにより、リスティング広告の費用を決定する仕組みのことです。
クリック単価とは、1回広告をクリックするのにかかる費用のことで、業界などにより相場は異なります。
【クリック単価の計算式】
現在の広告運用においては、入札戦略には大きく分けて「手動入札」と「自動入札」の2種類があり、近年では自動入札が主流となっています。
2. 掲載順位の決定方法
リスティング広告の掲載順位は「広告ランク」によって決まります。
広告ランクは、以下のような計算式で算出されます。
【広告ランクの計算式】
つまり掲載順位を上げるためには、「入札単価」「広告の品質」「アセット(補足情報)の設定」が重要な要素になります。
ただし、現在の広告運用では自動入札が主流となっており、手動で入札単価を細かく調整することはほとんどありません。
そのため、広告の品質やアセットの最適化が、掲載順位を高めるうえでより重要になっていると言えます。
品質スコアについては、以下の記事で詳しく解説しています。
» 品質スコアとは?上げるための改善方法や概要を分かりやすく解説
3. リスティング広告の月額広告費
リスティング広告の費用は、商材や目的により予算が異なるため適正予算はありませんが、月額30万~50万円で配信される方が多いです。
広告費は下記の数式で算出することが一般的です。
1件あたりのコンバージョン(問い合わせや購入など)の単価であるCPAを設定します。
目標CPAと獲得したいコンバージョン件数をかけ合わせたものが1ヶ月間の広告費です。
下記は実際に弊社にお問い合わせいただいた30社の月額予算を集計したグラフです。
※弊社にお問い合わせされる広告主様は小規模で配信をおこなう方が多い点と、ヒアリング時のお客様の自己申告を基にデータを集計しているため、必ずしも正確な数値とは限らない点をご了承ください。
▼①初めて広告出稿を検討している場合
初めて広告を出稿する場合、どの程度効果が出るか様子を見たい広告主様が多いため、予算50万円未満が多くなります。
▼②すでに他社に運用を委託している場合
30万~50万円未満の層が最も多いですが100万円以上も4割ほどを占めており、初めて広告を出稿する場合より予算規模が大きくなります。
▼③自社で運用している場合
自社運用の場合、月額広告費にバラつきがあり、自分の業界や商材に合った予算を設定していることが分かります。
リスティング広告の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
» リスティング広告の費用はいくら?相場と実際の決め方を徹底解説
4. CPAの考え方
広告主様からCPA(コンバージョン単価)の目安について質問されることがあります。
CPAは業種や取り扱う商品・サービスによって大幅に変わるため、以下の算出方法を参考にしてください。
【上限CPAの算出方法】
- BtoBの場合:CV数×平均顧客単価×成約率
- リピート商材の場合:(平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数
広告費の日額がCPAより低い場合どのように考えたらよいかという質問がよくありますが、日額予算がCPAを下回ることは問題ありません。
仮に広告費の日額:1万円、目標CPA:3万円の場合で説明します。
この場合、日額予算がCPAを下回っていますが、例えば3日間広告配信して1件CVを獲得すれば目標CPAを達成できます。
CPAを改善する方法は、下記の計算式②からも分かるようにCPAを改善するにはクリック単価を下げ、コンバージョン率を上げる必要があります。
【コンバージョン単価の計算式】
具体的なCPAの改善方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
» ロジックツリーを活用してリスティング広告を改善する【図解あり】
リスティング広告を始める方法
リスティング広告を始める方法を4点解説します。
1. アカウントの作成
リスティング広告を始めるにはまずアカウントが必要です。
Google広告アカウントの開設手順は下記のとおりです。
- 「Google広告」に遷移する
- [今すぐ開始]ボタンを選択する
- 該当の項目を入力する
- [送信]ボタンを選択する
Yahoo!広告を始めるためには、Yahoo! JAPAN IDの取得が必要です。
2. 広告文の作成
リスティング広告は下記の要素により構成されています。
【リスティング広告の構成要素】
- 広告見出し:広告のタイトル
- 説明文:広告の詳細
- 表示URLのパス:URLの末尾に追加できる文字列
- 最終ページURL:広告をクリックした際に表示されるページ
- 広告表示アセット:広告に掲載できる付加的な情報
広告見出しは15本、説明文は4本まで設定することができます。
広告文作成の中で、特に重要なポイントは下記になります。
レスポンシブ検索広告の最適化チェックリスト | |
---|---|
広告文の作成について、詳しくは以下の記事で解説しています。
» リスティング広告の広告文の作り方のポイント8選
広告表示アセットとは、広告にリンクや企業名を追加できる機能で、画面占有率の上昇に役立ちます。
GoogleとYahoo!で設定できる項目が異なります。
アセット名 | 概要 | Yahoo! | |
---|---|---|---|
サイトリンク | サブページを記載できる | 〇 | 〇 |
コールアウト | アピールポイントを追加できる | 〇 | 〇 |
構造化スニペット | 商品・サービスの補足ができる | 〇 | 〇 |
価格アセット | 商品・サービスの価格を記載できる | 〇 | × |
プロモーション | セールや割引情報を記載できる | 〇 | × |
ビジネスの名前 | 企業やブランドの名前を記載できる | 〇 | × |
ビジネスのロゴ | 企業やブランドのロゴを記載できる | 〇 | 〇 |
画像 | 関連のある画像を記載できる | 〇 | 〇 |
電話 | 電話番号を記載できる | 〇 | 〇 |
住所 | 住所を記載できる | 〇 | × |
リードフォーム | お問い合わせや資料請求ができる | 〇 | × |
アプリ | アプリへのリンクを表示できる | 〇 | × |
広告表示アセットについて、詳しくは以下の記事で解説しています。
» 【2025年最新】広告表示オプション(アセット)の文字数一覧まとめ
3. キーワードの選定
リスティング広告におけるキーワードとは、ユーザーが検索した語句と広告を結びつける語句のことです。
キーワード選定において重要なのは、商材との関連性の高さです。
キーワードを選定する方法は2つあります。
【キーワードの選定方法】
- 自分で考える
- キーワードプランナーを使用する
「キーワードプランナー」とは、Google広告が無料提供しているツールでユーザーの検索語句が集約されています。
抽出したキーワードのうち、検索意図(ユーザーが検索する目的)が同じものは1つにまとめる必要があります。
その際には、「どの語順がしっくりくるか」「日常的に使うキーワードを選定する」などの基準を設けるとよいです。
【検索意図が同じキーワードの例】
- 引っ越し・引越し・引越 → 引っ越しを選定
- オススメ 転職・転職 オススメ → 転職 オススメを選定
キーワードの数も重要になります。
キーワード数が増加すると対象範囲は狭くなるため、適切な範囲のキーワード選定を心がける必要があります。
キーワード | 範囲 |
---|---|
引っ越し | 広い |
引っ越し 東京都 単身 見積り無料 | 狭い |
引っ越し 東京都 | 適切 |
4. 広告の出稿
リスティング広告を、出稿する手順は下記のとおりです。
- 青のプラスマーク >[+新しいキャンペーンを作成]を選択する
- 該当の項目を入力する
- 確認画面まで進む >[キャンペーン公開]を選択する
事前に「目標」「予算」「配信地域」「オーディエンス」などを決めてから入稿をおこなうと、スムーズです。
リスティング広告を効果的に配信する方法
広告の運用開始後、設定変更しないままだと広告の効果が下がる原因となります。
現在の設定を定期的に見直し、必要な改善を都度おこなうことで広告の効果を改善することができます。
1. 運用の目標を明確にする
広告運用を成功させるために重要な要素のひとつとして、広告配信の目的を明確にすることが挙げられます。
最終的な目標は「利益を増加させる」ことですが、下記のように広告配信における目標を設定することが大切です。
【広告配信における目標】
- 売上:購入、申込
- リード獲得:資料請求、問い合わせ
- 認知拡大:サイトへのアクセス
目標が明確になることで、キーワードの選定・広告文の内容が調整しやすくなります。
新規会員数を増加させたいという目標であれば、下記のような訴求ができます。
【会員登録数を増加させたい場合の訴求例】
- 無料登録
- お試し
- 初回〇%オフ
実店舗での来店を促進する場合には、地域名を含めたキーワードを使うと効果的です。
「会員登録〇件」のように定量的な目標を設定することで、運用のパフォーマンスを正確に評価し必要に応じて柔軟に戦略を変更できるようになります。
2. 地域・時間帯の設定をおこなう
効果的に広告を配信するための改善策として、地域と時間帯の設定があります。
地域の設定とは、指定したエリアにのみ配信ができる機能です。
「限定的なエリアで広告配信をおこなっている場合」「効果の出ていない地域を配信から外したい場合」に使用することで、より効果的な広告配信が可能となります。
【地域の設定の使用例】
- 1都3県にのみ配信をおこなう
- 東京都港区から半径30キロの地域のみ配信をおこなう
時間帯の設定とは、指定した曜日・時間帯に配信ができる機能です。
「営業時間内だけ広告を配信したい場合」「効果が低い曜日の配信を停止する場合」に使用することができます。
【時間帯の設定の使用例】
- 営業時間外の22:00~9:00は配信を停止する
- 毎週水曜日は効果が低いので配信を停止する
地域・時間帯設定の手順や注意点については、以下の記事をご参考ください。
3. クリエイティブの改善
広告におけるクリエイティブとは、広告に使用する素材全般のことで、検索結果画面に表示される文言と広告遷移先のURLページに分けられます。
クリエイティブを改善することで、コンバージョン率の上昇が期待できます。
特に広告見出し・説明において、数値(金額、期間)や季節を使用している場合やパフォーマンスに「低」がある場合は、定期的に見直しと改善をおこなう必要があります。
Google広告のおける広告見出し・説明のパフォーマンスは下記手順で確認できます。
- 該当の検索キャンペーン > 該当の広告グループ選択する
- 左メニュー[広告]を選択する
- 該当の期間を設定する
- 該当の広告 >[アセットの詳細を表示]を選択する
- パフォーマンス列を確認する
4. SEOとの併用
リスティング広告のデメリットのひとつとして、広告をやめてしまうと効果がなくなるという点があります。
一方でSEOはリスティング広告のように効果がすぐに出ることは難しいものの、一度コンテンツを作成すれば会社の資本となります。
リスティング広告で効果的なキーワードに対してアプローチをおこない、検索語句でよく出てくる語句をもとにSEO対策をおこなうことで効率よく進めることができます。
リスティング広告とSEOを並行して運用することで安定した売上が期待できます。
【リスティング広告とSEO併用のメリット】
- 検索結果画面の画面占有率が向上する
- 双方のデータを活用できる
- ユーザーのニーズ詳しく理解できる
5. 広告代理店に相談する
より効果的な広告配信の手段として、広告代理店への相談もあります。
自分で運用した場合や自動運用ツールを使用した場合に比べると費用は高くなりますが、経験や知識があるプロに依頼をすることで短期間で成果に繋がりやすくなります。
運用手数料の相場は、広告費の20%程度になります。
広告代理店を選ぶ際は、自社の業界への広告出稿経験があるか・成果や改善施策等の報告があるかなどが重要になります。
弊社でも、リスティング広告の導入実績が多数ありますので、広告運用でお困りの方はぜひご参考ください。
【広告代理店に相談する際のポイント】
- 自社の業界への広告出稿経験の有無
- 成果や改善施策等の報告の有無
リスティング広告の注意点
リスティング広告の運用や開始時における注意点を2点記載しています。
1. 審査落ち対策をおこなう
リスティング広告で審査落ちとなると広告を配信することができないため、事前に規定を確認することが重要です。
Google広告で審査対象となるのは下記の項目です。
【Google広告の審査内容】
- 広告見出し
- 説明文
- キーワード
- リンク先
- 画像や動画
出典:広告の審査プロセスについて – Google 広告 ヘルプ
審査に抵触すると、Google広告の管理画面上では「不承認」と記載がされ、その下に審査落ちの原因が記載してあります。
広告の審査確認は通常1営業日以内に終了しますが、審査不承認になると対応が必要となり、広告配信までに時間を要してしまうため、事前の準備が重要です。
2. 商標登録されている語句は使用しない
リスティング広告で商標登録されている語句を使用すると、トラブルになる恐れがあるため注意が必要です。
商標登録されている語句を使用すると、商標権侵害と判断されて、企業側から広告の取り下げ依頼が来る可能性があります。
トラブルを避けるためにも事前に商標登録の有無を確認することが重要です。
商標登録されている語句を使用したい場合は、法律の専門家に相談をおこない進めることもトラブル回避に繋がります。
【商標登録されている語句について】
- 商標権侵害の恐れがあるため、原則使用しないことが望ましい
- 商標登録されている語句を使用する場合は、法律の専門家に相談をおこなう
リスティング広告に関するよくあるご質問
リスティング広告を始める前に確認しておきたい項目について記載しています。
「どれくらいの予算がいいのか」「配信期間はどのくらいを目安にしたらいいか」など、よくご質問いただく内容を中心にまとめました。
1. 配信期間の目安
リスティング広告をおこなう上で配信期間の決まりはもちろんありませんが、効果が出ているかを判断するという観点では3ヶ月は続けることをおすすめします。
3ヶ月ほど継続して運用すると、コンバージョンなどのデータが蓄積され効果が出やすくなるためです。
コスト | 表示回数 | セッション数 | CV | CPA | |
---|---|---|---|---|---|
1ヶ月目 | 289,113 | 35,132 | 1,516 | 14 | 20,651 |
2ヶ月目 | 297,335 | 38,281 | 1,643 | 15 | 19,822 |
3ヶ月目 | 301,998 | 42,996 | 1,725 | 17 | 17,764 |
3ヶ月でコンバージョンが増加しCPAが少しずつ改善していることが分かります。
1ヶ月で結果が出る場合や継続しても効果がなかなかでない場合もありますが、まずは3ヶ月継続することで効果を実感しやすくなります。
2. 効果が出ているかどうかの判断
成果を見極めるためには、適切なコンバージョン計測環境の構築が不可欠です。
機械学習は計測したコンバージョンをもとにおこなわれるため、二重計測など設置箇所の間違いがあるとコンバージョンが正しく計測されず、結果として誤った施策立案にも繋がりかねません。
【機械学習とは】
- 機械学習:広告運用におけるデータをAIが収集・分析する機能
- スマート自動入札:目的に合わせて広告の効果を最大化するよう入札単価を調整する仕組み
コンバージョン計測環境に誤りがないことを確認できたら、自社の目標と照らし合わせて効果が出ているか判断します。
コンバージョン数のほかに、「コンバージョン率(CVR)」「コンバージョン単価(CPA)」など総合的に判断していくことが求められます。
【効果が出ているかの判断】
- コンバージョン計測環境に誤りがないか確認をおこなう
- 自社の目標と照らし合わせて効果が出ているか判断する
3. 撤退するタイミング
広告を出稿する上で、効果を確認するという点では3ヶ月は継続して運用することをおすすめしますが、運用しないといけない期間は決まっていません。
「いろいろ試したものの効果が出ていない」「媒体との相性が良くないのでは」と感じた場合は、撤退することも視野に入れる必要があります。
撤退すべきかの判断基準が難しい方も多いのではないかと思いますので、下記のように具体的な数値を事前に設定しておくと判断がしやすくなります。
【撤退する判断基準例】
→目標値に対して達成率が80%の場合は撤退/媒体の変更を検討
予算が増加するとコンバージョン数も増加する可能性が高いですが、予算には限りがあるため、期間とコンバージョン数を具体的に数値で決めておくことをおすすめします。
リスティング広告の現在のトレンド
インターネット広告およびリスティング広告の近年の動向と今後の動きについて解説していきます。
1. インターネット広告の市場拡大
電通による日本の広告費の調査では、2024年のインターネット広告費は3兆6,517億円(前年比109.6%)で過去最高となりました。
インターネット広告費は、3兆6,517億円(前年比109.6%)となり、前年より3,187億円増加した。SNS上の縦型動画広告をはじめ、コネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ受像機)などの動画広告需要が一層高まり、市場全体の拡大に寄与した。
出典:2024年 日本の広告費 – News(ニュース) – 電通ウェブサイト
インターネット広告費のなかでもリスティング広告を含むインターネット媒体費は8割を占めており、今後も市場が拡大していくことが予想されます。
以前と現在で比較するとサイト集客の主な手段は、SNS広告等の媒体が増加しています。
以前 | 現在 |
---|---|
|
|
集客のチャネル(手段)が増加したことにより、多方面からのアプローチが可能となりました。
各媒体の特徴や宣伝したい商品・サービスの内容・主なターゲット層にあわせて適切な媒体を選び運用をおこなう必要があると言えます。
2. リスティング広告の運用の手軽さと課題
現在のリスティング広告では、以前まで手動でおこなう必要のあった下記の業務の自動化が進み、より手軽に配信できるようになりました。
【リスティング広告で自動化された項目】
- キーワードの入札
- キーワードの追加
Google広告ではアカウント開設後の最初の3ヶ月間、専任の担当者から運用サポートを受けられる場合があります。
最初のサポート体制が整っているため、比較的手軽に広告配信を開始できます。
配信開始直後は専門家のアドバイスがある一方、サポート終了後は自分自身で広告のパフォーマンスを改善し効果的な運用を続ける力が求められます。
コンバージョンやコンバージョン単価などの数値だけでなく、下記のような数値も確認しさまざまな視点から改善方法を探す必要があります。
【広告運用で使われる数値】
- インプレッション数
- クリック数
- クリック率(CTR)
- コンバージョン率(CVR)
- コンバージョン率(CPC)
特に社内で担当者が変わった場合は、現在の設定が適切か・どの部分を変更すべきかの判断が難しく広告の効果が低下してしまう場合も少なくありません。
広告費を支払えば広告自体は配信され続けますが、効果を最大化するには適切に配信できているかを見極める力と定期的な改善が必要となります。
【リスティング広告の運用の手軽さと課題】
- Google広告ではアカウント作成後の最初の3ヶ月間、運用サポートが受けられる場合がある
- 機械学習も進み、以前より手動でおこなう業務の割合は減少した
- 効果的な配信には、変更の必要な箇所を見極める力と定期的な改善が必要
まとめ
本記事で解説した「リスティング広告を運用するための基礎知識」についての内容は以下のとおりです。
【まとめ】
本記事をまとめると下記のとおりです。
- 本記事のまとめ
-
- リスティング広告とは、ユーザーがウェブサイト上で検索した語句に連動して表示される広告のこと
- 高い即効性や効果を可視化できる点がメリットだが、意図していない配信を防ぐための定期的な見直しをおこなわないと成果につながりにくい
- 検索ボリュームが大きい商材は向いているが、市場に認知されていない商品やサービスで効果を出すのは難しい
- 商材や目的により予算が異なるため適正予算はないが、月額30万~50万円で配信する広告主が多い
- 効果的な運用のためには、配信の目標を明確化した上で機械学習を最大限活用しながら無駄な配信を防ぐことが必要
- 3ヶ月を目安に配信してみて、あらかじめ数値として決めておいた自社の目標を照らし合わせて効果を検証し、継続するか撤退するか判断する
広告運用は以前と比べると、アカウント開設後の運用支援や機械による自動化により手軽に開始できるようになりました。
配信開始後も継続した効果を得るには、課題を見つけ改善していくことが重要です。
運用開始後も同じ設定のままではなく、広告文などのクリエイティブを定期的に見直し改善することが効果的な配信に繋がります。
というわけで今回は以上となります。